残響の足りない部屋

もっと多く!かつ細やかに!世界にジョークを見出すのだ

ひづき夜宵「つい×つい~Twins×Twins~」第一話感想と、八卦電影城の特質考察

つい先日ですが、ひづき夜宵氏が、新しいweb漫画サイト「とわコミ!」にて新連載をはじめました。

tridentworks.co.jp

 

 

個人的にひづき氏の「オリジナル新作漫画」は非常に待望していたのでうれしいのです。
というわけで、この際だから自分のひづき夜宵=サークル・八卦電影城ファン歴を思い返すとともに、新連載「つい×つい」の感想を書きたいと思います。だって公式サイトの感想コメント欄、長文書けないっぽいから……(やるなよ3000字)(この文章の文量デス)

 

●エロゲSD原画・コミカライズの領域で


主にひづき氏は、商業において、「ゲームのSDイラスト」と「ゲームコミカライズ、四コマコミカライズ」を手掛けています。批評空間でのサマリーはこちら。

ひづき夜宵 -ErogameScape-エロゲー批評空間-

SDイラスト原画では、最近作ではエロゲ界の鬼っ子・すみっこソフトの新作での仕事もあります。
が、とりわけ個人的に記憶に残っているのが、小ネタたっぷりの「不定期Ricotta通信」でして。

 

まるで瓦版のような、Ricottaの「ワルキューレロマンツェ」関連のニュースを、かわいく、情報量ゆたかに、かつ小気味よいクリスプなネタでもって描かれてました。結構これTLのRTで流れてくるの楽しみにしてました。

 

記憶に残っている、といえばゲームコミカライズ。一般的には「Rewrite」の四コマの方が有名かもですが(「OKA☆KENブログ」)、
実は、わたくしが個人的にひづき氏の名前を記憶に留めた最初は、「恋姫†夢想」のコミカライズ。
原作キャラを、アクション多めのストーリー中で動かしやすいようシンプルに漫画デザイン。それでいて勢いの良い線でまとめて、キャラの可愛さを保ちながらちゃんとした戦国絵巻を、公式ストーリーに乗っ取ってやっていこう!という気概がありました。なので、その当時の雑誌「電撃G's Festival! COMIC」の中でも、結構記憶に残っていたものです。

 

●艦これロシア&レシピ同人誌

そんで同人のほうでは、これはもう「ロシアと料理レシピの艦これのひと」と目されているようです。
現在艦これやラ!(ラブライブ)同人……のなかでも、ちょっと変わった趣向の同人誌を多くドロップされているひづき氏。
それは主に響(ヴェールヌイ)を主役にした「第六駆逐隊」ものですが、この題材が……ご本人のたゆまぬロシア愛による、ロシア語講座、ロシア旅行記というものです。これはもう艦これ同人のある種の極北というか。当然ながら内容はいたって楽しく、ぼくのような旅行記好き(中学の時分に沢木耕太郎深夜特急」にヤラれて以来……)には非常に面白いものでして。


集めておりますよこのように

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「エロゲでSD書いてるひとは大抵漫画も面白い」

という法則を前々からわたくしは唱えてまして。
実名で例を挙げるだけでも、こもわた遙華(「ら~マニア」がいかに数年前のわたしを救ったか)、鳥取砂丘(フェイバリットは断固として「G専ラフスケッチ」だが、ええい「境界線上のリンボ」の再開はまだか)、都桜和(音楽系萌え四コマにおいて「うらバン!」が鋭く切り開いた地平よ)、そしてひづき夜宵、である。我が軍は圧倒的ではないか!

