残響の足りない部屋

もっと多く!かつ細やかに!世界にジョークを見出すのだ

帰ってきたエロゲーマー諸子百家 本当に100人ひとことコメント編

●ご説明

以前、自分は「エロゲーマー諸子百家」と題して、エロゲーマーの方々について、毎回2000字の文章で、いろんなエロゲーマーを残響がどう見ているか、という所感を書きました。

ときに先日、エロゲー批評空間で、amaginoboruさんのレビューに感想を書いたところ、あまぎさんが残響にあの「諸子百家」を好意的にお読み頂いていたことをお聞きさしていただきまして。

あの連載企画は、アレっきりにしようと思っていたのですが、しかし……あまぎさんとのレスで、「残響さんはエロゲーレビュー、レビュアーを、実地にどう見ているのか。心がけていることはあるのでしょうか?」と問われ、じゃあ実際に、自分が思いついたエロゲーマー100人」を、今どう見てるかを、ひとことコメントで100家を本当に100人バーーーっと書いてみよう、と思いました。実際にお見せするのが一番早いですからね。

ということで、一夜限りの「エロゲーマー諸子百家」再開です。ここに挙げられておられる方で、「ちょ、ちょっとこれは……(嫌」というのがおありでしたら、残響のTwitterでも、コメント欄でも、ご意見を頂ければ幸甚にございます。

 

なお、エロゲー批評空間IDと、ハンドルネームが混在しています。自分の馴染みのよい方を使わせて頂きました。そこはご了承ください。また、(  )内は運営HP(つまり、批評空間よりも御自身のHP、ブログで活動をされておられる、と思えた方)、現在HPで活動をされておられない方は【閉鎖】と書いてあります。

 

●帰ってきたエロゲーマー諸子百家 本当に100人ひとことコメント編

(1)dovさん……行動力。そしてシナリオの軋みが己の心に生じる痛みから逃げない。批評空間という場への愛

(2)メルトンさん……「セリフ=言葉」の解釈からさらに踏み出し、最近は物語の流れに没頭し身を任せるにまで至られるところから生み出す感想の情感

(3)動物性油脂さん……近作レビューでは「ハルスペリヤ叙事詩2」のシステムと物語への熱心さが記憶に残ってますが、それ以上に1/22の「性癖なんだから!しょうがないじゃん!」

(4)feeさん……最近の「つよきすシリーズ再プレイ」連載の文体のゆるやかなペーソスの味が好き。「シナリオガチ取り組み」とはまた別の味わい

(5)Sek8483さん……エロゲ音楽レビューますます冴えわたり、実はすごい私的なことを書いてるけど、なんだかそれが詩的日常の普遍的風景にも見えてくる不思議

(6)マルセルさん……最初にまずテーゼにも似た問題提起。そこからの論は演繹的というよりは、むしろエロゲプレイの長丁場における「帰納的」な感情データの収集……そこからの論説大伽藍なのではないか仮説。


(7)trumpさん……ビシビシと歯切れがよいテキスト。その指摘点はそれゆえに的確……いやその逆(的確ゆえのビシビシ)、か。

(8)よんまーさん……真咲ちゃん(天色アイルノーツ)が氏に惚れるのはワイルドさよりも、むしろレビューの「落ち着き」ではなかろうか(凍京NECROのレビューのメタル話とか、友達の家で聞いてるような親密さがあります)

(9)ななたそさん……サノバウィッチのめぐるちゃんの愛は実験じゃねぇ……!しかし意外にもレビューは親切に同志への情報を伝えてくれるんですよ。自分の情念を一切隠そうとしねぇけど(褒めてます

(10)cyokin10wさん……わりとしばしば、えろすけ近況報告つぶやき見てますw やはり「作品から正面から向き合う」がゆえに、抱える「主張」の強度も厳しくなっていきます

(11)Accord4312さん……なるほど、自分もHarmonEyはプレイしましたが、アコみたいな「社会人ヨメ」が最初からベストだったら、そりゃ最高ですよね……あ、先日のDJ楽しかったです


(12)えびさん……ときたま「なんでこんなに情報を扱うのだろう?」と思うけど……やはり愚問ですね。「情報要素をピックアップして見るから、作品のフォーカスが絞られてくる」のだから。レビューそういう書き方してるように見えるので。

(13)エストさん……「長文にガチ書き」率よりも、短文コメまとめ率が多いが、その姿勢の背筋がピンと伸びてることは、短文コメみても、長文「親愛なる苦悩と孤独へ」を見てもわかる。耳を澄ましたくなる。

(14)76421さん……逐一様々な同人作品をレビュー。語りの充実はデータベースの充実、豊穣なる海に流れる支流に道祖神佇む

(15)Planadorさん……どこかの誰かに届け!この秘められた物語よ!そしてPlanadorさんはご自身の心にも届けようとする!だから見る!考える!見る!届くとは可能性の信仰なんだ!


