2009-07-31 修道院は眠らない 木々の枝々に至るまで闇がまとわりつくような夜であった。修道士と修道女は神に祈りを捧げていた。二人を照らす明かりはほのかで、淡いものであった。すぐに消えてしまいそうな光であった。反対に夜の闇は、絵の具のように、簡単には消えそうにないものであった。静かな夜であった。木々の間を行く風の音くらいしか聞こえなかった。二人は、両手を組み、静かに、一心に、祈りを捧げていた。二人の祈りは終わらない。朝が来ようとも、夜が来ようとも。(おしまい)