ですが、あの艦これロシア同人誌の数々が限りなく「オリジナルコンセプトに基づくもの」とはいえ、やはりひづき氏の「オリジナル作品」を読みたい、という思いはありました。

 

●「ピコっとチョコラ」とひづき時空

 

というのも、彼女にはオリジナル処女作「ピコっとチョコラ」がありまして。
この漫画の地味なファンであるのですわたくし。

 

ピコっとチョコラ1 (Flex Comix)

ピコっとチョコラ1 (Flex Comix)

 

 

内容は、「浪人生三人組のもとに魔法少女三人組が次々やってきてガヤガヤ」と一言で表してしまえばそうなのですが、しかしひづき氏処女作から最近作まで振り返ってみて、この時点(2008年作品)特徴的な部分がいくつもあるのです。

  • 動と静を使い分ける漫画的技量(シラっと爆弾発言をカマしたりアクションをカマしたりするとこ)
  • 加えて「あと一歩のアクセルをためらいなく踏み込む」オーバーアクションがかわいい(キャラに無理をさせていない)
  • 描線による時間の流れがほっとする

一番最後が「?」と思われるかもしれませんが、詳しく説明します。

ひづき氏のイラスト、漫画の線はキャッチーなものであります。スレンダー、ロリ傾向の少女を描くシチュが多いだけに、線は清冽。しかし時として「ちょっとシャープであっさりしすぎてない?」と思わせる「こってり感のなさ」があります。
ですが、漫画とは面白いものです。その「こってり感のなさ」が、おだやかな漫画内容、かわいく立ったキャラ、それでいてアクション豊かな描写と相まって導き出されるのは………
………ひづき漫画・イラスト本の特徴は「静かで清冽な線のキャラたちが、ややテンション高めに動くことにより、漫画・イラスト全体が生き生きとしてくる」ということです。
ひづき氏の作品には「無限の広がり」はないけれども、絵葉書などの一枚絵にも似た、ある切り取られた空間の中において、実に居心地のよさそうな時間・空間の流れを、ひょいっ、と簡単にこっちに出してくれる。

 

同時にひづき氏は「余白」の使い方が実にうまい。うますぎる。
余白のない、空間恐怖症気味のきつきつイラスト、というのは、ひづき氏の漫画にはありません。
背景を書くにしても(ロシア本を思い浮かべたり、あるいはレシピ本でもいい)、ぽっかりと空気をそのまま描くような「余白」を残す絵であったりします。
これが、ほっとする。ああ、ここにはちょっと優しい時間が流れてるんだな、という感じで、延々と「ピコっとチョコラ」やロシア旅行本を読んだりしてしまうのです。

 

●新作「つい×つい~Twins×Twins~」

さて、長々語ったところで。

今回のひづき氏待望のオリジナル新作は、「ダブル双子姉妹」ものです。

双子の「似てない」姉妹が、お隣さんの「似てない」双子姉妹との、ダブル双子姉妹・ほのぼの日常コメディ……百合はあるのか!百合は!ええい!はよ!はよ!(バンバン!<机

うまいな、と思ったのは最初のページの「実によく似た茜と葵」の描写から、次のページでドン!と「かわいく似てない茜と葵」というダイナミックな対比でございます。姉妹ここにあり!このかわいさのキャッチーさを当たり前のように描写するのはさすがです。

とはいえ、これまでのひづき氏の美点……アクション多彩なのと、同時に優しい時間の流れ方。画面もいつものほっとするひづき画面であります。

しかし……難点があるのも事実。いきなり四人を「キャラが立つ前に」放り込んだこともあって、ネームにおけるセリフの過積載が目立ったというのも。

「ネタの過積載」

それを考えてみれば、「ピコっとチョコラ」にも「恋姫コミカライズ」にもその傾向はありました。ここのところで一枚絵艦これTwitterイラストでの「情報量が多くありながら余白がある」という、「静かなるキャッチー」を何度となく見てきたので、当たり前と思ってましたが、ひづき氏にはこの傾向がありました。
もちろんこれこそがひづき節でありますので、さんざん世話になっといて今更足向けるかよ的な批判でありますこれは。

見かたを変えれば、新連載において非常に力を入れた、とも言えますし、力が入ってしまった、とも言えます。とはいえこの難点傾向は、第二話、第三話を見てはじめて正確に指摘できる部分でもあります。次回以降さらにキャラ増えるのだったらちょいキツいかなーという懸念は無きにしも非ず。

しかしファーストインプレッションで誰がいいか、といったら、これはもうミステリアスな、お隣さんの姉の方、深春ちゃんであります。どことなくクールでありながらユーモアを忘れない……あまり艦これ同人との比較をするのも問題ですが、さすがに響/ヴェールヌイを描き続けて、この手のキャラの魅力の神髄をつかみにつかんでいると言わざるをえんや!

