●この詩に関しては7月31日分の更新をご覧下さい。
○私はリコリス
1
立ち続けていよう。足元を砂風が行く。
きっと私はそよ風と互角程度、
けれど心を冷たい水で洗い、
しっかりとした神経の足で立つ。
夢の中で筋肉を弛緩させようとは思わない。
しかしまわりには奇妙な形の墓標ばかり
現実を歩けば、感じるのは砂利道
機械のスムーズさにあこがれる。
けれど私は優しい光を心にともそうと思う。
きれいな夢を誇りにして、
少しでも、この世に甘い味を。
私はリコリス、この時間の中で。
2
ささやかな幸せはオセロのようにひっくり返りやすい
私はそのことを、忘れようと、あきらめようとした。
しかし涙は叫ぶのだ「悲しい!」
そして私は幸せの定常を夢見るのだが、
悪夢の鎌は芽を刈り取る。私の期待は何度死んだ。
さあ諦念をつかもうか、と風は幻聴を運ぶ。
しかし私は決めたのだ「立ち続けていよう」
神経のささくれが増えていく、足元に感じる寒気、でも、
私はリコリス、確固とした青空の下にいたい。
せめて、少しでも安らぎを、と願った。私に何が出来るだろう。
でも言えることは、優しい光が「あった」ということ。
だったら草の種はいつかまた芽吹く。