(16)カラスさん……スッとこちらに「事実」を見せる。その語り口には迷いなく。迷いで読者を霧のなかに置き去りにしない。その姿勢の「真実」よ

(17)Atoraさん……この方もエロゲーマーとして時間を重ねられた。その全てを肯定はしていないだろうが、時間性の重みが文章に宿る。古い木彫りの人形が、己が子に受け継がれる心地のように。

(18)4Dさん……「その発想だったか!」という気づきが、いつもレビューを読んでいて、感じる。パーソナリティ所以か、経験所以か。ともかくも視点が「新しく、滋養のある」

(19)(光)さん……プリティケ2穂波バースデーコレクションの100点文章ですが……この宝石のような316文字に敵う316文字はない。

(20)魔法使いさん……人生とは瞬間瞬間であり、瞬間において逃げることも出来る。この方はそれをしなかったという瞬間瞬間を重ねられた。だから、雨上がりのような爽やかさすら感じるときがある


(21)アミーゴさん……「納得できない」こと、を、ただヘイトでなく、もう1、2歩踏み込む。そこから見えるものが、確かにある。

(22)vostokさん(オネミリエ)……この方の文章で、何度心象風景を幻視しただろう。数えられないほどだ。

(23)ぐらさん……ボクシングで例えれば、ワンポイントからのフック。そのフックが、自分でも不思議なほどに効いてくる。その後気づけば、何かがふと大きな形で変わっている。フックだったよな……あれ?

(24)たいきさん(立ち寄らば大樹の陰)……エロゲ文化を形作るのが情報であるのならば。作品を作るのが情報であるのならば。この方は自然なる営為として、自分のために書き、残し、誰かはどこかで感謝している。

(25)ひきにくさん……「たのしい」ということは本当に大事なことなのだろう。自然なるたのしさがなかったら、誰がエロゲなどするものか、という意志が見える。前よりも。

(26)まつさん(続・這い上がれ!まつ子さん)……あのさ、「●●(作品名)おしっこレビュー」って、ブログでシリーズ化していて、そのタイトルの言霊というね。そして内容も本当にその通りなのよね。偽りがない……。

 

(27)ねずもさん(飢えた鼠はエロゲを噛みぬ)……年末年始のブログでの「恋カケ」読解もそうですが、「足りない!足りない!もっと味わいたい!」って貪欲さが、根底にあるのかな、と推察してみる

 

(28)garbagememoさん(百合妄想を聞け!【閉鎖】)……百合の気骨……!誰にも媚びない、最後まで媚びなかった!


(29)ひろにょりさん(げいむ乱舞界)……テンションで叫ぶ。プレイ日記のテンションの濃度こそがレビューなのだ。猛り、咆哮、一瞬性、それでいい、と欲す。それで好いのだ。

(30)PEROさん(エロゲカウントダウン)……ひとつの譲れないポイントというのが、どれだけエロ、性癖、キャラ、物語を豊かに見せてくれることか

(31)まれびとさん(稀神大社)……本人の私的トークと「アバターキャラの私的トーク」は、饒舌に脱線するも、「その対話の切れ端からでしか出てこられないヒント」を見出してくれる

(32)コンビニ店長さん(はてなブログの)……それでも最近もエロゲをやっておられるようで。「いわゆるエロゲ批評」はあんまりこの方は求めていないのかも。萌えにブチぬかれることの「自身の不思議」の、自己の考察というか。そこから作品論や時事論に切り込んでいくというか

(33)udkさん(udkの雑記帳)……最近はVRの同人誌活動が旺盛。思えば以前から「システムとキャラ、物語」の最前線を切り込んでおられる方であった

(34)まるまるさん(Marumaru's Tiny Plaza)……様式美や、束縛の屈託の中に官能を美を見出し続け。様式は、そのものにこそ永遠の美あめれ

(35)Nagaleさん(Nagale's Hompepage「岳流」)……15年前からの残響のエロゲ師匠。

(36)カナリヤさん(Nothing is difficult to those who have the will)……じっくりと作品と向き合う。心と心象風景の響きを聞きあうように、オルタナティヴに。その「じっくりさ」をも愛しながら。

(37)atakさん……哲学は人を幸せにするか?てゆーか他動詞としての「幸せにする」の意味性は何だ?過去の哲学史現代思想史は答えてくれるだろうか。選択肢システムの中に真理はありや?(いつか同好会誌UT-ViNos読みたい)

(38)アンパゴさん……問いと仮定を夜空に繰り返すかのように。概念に溺れそうで生きづらいのかもしれないけど、何かを見つめてもがいているように思える

(39)highcampusさん(詩になるもの)……詩を信じ続け。あるいは、人間の輝きを信じようとして。雑駁なる人生を見るも、その一環なしりか

(40)よんいーさん(そこに物語があれば)……ある過去が、忘れられない。その重みが忘れられない。今も、その日々は生き続けているんだ……という観念を、どの文章を読んでいても、思う。

(41)ゆず茶さん(すときゃすてぃくす)……例えば洋ゲーとかに対する態度に象徴されるよに、この人の知りたいものは「あっち」にある。ならば、それを知るために行く。なんでか。「自分のものとして見る」ためだ

(42)みなみさん(おすすめ同人紹介)……盛り上がれ、いや増して盛り上がれ同人ゲーム。そのためならばどのようにも動こう……そういう意志さえ、背中から見える。

(43)ユリイスさん(机上の空想ーon the armchairー)……MYTH合同ファンブック主宰お疲れ様です&頑張ってください。この作品を「神話にするんだ!」という気概に他ならねぇ……!