 

というわけでわたくしはひづき夜宵先生の久しぶりのオリジナル連載をたのしみにしております。

対談ブログ(現在ラブラブル対談編)やってます

zankyofee.jugem.jp

 

現在、上記のブログで、feeさん(ブログ「止まり木に羽根を休めて」管理人)と対談記事を不定期でアップしています。

副題として「シナリオゲーマーvsイチャラブゲーマー」とありますが、ぼくから見て、feeさんは自分が以前エロゲーマー諸子百家で書いたよう硬派な「シナリオ重視、シナリオの豊かな深みを味わうエロゲーマー」でありまして。

その方に対して、ぼくは一介のイチャラブゲーマー。萌え豚……というか、いちゃラブ観測をエロゲプレイで第一とし、始終脳内妄想、脳内イマジナリーいちゃラブに励んでいる軟派エロゲーマーであります。熱き鋼の刃(fee)vs爪楊枝(残響)って感じ。

しかし、あまりに立ち位置が違うとは逆に化学反応でありまして……これがまたお話がはずみまして。少なくともこれだけの文量をカマすくらい語っております。ざっと現在までの目次を書きますと、

 

・ 本文に入る前に

・ジャンルの定義について

・『こみっくパーティー』はシナリオゲー!?

・こんなにも違う『さくらむすび』の捉え方 

・エロゲにまつわる妄想あれこれ
・SMEE「ラブラブルについて」(現在までで五回!)

イチャラブゲーにおける糞シリアスという概念(導入部)

処占厨の話

本当はダーティーな『DRACU-RIOT!』(嘘)

 

……かなりバラエティに富んでおります。ありがたくも、様々なご意見ご感想を承るまでになりました。

現在はSMEE「ラブラブル」の対談の最後……と思いきや、当対談ブログに「おたより」を頂いたので、それに基づいての対談をさらにカマすという極道! まだまだ……まだまだ突っ走りますぜ、エロゲーマー人生! 

 

 

個人的には、このような機会があったことで、最近エロゲーマー、ノベルゲーマー……あるいは「物語の読み手」として、大した活動をしていなかったわたし残響ですが、こうしてコンテンツを残せるような活動をさせていただいていることに感謝しております。エロゲーマー人生も、自分もそれなりに歳を重ねたのかな、と思います。それが、このような形となって、なにがしかの知見を、話し合って提示できること。それは、過去に比べて成長といえるのでしょう…… 

 

……っと、そういう堅苦しい弁明はええのだw たのしい対談となっている、と自負しておりますので、「物語」「エロゲ」「シナリオ視点と百合系イチャラブ視点の違い」というところにご興味のあるかたは、ぜひ。

 

※feeさん側の紹介記事

止まり木に羽根を休めて : イチャラブゲーマー残響さんと対談しましたー! (10/30更新)

同人音楽サークル・8TR戦線行進曲のDTM作曲機材環境

どうもです、残響です。創作では残田響一(ざんだ・きょういち)という名義です。

このブログではあんまり書いてこなかったのですが、現在わたしは、エロゲや音楽の批評(レビュー)活動を休止し、音楽の実作(創作・作曲)活動にいそしんでおります。同人ってやつです。同人音楽。(インディーズとはどう違うの?)(オタっぽさ?)

