残響の足りない部屋

もっと多く!かつ細やかに!世界にジョークを見出すのだ

修道院は眠らない

再び祈りの時間となる。日が沈み、空の赤さに淡い灰色が混ざっていく。
二人は祈りへとおもむく。静々と廊下を歩いていく。窓の外は薄暗く、森の中にはすでにいくつもの闇があった。残り香のような夕焼けを見る。ひんやりとした空気を感じる。
礼拝堂の前で、日神に祈りを捧げる修道士たちとすれ違う。挨拶をし、礼拝堂に入る。木の扉は古く、重い。礼拝堂の中は暗く、ろうそくの明かりがはっきりとしている。四神の像が明るく見えた。二人は祭壇へと行き、祈る。静かに、夜のように、祈る。

(続く)