(44)てすさん……お元気でしょうか。シナリオをとことん読み込んでいく背筋の良さ(吹き抜ける風のような清涼感)が印象に残っています。


(45)かりかりさん……イチャラブゲーを軸にすえてずっと。しかし、段々とこう……まずぶった斬って、それからその断面を詳細に見る、っていう感じの見方にシフトされておられるような。あまりにもブッタ斬りのあとの、冷静な観察が、そうだから

(46)kazenezumiさん……本当に骨の髄まで「やりこみ攻略」ゲーマーだと思う。自分がミジンコだとしたら、氏は宇宙空間の太陽恐竜って感じ

(47)H_Nashimaさん……この人の萌え語りは、得難い上品さがあると思う。仰ってることはストレートな萌え語りな内容で、いつも上品がある。お人柄かな。

(48)litfさん……元長ファンブック同人誌「WORLD SHIFTER」読んでますよ。ときたま、ここまでの硬質というか、最前線的スタンスで、「ライターのファン」を続けられるのは疲れないのかな?とも思うけど、やはり……愛かな。

(49)Ten-lyさん……この方の、グルメレポと、超マニアックエロス一貫性は、わたしがエロゲ界において無類の信頼を置いている存在のひとつです。

(50)Pの人さん……同じく、この方の北見立花愛が揺らぐこと、というのを想定するだけで愚かしいことです。

(51)dontiさん……「求め続けてるひと」だと思う。たゆたいながら、飄々としながらも、ずっと求め続けてるって感じが、はじめてお名前をお見掛けしたときから、なぜかずっとしてる。
(52)えすおさん……去年、誰にも知られずに「同人ゲーシナリオ」を書かれていた、と知ったときの衝撃が、まだ残っている。わたしの中に。これが熱と呼ばれるものだ。

(53)けーちゃんさん……失礼ながら、最初、言葉や哲学を弄してるのか、と思っていた。違った。もがいてるんだ、言葉を使いながら、この残響のように。おれがそうだからわかる。

(54)あんぷさん……自分の勧めで「りりくる」に興味をもってくださった時は本当にうれしかった。そして、凄く「親切」な文章だと思う。理由の明示が、押しつけでなく、「こういう感じなんですよ」という姿勢だから

(55)はとこさん……こないだ、とうとうオリジナル姉弟ものノベルゲー作られましたね。おめでとうございます!あ、買いました(本当)

(56)乃茜さん……「そこで楽しそうにしているだけで、その場の雰囲気が明るくなる」っていう説明されるエロゲヒロイン居るじゃないですか、あれ、ネット越しでも、現実なんですね。

(57)きゃるんさん(fantastischer ruhm)……性癖、文体、リズム……ある個性は、その個性であるだけで「完璧」だって思えてしまう。ひょっとしたら、その文体は努力の末のものなのかもしれないけれど、まあいいや。とにかく読みものとして面白いのだから。

(58)神山此方さん(empty world【閉鎖】)……今、いずこに居られるのだろうか。透明な心象風景を持ちながら、悩みながらテキストを紡いでいっていた。創作者を志しながら。あの夏の陽炎はどこに行ったのだろう?

(59)桐月さん(私立桐月図書館)……エロゲレビュアーから(10年前以上の当時から読んでた)、本当にエロゲシナリオライターとなってしまった。そして名作をものした。英雄譚、神話と言わざるしてなんという。

(60)草薙静流さん(れ・ざむる~ず【閉鎖】)……レビューそのもののスタイルが「群像」であったがゆえに、カタハネをベストと挙げられるのは自然の流れ。この方にカタハネを教えてもらった。

(61)浅生大和さん(なでしこやまと)……長年、サイト運営お疲れ様でした。あなたの打ち立てた「己のバカップル論」は、作品レビューを重ね重ねて、ひとつの思想として把握出来る代物でした。

(62)saphireさん……この空間に流れているのは、エロゲレビューの宇宙エーテルとでも呼ぼうか。圧倒的個性。

(63)こーしんりょーさん(SpiSignal)……わたしはこの方の「趣味人生活」をとても尊敬している。


(64)益体ない話または文(の管理人さん)……忸怩たる実生活を送りながらも、誠実にエロゲを信じ続けている毎日。本当に、その考察の日々を記録し続けておられる。考察だけはやめにしないぞ、という。

(65)かめのこおらさん(かめのこおらの休憩所)……とても、居心地が良いサイトでありました。春の野原のピクニックのような穏やかな風を感じることが出来ていた。

(66)クローバーさん(続・死して屍を拾うものなし)……いわゆる「エロゲーマー界隈」と距離を置いてることはご自身も認めている。孤独なる楽しみ、から見えてくるものがある。その静かな輝きを知っているからこそ。一対一。そう、エロゲプレイは一対一。

(67)わんこスティックさん(イヌと呼ばないでっ!)……チョイスの性癖の業、そして綴る文章は、まったく「ザッツ・エンターテイメント!」であります。形となって手に取れる文章の面白さ。

(68)仔月さん(雑記帳)……何という、物語のテーマ性からの「逃げなさ」「丹念に読み込む」度合い。毎回毎回、物語と真剣勝負です。声高に「我ここにあり!」ということは絶対ない人だけど。

(69)海燕さん(Something Orange)……この人にしか書けない、この人の文章でしか他人に伝えられない何か、ってものがある。ただし、それゆえにこの方は、この方なりの人生の生きづらさを抱き続けていると思う。身を切るのが文学であり、考え続けるのが思想ならば、やはり文学の生傷が永遠に癒えることはないの……だろうか?(そうでない、と信じたい)

 

(70)ふたみさん……エロゲーマーインターネットには、妖精が住んでいる。

 

(71)にゃるらさん(根室記念館)……いつまでも、テキストサイト時代のエロゲ文化を愛している。だけど、今のエロゲも(ちょっと変な観点から)熱心に愛している。そういう意味では「過去と現在の区別がない」ひとなのかもしれない。そこにおいてだけは。

(72)雨林さん……絵を、ずっとお描きになられるようになった。「嗜みとしてのソムリエテイスティング」から、また一歩踏み出された。ここにも、英雄の新しい冒険を、わたしは勝手に見る。

(73)ウイングさん(心と幻をこえて)……ご自身も「このご時世に、新しくHTML組んでwebサイト!?」とご自覚されておられるようですが、しかしわたしはその営為に熱い賛辞を贈りたい!うちのホームページオブ百合機械だってテキストサイトですよ!(爆) そして、レビューもそのデザインにマッチする堅実!