(サークルHPはこちら)

同人音楽サークル・8TR戦線行進曲。(エイトトラック・せんせんこうしんきょく)

2015年の秋からはじめて、現在(2016秋)までに、2枚のCD(EPとアルバム)を出しました。つい最近、当サークル歴&作曲歴がまる一年になりました。

そこで、このブログを、これからは主に創作のメモやら雑惑やらを書いていくことにします。え、今までとあんまり変わってない? ファファファそれは違うぞ、今までよりももっとぼんやりしたブログになるのじゃよ……。

 

今日は機材について、自分の現在のをまとめる意味合い&備忘録で、書いてみます。

KORG microSTATION

www.korg.co.jp

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↑これ

メインキーボード&メイン音源。

midi打ち込みが苦手で、また弦楽器(ギターとか)も苦手なわたしです。ガガガと弾けて、メロディーも浮かぶのが鍵盤(キーボード)なのです。ガガガと弾けるといっても、右手の手癖フレーズしか弾けません。堕ちたバド・パウエルと呼んでくれ。(傲慢

とにかく音が太い。かなり太い。また、シーケンサー内臓でこれ単体でも曲が作れるのだけど……あんまり活用してない。ハードウエァ好き、ガジェット好きなので、もっと活用したいけど。結局acidで録音してしまう。

 

●ACID Pro7

www.sourcenext.com

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メインのDAW(音楽制作ソフト)。Pro7なのは、ソースネクストでやたら安かったから。わたしが買ったときはmusic studio10と変わらん価格崩壊だったぞ。

いろいろとDAWを渡り歩いて、録音・編集がやりやすいのがこれだった。ピッチ変更とか、テンポ変更がアホほどやりやすい。この手の機能を使いまくるわたしからしたら、(安さもあいまって)巡り合ったソフト、と言えます。

midi打ち込みをこれでやるのは、まだ勉強中。現在、microSTATIONとacid内蔵のソフトシンセをメイン音源にしてるため、プラグインとかソフトシンセは入れてない。唯一入れたNovationのBass stationはやたらハングしまくる……

 

●テキスト音楽「サクラ」

oto.chu.jp

サブ~ほぼメインのmidi打ち込みソフト。

なんとピアノロールではなくて、直にワープロ感覚で「どれみー」と書いたら「ドレミ~♪」というmidiファイルになるというシーケンサ

ああ、アホほど使いやすい!この使いやすさを待っていたんだ!実際、わたしは音屋としての経験より、文字屋としての経験のほうが長いんだからっ!

まあ、基本midi打ち込みは装飾的なシーケンス・フレーズかリズム・パターンでしか使いませんが。

 

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●Focusrite Scalett Solo

オーディオインターフェイス

紅いのが気に入っている(えっ)。なお、これを通したら、見違えるほどにPCのリスニング音質がよくなった。当サークルのオーディオチェックをお願いしているレイシアさん曰く「音楽制作用のは、価格の割にオーディオとしての性能がいいですからね」とのことらしいです。

なお、これにつないでいるスッピカは、超年代物……と書くとオデオ的に「ヲオッ」と思われそうですが、単なる13年前にPCと一緒に買った安いPC用スッピカです……。

 

●ミキサー、リズムマシン、ギター用エフェクター

 

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ミキサーはベリンガーの。もともとギターとかベースを遊びでやってたときのを流用。そんなに使ってないが、卓へのあこがれがありまして……。

リズムマシンzoom RT-123。これもギターとかベースを遊びでやってたときのを。基本、リズムパターンに導かれて曲を作るので、これは役立っています。この音源をそのまんま録音したりもします。というか前2作は相当これを使ったな……。

それから、うちの音作りで特異といえるのが、この「ギター用エフェクターをシンセにかます」というのだと思います。写真のはベースビッグマフ(ファズ)ですが、まあこういう歪みとかディレイを、プラグインを使わずに、エフェクターでするのです。アナログ……しかし、これがまた音が個人的に好みなのでいいのです。使いかたも熟知してるし。ちなみに、ノイズはこのパワーサプライで減じています。

 

 

とりあえずざっとこんな感じです。また何かあったら追記するなり、記事を新たにして書きます。

 

 

 

 

 

カタハネリマスター発売前記事(1)

ドーモ、カタハネ信者です。

カタハネ

数多あるエロゲ(ビジュアルノベル、ノベルゲーム)のなかで、ただ二つだけ最高点100点タメライなくぶっこんでるゲームの片割れです(もう片方はアリスのアトラク=ナクア)。というわけで、今回から8月末の発売まで連載するこの記事は、どう足掻いても信者目線の記事なので、ソコントコ後了承ください。なお、旧版カタハネについては、適時「無印」とか「オリジナル」、今回のリマスターについては「リマスター」とか「AcB」とかって略します。わかるよね。

さて、では、先日アップされた新OPを。

 

 

では、簡単な雑惑を……

 

新OP

 

おお、「走りだした列車」からはじまり……ベルとエファの対比……そして……ってえええええぇぇえぇぇえ!そのCG持ってくるかいっ!

