残響の足りない部屋

「ホームページオブ百合機械」の別館日記ブログ。毎日更新。今日も世界と逆向きに。

初恋タイムカプセル体験版感想(mixi日記転載)

しとろんソフト「初恋タイムカプセル〜幼馴染とキャッキャうふふ〜」体験版をとりあえずはプレイしました。
感想……う〜ん、すげえ評価に困る。


もともとわたしはしとろんソフトが好きだったのですが、「してして+妹スマフレンドパック」発売以降半年近く公式更新が途絶え、
更新されたと思ったら紫の親会社に経営元が移っていたという。
それからもロクな更新がされないまま今日に至り、「大丈夫かオイ……」と思うのも当然というもの。
ぶっちゃけ2月発売というのも怪しいと思っていたのですよ。
いつまで経っても沈黙を続ける公式ページ。
いつの間にか消えてるシナリオ担当のクレジット。
あんまり不安要素が多すぎて……そもそもここのメーカーのファンしていたのも、
作品のやたらと馬鹿なノリと、バカップル分の充実を主に買ってのことでしたから。
……結構熱入れてたんですよ? 特にみここの華蓮・小夜ルート、してしての榎穂ルートは本当に好きだったんですから。


で、昨日体験版発表……プレイしましたとも。
まったくのクソとか、そういうのではなかったのです。
ですが……ですが、何かが違う。
今までのしとろんのゲームにあった「何か」が半分は失われている、と思ったのです(残滓はあるだけに余計にやっかい)。
その何かとは、というと、一言では上手く言えません。
例えばひとつ挙げるとすれば、ギャグやキャラ造形やセリフの下品さ(イロモノ性)が薄まっている。
いいことじゃないか、と言われるかもしれません。
確かに、一般的萌えゲーの基準で考えればそうなのです。
しかししとろんの場合――というかライター・海原楓太氏の場合――その下品さが味なのです。
「うっははこいつきめえー!」「モブキャラはすっこんでろ!」「(初体験時)かかってこいやー!」
みたいなセリフをヒロインがポンポン放つのがここのノリだったはず!
未だに一言一句覚えているぞ!
「ねえ、チ○ポの語源って何だか知ってる? 気になって眠れないんだけど」
っていう名(迷)台詞を!


あるいは、主人公・ヒロイン・モブ全員がバカな中でも、
どこか優しさというか、妙に良識をわきまえているところとか。
ここのツンデレが毎回魅力的だったのも、
世間のツンデレが走りがちな、暴力系になるところをそうはせず、
「きちんと温かみのある、親しみのもてるツンデレ
を描いていたからこそです。
微妙な差異ではあります。
ですがその差異は、キャラクター造形のおバカさと優しさの共存は、
しとろんのキャラを「良く見る設定だけど、ゲームをプレイしてみたら意外と新鮮」
と感じさせる要因でありました。


……うん、優しさ。何か、暴力やお約束の頻度が今作多くなったというか……
いや、それをいつものしとろん風にメタ的なネタとして扱ってくれたらいいのですが、
どうにもそれをストレートに(つまり普通の萌えゲーのように)ぶつけてくるから……
しかし、それらしとろん独特のノリが完全に消えているかといったら、そうでもないんですよね。
いつものノリで表れているところ(はっちゃけっぷり)があると思えば、
「え、今までだったらそこを突き抜けてさらに空中回転くらいするじゃん!」みたいにこっちが不完全燃焼になることも……
あと、今までの露悪的なまでの露骨なパロが鳴りをひそめていた、というのも。
……これが「意向」というやつなのかっ……!


何かねー、こう言っちゃなんですが、売り逃げ感すら漂ってくるんですよ。
「妹スマ」に時期的に一番近い作品である、同ライターの別ブランド(しかし当時は同系列)での「魔法少女の大切なこと。」が、
あまりのバカっぷりに「あーやっぱりみここのライターだわ」と思ったものですから……
ひょっとして、ライターの引き継ぎがあって、結果テキストが混ざったから、このような混合感というか、どっちつかずというか、
煮え切らなさというか、突きぬけなさというか、そんなことになったのかな、と。
あとそれと、経営会社変更による自制か。さっき言った「意向」。
ただの萌えゲーを作って、売ってしまえ……
……これがしとろんソフトの見おさめになるかもしれない、そんな感じがするのです。
原画にしたってそうですよ、いくらなんでも今作の原画は、原画家のファンをしているからといって、
この原画家さんがムラの多いというか、不安定な絵師さんだからといって、
さすがに今作は弁護できませんよ!


とまあ、いろいろボロクソに書きましたが、
逆にここまでになってくると、覚悟も決まってくるもんです。
最後まで付き合ってやろうじゃないか、と。
……嫌な悟りだなぁ。
もっとも、普通の萌えゲーを期待している人にとってみれば、ここまでわたしが書いたようなことなど、大した問題ではないのかもしれません。
しかし、しとろんは、ただの萌えゲーメーカーではなかったんですよ! そこだけは強調しておきたい!
この作品にしたって、海原氏が言ってましたよ、みここの路線にするって!
あの味は……おバカさとバカップルさのテンション高い共存は、もうお目にかかれなくなってしまうのでしょうか?
そこを見極めるためにも、本作は買います。
……ひょっとしたら、完成版プレイしたら、これまでの杞憂が全部撤回されるかもしれませんし。
逆に体験版評価がプレイ終了まで続いたら、さすがに断念を考えますけど。
……あー、何だこの煮え切らない感想は……ラブラブル体験版とエラい違いだ……。
再三繰り返しますが、全く評価に値しないような出来の体験版だったら、望みもそもそも抱いてませんよ。
あのしとろんのノリが、味が、残っているからこそこういう感じになるのです。
「ただの萌えゲー」にとどまらない作品を作ってきたメーカーだからこそ、愛してきたからこそ、こう書いているのです。
愛してきたからこそ……終わるのだったら、きちんと付き合おう、と。