(74)garuda3521さん……恋カケキャス、すごい楽しいです。そして、ひとつの作品からこれだけのいろいろな考えを、今もまだ!今もまだ!と引き出し続けられる愛こそが、これがエロゲプレイなんだ、と。

(75)佐倉通さん(夢の扉)……「あ~ん」シチュだけで何十記事書くねん、というのに代表されるように、この方の「執念」というのはね……。もうなんていうか、カオスを通り越えた光速って感じ(意味不明)


(76)hoshikenさん……妹への愛。すごい。すごいとしか言いようがない。もう、強い弱いを通り越した竜神のように見える。

 

(77)M.Mさん(M.Mの部屋)……ノベルゲームのテーマを、「御自身に引き寄せて」考える。「そうでなくては自分がゲームをする意味がない」とまで無言で言っているようにも思える。それが作品の価値。それが、哲学の価値。「私の人生が考察するんだ」という。


(78)晴鍋さん(社会復帰支援場)……ずっとずっとずっと、プレイ日記!一日千秋、プレイ日記!毎日の継続がプレイ日記!生きた思想っていうのの立ち上げはここからなんだなぁ……。

(79)レイシアさん(ヒカリ輝くセカイを求めて)……お元気そうで何よりでした。ターゲットを定めたら、それから「撤退」することは無いお方、と思えるようになってきた。やっぱりそれはオーディオに対する取り組み方と似ていて。

(80)こなたんさん(おいしいデザートは最後に)……この方も、やはりわたしは「趣味人生活」の体現者として、尊敬している。特撮への愛、燃えるゲーム。ブレるどころか、「ブレるって何だろう?」ときょとんとしたお顔さえ幻視するというか。

(81)べるんさん(猫箱ただひとつ)……概念を求め続ける。それにより、囚われ溺れるることもあるけども、でも、「どうしてもこれを読み解きたいんだ!」と、作中の言葉を精査する。その「どうしても!」こそが、氏の人生なんだろう。

(82)月桂樹さん(百合ゲームレビュー -Works of "L" favorites-)……確かに、あまり「百合ゲーいっぽんで!」体系的に、専門的にレビューサイトやっておられる方って少ないんですよ。しかしこの方は百合を愛し、「わかっている」。残響の趣味とは、タイトルは重なりつつも実は味わい方は異なるのですが、それでも非常に参考になる。

(83)ヒンメルさん(私情主義)……確か昔エロゲやっておられて、一時期休止して、そしてエロゲに「出戻り」された、というお話を前に聞いた覚えがあって。自分も「出戻り」だったがゆえに、そこで「わかるなぁ……」という思いを抱きました。しかし作品チョイスが独特で、そこは重なっていないw……ものの、近作の「バタフライシーカー」は直球ストレートに王道エロゲレビューでしたよかった!(その反面おとボク3は本当にガッカリ度合いが伝わってきます……南無……)

(84)RmGさん(伝統攻撃2)……「コア」エロゲーマー、という印象が……印象じゃない、本当にコアなんだ。ビシビシとハードなドラム演奏のように、率直に端的にレビューを書く、書く! 「なんとなくエロゲや~めた」というのが絶対にないだろう方、の確信がある。


(85)ヒトデちゃんさん……趣味を「たしなむ」という、そのスタイルというか、自然さ。日常を肯定してたのしんでいるお姿。きっと、ヒトデさんを人々が思い返すとき、実際にお顔を見たことはなくても(わたしだって当然ない)、「ほほえみ」というのが思い浮かぶのではないだろうか? 少なくともぼくはそう思う。

(86)たすかむさん……なかなか本業がお忙しいようで、あたるを構わずのエロゲプレイまでいけていない様ですが、しかし「私はゲーマーだ」矜持のエロゲ愛(押しつけではなく)に基づく、先達としての背中に、加齢していく自分も、幾度励まされたことか。

(87)k-pさん(りんごはおかずだよ)……シンプルなレビューを書いてくださる。シンプルに「勘所」をつかんでくださる。ただそのシンプルさは「先」を見据えた余白がある。「千の刃濤」はそこまでパンチはなかったご様子ですが、それでもオーガストへの興味と信頼は「これからどうなるのだろう?」というナチュラルな前向きな希望を見せてくれている。まったく、この「前向きな希望」がエロゲ界になかったら、それこそ界隈の死なんだなぁ、と思うほどに。

(88)Mirinさん(定時退者)……同人誌「10周年記念本」シリーズにこの数年自分も参加させて頂いてるのは、誇りです。また、「古参オタクトーク」に良い意味で磨きがかかってきていますね。この度量ゆえに皆が編集長として信頼を置くのですよ。

(89)DG-Lawさん……「受験世界史」本でお忙しいのだろうなぁと。「ピシリ!」と知性のシャープな一撃を加えるそのレビュー、その音すら聞こえる「ピシリ!」感を、いまだに記憶しているだけに、この方が「最近はエロゲやってなくて……」とブログで韜晦されてても、「現役ですやん!」感が自分のなかであるのですね。

(90)G-hunterさん……地雷「ゲー」ムを好んで狙う人、という名前の所以……「精霊湖~ミレーユの泪~」レビューは、その体現と言える強烈です。これこそがインターネットに存在するテキストの香り!(この意味どれだけの人に通じるのかなぁ?) あと、イントロの「ことば」から入って空白になってレビュー本文に入るっていういつものスタイル、超かっこいい。音楽的と言ってすらいいかもしんない。

 

(91)あろんさん(ロールバックプレイバック)……最近、「一本気なる気骨のマニア魂」を、新たに見かけることが少なくなったのも事実です。しかし、居るところには居る。一本気なる梓ちゃん(プリティケ2)への愛を主軸に、さまざまなる趣味をたしなみながら。そう、この「キャラへの愛」こそがエロゲ語りの根源たる!