よりにもよって!よりにもよって!作中最大の落涙滂沱CG、「アインの背中」!!!「真の男は背中で語る」を体言するまさにこのCG!

のっけからの大胆すぐぃる演出にびっくらこいただおら。

 

そこから、ココがてくてくコミカルに歩く紙人形めいたカットが入りますが、これも読み解きによっては涙ですよ。シロハネ編とクロハネ編をあらわすカットで、同じ動きをしているココ。長い……本当に長い年月を、同じように過ごしてきたココ。歩き続け、いろいろな人を見続け……背後に時計がありますが、このココの時間間隔、というのはひとつのテーマにもなるものです。

 

CGの使い方ですが、本編CGを大胆に使いまくる……有名なシーン、マイナーなシーン、どっちも。個人的に注目したのは、ロッカおっかさんが劇場で見上げるシーンですね。「子供たち」皆を見上げるシーン。もちろんその中には放蕩息子も……。しかしシロハネ篇ではそっちを拾っておきながらも、クロハネ編ではユッシ殿とハンスをオミットしましたねw それでいいのだ(えっ

 

しかし「もっとも」大切なシーンは、当然のように隠してあります。デュアの馬上のシーンでかっこよさを描くのは「よしっ!」ですが、しかしデュアの「ラストシーン」は描かない。くうぅ……門を……門を……!

 

そう、「アインについて」、非常に断片的な描き方しかしていません、このムービーでは。もっとも、旧OPでは、ミスリードさすために、

 


カタハネ2007ver.2 trailer [HD]

「なんだかウラのありそうなミステリアスな脇役」としてしか描いてませんでしたからね……それを、新OPでは「重要キーマン」として描くのですから。

 

そんで。

おいぃいいぃぃいい!!「アインの墓」は反則だろぉおおお!

一世一代の「裏切り」、歴史に対するとてつもない大諧謔!!

ああもうこれを書くと何もかもネタバレになるので書きませんが、よりによってそのCGまでも明かすか!

 

このOPやOPテーマは誰に対して?

 

「なんか爽やかで、なんかシリアスっぽそう」という意味では、新規ユーザに対して訴求するものですが。

これはまずもって旧ユーザ、ぼくのような「信者」に対する「再演」を高らかに告げるアンサーソング、アンサーOP(?)としての心憎い「ただいま!」の声でしょう。戻ってきた、戻ってきたぞ、カタハネがっ!

OPテーマ「Life goes on」。「Alea jacta est!」とも「it's just farewell」とも「memories are here」とも違う、どこか落ち着きながらも疾走する……あえて言えば「スケールがそれほど大きくない」曲です。

難しいんですよね。「旅/物語のはじまり」は「Alea jacta est!」ですし、「これからの日々」は「it's just farewell」が受け持ちますし、物語のメインテーマは「Memories are here」があまりに受け持っていますし。三つが三つ、大名曲ですから。

だからこそ、そのどれでもない……物語を俯瞰して、少しだけ鼓舞する。もう一度帰ってきた劇場が、ありえなかった再上演(アンコール)の産声をあげる、みたいな。そんなささやかな凱歌(けど、あほみたいにパーッとさわぎたてないようなところが、笛&Jコンビらしく、ぶるよぐらしく、またカタハネらしいじゃありませんか)

 

苦言を呈せば、そのように「もともとのカタハネ」を知っている人間には、落涙滂沱ものですが、しかし、そのような文脈を知らない、まっさらなユーザにはどれほど訴求するものか、というところはあります。

