残響の足りない部屋

もっと多く!かつ細やかに!世界にジョークを見出すのだ

発掘:過去に書いた詩(詩)

○怪物

重い何かが内側にいる。
そいつが私の中から出ようとすると同時に、
私の中を重量感でもってずっしりとプレスする。
出て行けよ。
私は思うが、言うが、あれは怪物だ。
暗い。
そして私の在り様を、人はあまり聞いてくれない。
夕暮れの村の中、私は村の広場にいた。
遠くでは、家々の明かりと暖かさが見えた。ほのかに。
私の周りには誰も居ない。時として私を嘲り、あるいは攻撃する。
私は一人この薄暗い広場でうずくまっている。
うううう、と低い、岩石のようなうめき声が出る。

でも、出なければならない。
私は出なければならない。
私の内なる連続性から手を離し、
私は私の空へと行かなければならない。
私は内にある何か怪物じみた暗いものをどうにかしないといけない。
そうして、私はこの状況から出て行くのだ。