(92)imotaさん……お元気でしょうか。最後に長文を書かれたのは「グレイメルカ」ですが、一級のレビューであります。テーマ性、テキストギミック性(ベイベーっ!)、熱、愛。なかなか子育てもお忙しいのでしょうが、得難いユーモアをいつまでもお持ちください。

(93)houtengagekiさん……この方の文章の「誠実さ」をうまく言い表そうとして、失敗ばかり重ねている残響。たぶん誠実っていうのは「余計なことを言わない」ってことで、そう、氏は本当に余計なことを仰らない。チョロっとしたクソいたずら心を出さない、という信頼感がある。だから誠実なんだと。

(94)oku_bswaさん……「読みやすさ」と「読み応え」……村上春樹の例えを借りれば「強いしっかりした力で握られたおにぎり」の感じ。だからそのおにぎりは腹持ちがして、滋養があって、本物の力になってくれる。しっかり噛みしめて読めば読むほど、という感じ。

 

(95)9791さん……多くの方が、この方のテキストを高く評価される。自分だってそうだ。もう、新たに書かれなくなって10年はたつのだけど、ここにあるテキストが古びると感じることは、まーーー、ない。「あれ?そんなに文字数的に長文でない?」と思うけど、読んでる「感じ」はすごい長大な内容の重みがある。

 

(96)OYOYOさん……この方のレビューは静かな「思考」という林の中に分け入っていくような感覚を覚える。林にはいろんな道がある。獣道すらある。サクリさくりと林の奥に入っていく。言葉の筋を追いながら。宵の頭上には、知性の月が浮かんでいる。


(97)もっかんさん……人間椅子鈴木研一(ベース・ヴォーカル)の代名詞ともいえる言葉「ヘヴィメタルは変わらないことがいいんです!」という本気の言葉を、ふいに思い出してしまった。この方がしゃらりと端的なユーモアでいつも居てくれる変わらなさ、っていうのが、なんだか今となってとても落ち着く。

(98)Xさん……そうか……いま思えばこの方もお見掛けしなくなって、10年くらい経つのか……。そんな感じがイマイチしない、というのは失礼にあたるんだろうか?ともかくも「Forest」レビューは名文だよ。

 

(99)残響(これ書いてる人)……いちおう、付け加えさせてください。イチャラブ百合ゲーが好きです。

 

(100)amaginoboruさん……この方の「シナリオの読み解き」は本当に信頼できる。それは盲目的に信じる、というのではない。「……?」と疑問に思うことだってある。でも、この方の文章は、よーーーく読もう、と思わせる。「信頼」とはそこにかかる。あまぎさんは意味のない文章を書かない。自分と感覚が違っていても、きちんとした思考と感性のもとに書かれた「しっかりした文章」の確信と信頼がある、っていう。(今回は、この100人コメントのきっかけとなった長文レスを頂き、有難うございました!)

8TR戦線行進曲の春M3の新作シングルについて

残響の同人音楽サークルのことなんですけど(8TR戦線行進曲)。
2018年春M3に当選はしてるんですが。春、4月末に東京に出向いて参戦するんですが。(前日は山梨にいきます)


フルアルバム(既作曲のセルフヴォーカルセルフアレンジアルバム)出せなかったです……すいません。
その代わりに、制作規模を縮小して、シングル盤を出しますReRE3。

 

秋は……秋こそは、このフルアルバムを出します……やってやるです……!

 

詳しくはこちら
  ↓

 

voアルバム「Only 8TR BattleFront Songs,Sing,sing,sing!」発表延期、新譜シングル「Report of RedsElrla 3」発表 – レッズ・エララ神話体系

レコーディング開始

先日から、スタジオ残響(仮称)にて、2018年春M3用のレコーディング(Rec)を開始しました。

春M3において、サークル・8TR戦線行進曲、作曲者自作自演歌唱による、フルヴォーカルアレンジアルバム

「Only 8TR BattleFront Songs,Sing sing sing!」

を発表します。頑張ってます。

 

 

 

 ヴォーカルアレンジソングス(歌曲)の方向性なんですが、上海アリス幻樂団人間椅子を混ぜたような感じになれば良いなぁ、と思っています。シンセとギターロック・バンドサウンド中心で。生ドラムも導入しましたからね。叩きますよ。

 

創作のwebページはこちら

 

 

人間椅子「三途の川」メモ

なんで人間椅子の「三途の川」で

三途の川そのものを歌ったうたで

実は音はシンプルだけど、重く大河の奔流を感じる曲で

こんなに涙とまらぬ

 

♪あの世にかかる

遥かな流れ

それが三途の川

 

(「怪談、そして死とエロス」収録作)

 