それこそ、昔の名声だけを頼りにしてるんじゃないか、っていう批判も。

ただまあ……カタハネばかりは……「やれば力づくで納得させられてしまう」物語を有していますからね。それも、プレイしているときの気持ちは、とても上品な気持ちになれる、これ以上ないほど上品な作品づくりをしているのですから

 

上品、といえば、「Life goes on」全編を通して聞こえるエレクトリックピアノの音。どこか優しく、どこか懐かしく。疾走する半分アコースティック、半分テクノめいた曲ではありますが、上品で……。まさに作品の格というものを保障しているものではあります。

 

……あー、また信者トークしてますね。しょうがないとはいえ。

 

(つづく)

 

(追伸)もう予約完了してますよ

 

 

シナリオゲーマー×イチャラブゲーマー対談

zankyofee.jugem.jp

 

ということで、「止まり木に羽根を休めて」管理人・feeさんと、エロゲ対談をさせていただきました。

feeさんはシナリオゲー……シリアスな物語なエロゲをよくプレイされる方で、「百合・B級・イチャラブ」を愛好するわたしく残響とのこの立ち居地の違いよ……!

そんなこんなで、同じエロゲーマーでありながら、立ち居地がかなり違うエロゲーマー同士が、「シナリオゲー」「イチャラブゲー」「シリアス」「ドラマ性」「キャラ萌え」……昔のエロゲも、今のエロゲも、縦横無尽に語りました……そんな感じで、4時間20分語りとおしました! ましたぅ!!

 

「自然と模型の調和と融合」メモ1

よんいーさんのブログ「そこに物語があれば」をつらつらと読んでたら、こういう記事があって痛く心をうたれた。

d.hatena.ne.jp

d.hatena.ne.jp

よんいーさんとぼくは、日がなあまり接点があるというわけではない。twitterで相互フォロワー関係にあるが、ちょくちょくリプしあってるほどの密な関係性じゃない。接点といえば、お互いに共通のフォロワーさんがいることとか、以前、同じ同人誌にゲスト寄稿したことがあるとか、ややしばらく前に90年代ガンガン漫画についてやたらとマニアックなトークをさしてもらったことがある、とか、たまに自分のツイートをお気に入り登録してくれてる、とか。
「え、それで接点があまりないの?」といわれそうだが、うん……。たぶん、よんいーさんも、残響というアカウントについては、同じようなことを思ってる立ち居地なんじゃないか、と思う。

なのに、わりとよんいーさんのことをこうして意識しているのは……ぼくがネット界隈のことを意識する人間だというのもそうなのだけど、数ヶ月に一回くらい、よんいーさんのテキスト……ツイートなり、ブログなり、創作小説なりを、じーっと静かに見ている自分(残響)がいるからなのであって。

 

なんでだろう。
「このひと、やたらと誠実に地道に静かにテキストをつむぎ続けるなぁ」という感覚からか。ギャリギャリバリバリにノコギリギュイーン!のようなテキストを紡ぐ方じゃない。けど、ふとしたときに心に染みるテキストを紡ぐ。

……エロゲーマー諸子百家はやめたはずなんだけどね、俺w

さて、上記リンクのよんいーさんの家庭菜園と、ブログ継続の話。

今回の記事では、家庭菜園の話から。

正直、ここまでよんいーさんが家庭菜園にのめりこんでおられるとは思ってなかった。ツイートで、時たまなんかよんいーさんの家庭菜園ツイートが聞こえてくるけど、ここまでマジにやっておられるとは思ってなかった。

よんいーさんは、地方に御住まいだという。だからこその、こうした家庭菜園をしっかり出来るという環境にある。

……そこがね、ちょっとぼくと似ていてね。よんいーさんのテキストに垣間見える、田舎暮らしの屈託というか。

 

