残響の足りない部屋

もっと多く!かつ細やかに!世界にジョークを見出すのだ

初恋タイムカプセルプレイ日記(2)


●業務報告
再びtwitter公開にしました。非公開だとtwilogが使えないので。これがないとどーにも議論のログを追うのが困難で……あと、自分の発言を振り返るのにも。もっとも、またいつ非公開にするのかはわかりません。twitterをやって一番わかったことは「自分は大して呟きを言うのも聞くのも必要としていない」ということでした。友人とメッセ的に使ってるので十分。身も蓋もない話ですが。南無三!


美桜&舞花ルート終了


なんじゃこりゃ
第一声がこんな感じになってしまうほどの出来。ぶっちゃけ挙げる点が不満点だらけであります。
第一に短い。第二に展開・描写が雑。第三に、ただのヤリゲーに堕しているということ。
いやもっとも、しとろんのゲームが、全体的に作りが荒いとか、基本ヤリゲーだということは先刻承知の上なのです。しかしそれにしたってこれはない。
とにかくその表現が、「しとろんゲーム」をプレイしているという感じを与えないのです。荒くとも、どーしよーもないネタ満載であろうとも、しかしそれと同時に、ある種の優しさや、キレの鋭いネタ、そして「お前ら爆発しろ」的なバカップルぶり。それがしとろんのゲームでした。B級といえばB級。けれどそれは魅力のあるB級でした。
……要するに、バッサリ言ってしまえば、魅力がないんですよ。


プロットはですね、確かに海原・鯉川コンビが仕立てたものだということはわかります。……まあ多少はそういった分析をするくらいには、冷静さは保っております。憤慨してるけどな!
要所要所のネタ・セリフも……両氏が元ネタを出したものが散見されはします。ですがそれは原石。いわば磨かれていない原石。そして海原氏の持ち味とは、この原石を過剰なまでにエディットすることによるアクの強さであったはずです。つまりは、その過程が経ていないだけに、平凡極まりないものが現出してしまうのです。もともとここのゲームのシチュ・ネタ・構造はテンプレに則ったものなのです。それを悪ノリ気味に魔改造する。そこに醍醐味がありました。それだけに……。


美桜ルートの不満点
 

(1) 何故今の性格になったのか(昔の泣き虫だったのが、今の残念な頭のツンデレになったのか)の描写不足。ここら辺をじっくり描かないと、しとろんの持ち味の「おバカツンデレ」、これが光りようにも光りません。
(2) 生徒会長という役職が全然活かされていない。「えーこんなので会長なのー?」というのがもともとのプロットだったはずですが、ゲームを最後まで進めても、生徒会の面々、クラスの面々とのやりとりが全くない。「残念な会長」としての見せ場が、設定が、ない! これは辛いです。これこそ美桜というキャラのおバカさを魅せる場だというのに。ここに従来であればパロネタ・メタネタをわんさと盛り込むのがしとろん流だのに! 「残念だけど人望がある」というのが恐らく予定されていた設定の活かし方ですが、そういうのがさっぱり。


舞花ルートの不満点


(1) ネタバレも何もない作品ですが、このルートでは、今までしょっちゅう主人公や周りの面々をからかってきたこのヒロインが、急にしおらしくなって……というかM化して、という落差を活かしたシナリオです。そのはずなのですが……展開があまりに雑なので、M化の際の落差のダイナミクスが希薄。それからそれにともなって主人公もS化し、目隠しプレイなどその手のをするのですが、普通しとろんのそれなら、間にネタを挟みながら和やかに行われるのです。が、今作の場合、ふっつーに、真面目に、ガチでやっているものですから……それも、そこまでエロスを感じさせない、という。何と言いますか……。
(2) 父親との確執がこのシナリオの重要ポイントだったわけです。キャラ紹介にもそう書いてありますし。ところがこれが、最後の方でさらっと流して終わり、というおざなりさ! 普通もっと描写をしっかりして、伏線も張って、ってするでしょうー。


●困るなぁ……


ああ、言えば言うだけ愚痴というか叩きが出てしまう……もとのしとろんのノリを知っているだけに、「海原氏が書けばこうなったのだろうな」というのが想像できてしまうだけに、余計に残念です。
それにしても短い。常々「社会人には一日一ルートが限界」と言っているわたしですが(この歳になると、「ゲームは一日一時間」というのが違った意味で聞こえてくる)、このゲームに至っては、あまりに短いため、サクッサクッと終わらせてしまうことが出来ます。悪い意味で!
不満点はどんどん出てきていて……次回は他のヒロインの感想と、主人公について書きましょうか。主人公については、「今までのしとろん作品だったらこんなのにはなってないよ」という感じバリバリなので……。あと、劇中ラジオ「初恋タイムボム」について触れないといけません。「いかにも海原氏」なネタなのに、それが全然活かされていないと言う事実。ああ、もう……。


本日のBGM:NHK-FM「ガットの調べ」(本年度より月一ペースで放送される、ガット弦楽器専門番組。マニアックな……。ガットとは、動物の腸を用いた、柔らかな音色が特徴の弦です。なかなかに和みます。今回はチェロでした)