2/16(木)~2/19(月) インフルエンザ闘病休養

Twitterのほうで、この期間だけ延々定期的に、「病状メモ」をしてました

 

インフルエンザにかかってました。辛かったです。スケジュールが全部崩壊しました

今は、8割9分快復、ってところです。ただし、失われた体力が戻ってない

 

またぼちぼちと、HPとブログを書いていきたいと思います。Twitterは再び「沈没/不定期出没」になります。

「火星年代記」対談読書会外伝 お疲れ様会あとがき

「本記事に関して」

 はじめまして。私、管理人の残響さんと対談ブログをやっております、feeと申します。(詳しくはこちら!

zankyofee.jugem.jp



 今回の記事は、『止まり木の足りない部屋』で連載しております、「火星年代記」の『お疲れ様会』(まとめ)として作成されました。
 ただ……対談自体は楽しくお話できたのですが、文字に起こしてみて、少し不満が出てきたのです。求められるクオリティに達していないのではないか。読者の方に喜んでもらえるレベルに達していないのではないか、と思いました。
 むしろこの記事がない方がよほどスッキリ『火星年代記』記事を終われるのでは?と私は感じてしまったのです。

 一方で残響さんは、これはこれで意義があるのでは?とのご意見。
 対談は2人でやるものですから、片方が不要と言っても片方が必要だと思えば、これはもうどちらかに決めるしかありません。
 それにせっかく対談して、文字起こしもある程度したのですから、勿体ないとも思います。

 ということで、折衷案ではありませんが「対談ブログ」の方には載せず、残響さんのHPの方に載せていただくことにいたしました。
 一人でも多くの方が、この記事を楽しんでいただければ、幸いです。どうかよろしくお願いいたします。

 

ーーー

(ここから残響)

……以上、対談読書会のお相手をして頂いている、ブログ「止まり木に羽根を休めて」管理人・feeさんからのご説明でした。ありがとうございますfeeさん。
 それでは以下、レイ・ブラッドベリ火星年代記』読書会のお疲れ様会トークのあとがきでございます。ごゆるりとお楽しみください。

 

赤文字fee
青文字:残響

 

●「火星年代記」お疲れ様会あとがき


☆お互い、評価を見せ合う!


fee「じゃん! ほー……ほー……二人の評価が高いのは『第三探検隊』、『夜の邂逅』、『火星の人』、『長の年月』、『優しく雨ぞ降りしきる』、『百万年ピクニック』の6つ。これがビッグ6ですね。最高評価はお互いがSをつけた『長の年月』と」

残響「ビッグ6ですかw 偉大なる火星の六芒星……(違」

fee「で、お互いの評価が分かれたのはそれほど……」

残響「低評価作品の話をしますと、ぼくの方では『これはハズレだー!デストロイ!』という作品はありませんでした。feeさんの方は『火の玉』がダメでしたか、やはり」

fee「『火の玉』はハズレですねぇ」

残響「それでも、【E評価】というほどひどくはなかったと」

fee「今までの火星人とは別種の、火の玉みたいな火星人が出てきますよね。イメージの広がりという意味では良かったと思います。ただ、それは善し悪しというか。この一作があるばっかりに火星人が何種類もいるという、収拾がつかないような設定が生まれてしまった面もあり……。
後は、『火星年代記』全体に漂う、西洋文明の異文化侵略臭を強化するという意味合いもありますね。お互いの評価が分かれたのは『緑の丘』以外には……『沈黙の街』か。ジェヌヴィエーブかw」

残響「お察しの通り、まさにヤツですw あれはドタバタコメディとしては良作で面白いとは思うんですが、個人的好みとして、ぼくは好きではないな……と」


☆小説文章の脳内ビジュアライズ、情景描写とアクション描写

 

fee「順番に見て行きますか。『ロケットの夏』は結構高いですね」

残響「イメージ……脳内の【画(え)】が良かったですね」

fee「前回の『太陽の黄金の林檎』の表題作と同じタイプで、イメージ作品ですよね。僕、このタイプの作品はちょっと読みづらいんです」

fee「TLのフォロワーさんでも、『ここだけ読んで投げてしまった』と言っていた方がいたけれど、ちょっと読みづらいんだよね。2ページだからいいけど……」

残響「テキストで読んでタイプの読者と、映像で読んでいくタイプの読者で違うのかもしれません。ぼくはほぼ完全に映像で読んじゃう人間なんですね。文章を読み込むと、パっと映像が頭の中に焼き付いてしまうんです。イメージさえ良ければ、【画(え)】さえ良ければそれでいい、みたいなところはあります」

fee「僕は完全にテキストで読んじゃう人間ですが……SF読者には、残響さんのようなタイプの読者も多いという話を聞きますね。故野田昌弘氏……ガチャピンのモデルになったと言われている方なんですがw 『SFは絵だねぇ!』という名言を遺しています」

残響「それは素晴らしい名言ですね。五臓六腑に染みる、もとい肝に刻みたい日本語です。 ――ただ、絵で見る人の欠点は2つありまして。1つは、すべてのシーンを画として脳内に立ち上げるため、ものすごく読むのが遅いんです。舞台・小道具・キャストをビジュアルで想像しなくちゃならない」

fee「うん」

残響「もう一つダメなところは、気持ち悪いところや汚いシーンも、勝手にイメージしちゃうんです。具体的に言えば、『沈黙の街』の不潔なジェヌヴィエーブを克明にビジュアルで思い浮かべちゃうんですよ。頭の油のてかりとか……そういうのをイメージして気持ち悪くなっちゃうんです」

fee「ほぉぉ……なるほどねぇ。それは、基本的には良いところだと思うんですけどね」

残響「基本的にはね。でも行きすぎるとちょっとね」

fee「僕は逆に情景描写が苦手なんですよ。情景描写が巧い人はごくごく稀にいて、そういう人の描く情景描写は伝わるんですが……ごくごく巧い一部の作家さん以外の情景描写は、僕にとって何の意味も持たないんです。『たんぽぽが咲いていて街並みは~』みたいな文章を延々読まされても、『いいから、次! 次!』みたいなね」