●残響の庭園五ヵ年計画

ぼくも実際、すこーしすこーしではありますが、野菜こそ育てないものの、家の庭を開拓しようとしている昨今でして。

テーマは「自然と模型(人工)の調和と融合」。
そう、「模型ありき」の庭園開拓であります。

残響は、いまさら言うのもなんですが、島根という陸の孤島、ド田舎に住んでおります。
まあ、土地だけは余っております。贅沢な話ですが。水も美味い。野菜も旨い。鹿とか猪とか出る。熊も出る。町には本屋の一軒もない。もはや村、限界集落であります。

そんな田舎が俺イヤでね。いろいろ、不愉快な思い出もあったし。
ただ、自然には罪はない……田舎に住んでいる人間どもは不愉快でも、自然には罪はない。

もっとも、自分ほど庭園趣味、自然志向と縁とおい人間もいなかったわけで。それまで、完全インドア趣味というか、お外のドロとかバッチい!という人間でありましたから。

それが、30歳あたりから、妙に「ああ、自然っていうのもいいものなのかもなぁ」と、なぜか思うようになって。

いろんな影響はある。
そのなかでも一番主なのは、森博嗣博士の庭園鉄道趣味。

ミニチュア庭園鉄道(浮遊工作室機関車製作部)

なんというか、そのあまりに美しい「自然のなかの鉄道(機械)」に心をうたれた。やがては自分も、自宅の庭に線路をしこう、と強く思った。

ただ、一足飛びに庭を開拓するのも、すぐに挫折になりそうで。
というわけで、去年から、まずは植木鉢で花とか観葉植物を育ててみようと思った。

それで、これが去年の写真。

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このころは、たまに外に植木鉢を出して、主に室内で育てていた。あまりに模型と本だらけの室内で殺風景だったから……

そして、ちょっと前の写真。

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はい、生きていた草木は、ふたつです。つる草とか、シュガーパインの木とか、見事に枯れまして……。
植木鉢ですら育てられないか自分。

まあそれもしょうがないのかなぁ。だって、30年間生きていて、土いじりってものを、最大限忌避してきた人間なのだもの。小学校の宿題でしか土いじりしなかった人間だもの。

というわけで、今年は新たに二つの花を育てることにしまして、現在こんな感じ。

 

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●【一年目】草木、花の栽培の難しさと面白さ

どこかで、水をやっておけばいいんだろ、的に思っていた自分がいるのは確かですなぁ。
でも、そんなんじゃ、すぐにしおれる。

というか、土が臭くなって、ガスを放出するまで適当に室内で育てていた、というのは、さすがにやりすぎだと思う。水の変なやりかたとか、日光に浴びせすぎ、だとか。栄養剤もむちゃくちゃにやっていましたし。

それが、庭園計画の一年目、室内篇。

>簡単だろうと考えていただけに、出鼻をくじかれハラハラした気分だ。
>が、植物というのはなかなか大したもので、夜間は室内にしまうなどして保温に努めた苗よりも、畑にそのまま植えた苗のほうがずっと成長がよかった。

ぼく自身も、結構臆病になってたのかもしんない。一年目は。
あんまり外に出さずにおいたりね。
でも、自然ってものは、広いってことに気づいた。どんなに栄養剤ぶちこんだり、室温調整した部屋の中にいれていても、「それ以上」の成長はなく。
風にあて、日の光にあて、時折土をひっくり返して新鮮な土壌にして、その上で水を適切にやって、四季のただなかにあって……
そういうんで、ようやく植物っていうのは育つらしい。

なんというか、生き物を相手にするのっていうのは、難しく。
それまで、ほんと人工物……模型とかPCとか、あるいは本とか音楽とかしか相手にしてなかったからな……

よく、自然はままならない、とはいいますが、しかしよーく考えてみれば……かなりスケールを広げて考えてみれば、実に理にかなった成長、動きをしているのですな。
上で書いた土壌の件にしても、「一箇所の狭い循環」では限界があるってことですし、「どこかで新たなモノを入れてこなかったら、すぐに閉鎖的になって淀んでガスになる」っていうことですし。君は健康な土と、淀んだ土の違いがわかるか?

【最近、花が咲きました】

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【結局ゴムの木が一番長寿です、ウチでは】

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【庭園日記、続く……】