残響「はっはっはw」

fee「たぶん興味関心がそこにないんですね。自然の事物にはあまり興味がなくて、ドラマというか、展開されていく物語に興味があるので」

残響「映画とかでも、一枚のカットを提示されて『おっ』と来る人と、役者の演技・セリフ・心理表現で『おっ』となる人の違いもありますね。あと、これは少しズレますが、風景描写が巧い人ってアクション描写が比較的苦手だというイメージがあるんですが……」

fee「えっ、そうなの? むしろ風景描写が巧い人はアクション描写も巧くないですか?」

残響「ぼくが好きな某ラノベは風景描写は巧いけど、アクション描写が下手なんです……」

fee「うーんw まぁそういう作家さんもいるかもしれないけどw 僕の印象としては逆で、風景描写が巧い人はアクション描写も巧いんじゃないかなと。肉体の動きを描写するのと、風景を描写するの……つまり視覚的なものを描写するのが巧い人と、心の内面を描写するのが巧い人に分かれる気がして。僕は後者の方が読みやすいです。心情垂れ流しをしろというのではなくて、情景を描くなら、そこに人間心理を混ぜ合わせてほしい。人間心理と関係のない情景描写には興味が湧かない、といった感じでしょうか。根気の問題かもしれません」

残響「描写自体が下手だ、という可能性もありますけどね。【書き割り】を見ているようなしょうもない情景描写もありますもん」

fee「自分にとって凄く珍しい風景とかだと、ちょっと興味が湧く事はありますね。江戸川乱歩の『パノラマ島奇譚』を読んで、素晴らしい情景描写だなと思ったので、例外はあります。ただ、全体としては苦手なタイプの作品です」

 

☆「火星年代記」序盤~中盤、個人的物語シチュエーションツボ

 

fee「残響さんは『イラ』の評価が随分低いですね。僕は『ロケットの夏』でピンと来なかったので、『イラ』から『火星年代記』が始まるんですよ」

残響「なるほど。ぼくの場合は『ロケットの夏』でスケールの大きな【画】にガツンとやられたんですが、『イラ』ではその、スケールが小さくなっちゃったかなと」

fee「僕は、ようやく作品世界に入れたw みたいな。だから、さっきちらっと出した【ロケットの夏で挫折しちゃったフォロワーさん】も、『イラ』まで読めばいいのにって思っちゃったわけです。
ロケットの夏』はロケットが飛んでいるだけじゃないですか」

残響「まあ起こったイベントとしてはw」

fee「まぁそれが美しい絵ではあるんですけど。『第三探検隊』は子供の頃の兄貴とのじゃれ合いとか、そういった人間ドラマが描かれているので、感情移入しやすいというか、『美しい絵』を堪能しやすいです。あと最後のホラー展開もいいです」

残響「そうそう。あれは良かった」

fee「しんみり系+ホラーというのは、僕が考えているブラッドベリ作品の二大長所なんですが、この作品は両方の味を楽しめる素晴らしい作品です。『長の年月』と並ぶ、今回のベスト短編だと思っています」

残響「なるほど……なるほどね」

fee「『月は今でも明るいが』は、単純に作品として素晴らしいというよりも、この後の『火星年代記』に登場してくる人物たちがオールスターで登場する作品なので」」

残響「いわゆる【キャラ性重視】な作品ですよね」

fee「ここから始まったところがありますよね。『長の年月』のハザウェイさんや隊長、『オフシーズン』のサム・パークヒル。この話だけしか登場しない反逆者スペンダーとか、ピグズとか、個性溢れる面々が揃っていて豪華なんですよ。よくわからない西部劇風の決闘シーンもありますし、嫌いになれない作品なんですけどw」

残響「この微妙なSFマカロニウェスタン風味、確かに嫌いになれないですねw」

fee「『緑の朝』をあまり評価していない理由は『ロケットの夏』と一緒です。絵だけなんで……」

残響「対抗するわけじゃないですけど、ぼくが『緑の朝』を評価している理由も『ロケットの夏』と一緒ですw」

fee「まぁわかりやすくていいんじゃないですかね。どういう作品が好きかという。ちなみに、『緑の朝』的な情景描写のSFというと、『地球の長い午後』が思い浮かびます。僕は読みにくかったです」

残響「アウッww」

fee「『夜の邂逅』の評価が高いですね」

残響「これは素晴らしい。本当に素晴らしい。ぼくの物語的……シチュエーション的ツボというか。地球人と火星人が2人とも紳士的なんですよね。気のいい優しい人たちが出会って、ウマが合って楽しく話し込んでいく。『あなたもですか』『おや、あなたもですか』みたいな、そういう会話が昔からめちゃくちゃ好きなんです。本来的には交わることはないけれど、なんかウマが合う。そういうシチュエーションが凄く良いです。あと、夜というのもいいですね。『昼の邂逅』だったらあまりピンと来なかったかも」

fee「確かにそうですね。僕はちょっと残響さんとは評価ポイントが違って。幽霊とか、時空を超えて人と人が交わるみたいな話が大好きで。対談記事で話した『FF10』もそうだし、『思い出のマーニー』もそうだし。『トムは真夜中の庭で』、『ある日どこかで』など挙げればたくさんありますが。時代が違って、本来は一緒になれないキャラクターが、別れを前提に触れ合うみたいなシチュエーション、展開が大好きなんです。幻想的な感じがするんです。僕も夜にその辺を歩いてたら、なぜか70年前のアフリカの部族の人と会ってね。なぜか日本語で話したりしたら楽しいかなとか。そういうね。夢があっていいじゃないですか。ファンタジー世界というか。読んでいてワクワクしますね」

 

☆中盤、物語のツボ2、ゴシック雰囲気趣味(だからこそ)

 

fee「『第二のアッシャー邸』ですけど……これって別に『火星年代記』に入れる必要性がないですよね?」

残響「確かにw」

fee「『華氏451度外伝』みたいな。なんか浮いてるような……」

残響「最初はゴシックっぽい印象があったんですけど、途中からドタバタというかスラップスティックっぽくなっちゃったというか」

fee「こういう作品は残響さん好みなのかな?と勝手に予想してたんですが、そういうわけでもなかったんですね」

残響「いや、確かにゴシックは好きなタイプなんですけど、肩透かしを食らったというか」

fee「好きなタイプの話だからこそ、もっと巧く書いてくれよ!みたいな?」

残響「そうですそうです。それが結構あります」

fee「話を聞いていると、残響さんは『怪奇小説』っぽいものが好きそうな印象があるんですよ」

残響「ですね。実際のおどろおどろしい怪奇・猟奇の行為や描写というよりは、そういう濃密な怪奇的・猟奇的・幻想的な雰囲気が好きなんですね」

fee「『第二のアッシャー邸』で大猿が出てきた時、絶対残響さんが気に入ると思ったんですよ。大猿がお嬢さんを殴ったりしてるの、面白くないですか?」

残響「wwwww(声にならない爆笑) 難しいところですねw」

fee「大猿じゃなきゃ面白くないと思う。殴ったというのも良い」

残響「『第二のアッシャー邸』というタイトルもゴシック的にいいんですよね。だからすごい期待したんですけど……」

fee「『火星の人』は評価高いっすね」

残響「これも残響的シチュ趣味というか。年老いた夫婦が、悲しい感じの雰囲気で子供をかわいがる話もぼく、大好きでして」

fee「w 僕も嫌いじゃないけどw」

残響「ドタバタしてるのに妙に悲しくなっちゃう、ドタバタシーンがあるからこそ悲しみも増す。そういう相乗効果を感じました」

fee「僕は、この話はちょっとドタバタしすぎたかな、と思っちゃったんですよね」

残響「まあ、確かにそれはわからなくもない。匙加減が微妙なところですね」

fee「途中までしんみりしてたのが、段々ね。『市長』ネタとかw 誰だよ、市長を求めてた奴ww」

残響「あれは【ブラッドベリ=天然】でしょ? ウケを狙って書いたんじゃなくて」

fee「僕もそう思うw あと、個人的に前回の読書会でやった『太陽の黄金の林檎』収録の『歓迎と別離』にちょっと話が似てるんですよね。しかも『歓迎と別離』の方が好きという……」

残響「あぁ……確かに……。それを言ってしまえばぼくもそうなっちゃうんですけど、まあ前作の事は度外視してこれ単体で評価しましょうw(提案)」

fee「分かりましたw」

 

☆終盤、ブラッドベリ的蒼色宇宙

 

残響「これは自分の勝手な【画】……というかイメージとしての色彩感覚なんですが、ブラッドベリの宇宙というのは、真っ暗ではないというか。地球と火星の間に風が流れていて、宇宙は闇ではなく蒼~藍なんじゃないか。そんな感慨を『長の年月』から抱きました」

fee「真っ暗ではないですよね。確かに蒼っぽい。宇宙を完全な孤独の場としては書いていない気がするんですよね」

残響「なるほどなるほど。確かにそんな感じです」

fee「ハインラインの『宇宙の孤児』とか、クラークの『2001年宇宙の旅』とかで描かれる宇宙って、真っ暗な印象なんですよ。宇宙船の中だけが明かりで、その外側には圧し潰されるような闇が広がっている。息が詰まりそうな感じがするんです。でもブラッドベリの宇宙は、ドラえもんとかもそうですけど『向こうに流星群が見えるぞ!』みたいな……」

残響「ブラッドベリ的宇宙って、海に関連しているような気がするんです。モチーフというかメタファーというか」

fee「まぁ、元々火星を新大陸に見立てているような気もするので……」

残響「そうですよね」

fee「『長の年月』っぽい作品なら、僕はクリフォード・シマックをお薦めしますよー。穏やかでちょっと寂しいけど、暖かい生活みたいな」

 

☆終盤、ポストアポカリプス的未来観

 

fee「『優しく雨ぞ降りしきる』……僕はこれは、『クロノトリガー』を連想しました。AD2300でしたっけ? ロボがいる世界……」

残響「あぁ、はいはい。いわゆる、最近よく聞かれる【ポストアポカリプス】というか、世界滅亡後の静かな生活が描かれる作品ですね。原題が『There will comesoft rains」になっているんですけど、『雨がやがて優しく降ってくるだろう。そしてすべてを洗い流すだろう』みたいな意味にもとれる……と個人的には思うんですよ。実際の天気というよりも、象徴的な意味が強いと思いました」