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残響の足りない部屋

同人DTMとか模型庭園とかエロゲとかの日記

初恋タイムカプセルプレイ日記(3)

あーやる気出ねぇー


次は和葉ルートに行こうと思っていますが、どうにも腰が重い。メインヒロインは多分和葉か優菜だと思うのですが、いつもだったらメインは後に、って思ってプレイしているのですが、なーんかもう「どーにでもなーれ♪」って感じで……ひどい。
あんまりやる気が出ない(というかつまらん)、何か海原分が足りない、と思って、出しぬけに『妹スマイル』秋穂ルートプレイしてみましたら、やっぱりこっちの方が格段に楽しくて(笑)。いやー、このバカっぷり。
……と、前回、前々回と、このライターさんについてはバカっぷりしか語っていなかったような気がしますが、いや盛大にバカなライターさんであることは否めないのですが、それでもこの海原楓太氏というライターは実に「職人的」な仕事をする人でもあるのです。なのでわたしは氏のゲームに惚れ込むのであり、余計に『初恋〜』プレイのモチベーションが下がるのであって。せめてお印でもいいから、スタッフロールにライターの名前が欲しかったところです。ライター名なしってどういうことなの。


海原楓太についての小論


あまりにあまりなメタネタ・パロネタを得意とし、怒涛の勢い(主人公もヒロインも)でバカをやったりバカップルでいちゃいちゃをしたり。海原氏の作風とはそのようなものでありますが、しかしそんな破天荒な作風とは裏腹に、氏はむしろ「与えられた仕事をきっちりこなす」という職人肌の面も持ち合わせています。
「してして」の榎穂にしても、テンプレツンデレというごくありふれた設定を、とにかく丁寧に描くことにより、魅力的なバカップルを現出してみせました。「みここ」の小夜も、昨今流行りの「神様もの」を下敷きにして、メタ的に「どーせ神様ものってこうなるんだろ? だったらこうやってぶち壊してしまえ!」って感じの暴挙といってもいいシナリオを描いてみせました。「妹スマイル」も、「妹」というありきたりの素材を、やるからには徹底的に、って感じで描ききります。これにおいては背徳感とかあんまなかったのですが、「勢い重視」な海原氏としてはこんな感じになるのかな、と。
そして氏が全面的に出た「魔法少女の大切なこと。」は、ロリ好き男の娘が魔法少女になってバトルありいちゃいちゃあり、皮肉あり独特の人生観あり、キャラ崩壊も辞さず、メタネタも恐れない。そんな暴走振りが滅茶苦茶楽しかった一作でした。――それだけに人は選ぶと思いますが。だってこの作品褒めてる人見かけないもん! 何批評空間のあの低評価!
まあ要するに氏に企画……というかプロット立てさせるとこうなる、って感じではあり、プロデューサーなりディレクターなりが手綱を握ってないと暴走する傾向のあるライターであるのは事実かもしれません。ある日のしとろん通信web出張版(しとろんソフトのwebラジオ)で聞いた話ですが、海原氏、「妖精さんに綿棒差し入れてぐりぐりいじりたい」という発言をしていたらしく……プロデューサーの人も「バッカじゃねーの!」って言ってましたっけ(笑)。


とまあ、このように色々とアレなライターさんですが、「与えられた素材(企画)を最大限活かす/魔改造する」ということにかけては凄いです。
一番分かりやすい例が、エロゲではないですが、RPGツクールVXのサンプルゲーム「フタゴノカミサマ」でしょうか。


このゲームにおいて、海原氏は、「ツクールでのゲームの作り方」を題材にしたサンプルゲームを作ります。双子の神様見習いが、「世界」を作る、そしてそこで冒険する、というゲームです。作中において、逐一「ゲームはこう作るんですよ」ってアナウンスが入ります。言っちゃ悪いですが、主旨としては学習漫画のそれです。
しかしそれがとても楽しく学べるというのですから! 説明はわかりやすく、かつゲームの流れとも齟齬をきたしていません。「作り方」をそのままゲームにしてしまう。
これは、はっきり言って物凄いことです。「チュートリアルのためのサンプルゲーム」で面白いものを作るというのですから。氏は、このゲームを作るにあたって、「ツクール」内のデータ以外を使いませんでした。生粋のサンプルゲームなのです。しかしプレイ動画(ニコニコの)を見ていて、オリジナルデータが必要、と思わせるようなことはありませんでした。素材を活かしきっている。そしてまたここでも、海原氏のはっちゃけ作風が出ているのですから(さすがに下ネタは自粛していますし、いちゃもないですが)。そこにちゃんと「海原キャラ」がいるのです。キャラ崩壊も辞さないはっちゃけた、「生きている」キャラが。


このように、「与えられた仕事」を着実にこなす、という職人肌的な面も海原氏は持ち合わせているのです。いやむしろ、この素質があるからこそ、「してして」「妹スマイル」でもバカップル路線一直線で行けましたし、「みここ」「魔法少女〜」でもバカ路線で行きつつも、時折ちょっと考えさせられることが混じったり、と、……う〜ん、何て言うのか、わたしにとっては「噛めば噛むほど味が出る」テキストなんですよ。
そしてそのキャラ造形は常におバカで、しかし優しい。「フタゴノカミサマ」のナナでもそうでした。「みここ」の華蓮でもそうでした。
また、主人公もなかなか味があるのです。基本バカで、お人よし。けど「やるからにはやるぜ!」という気概と、ヒロインの愛し方は本物。ツッコミにも回ればボケにも回れる。正直、主人公のセリフを朗読してしまうほど気にいってはいます。マジな話。


●だからこそ余計に


この『初恋〜』という作品の不出来が涙でマッハ。プレイしていて、ああ海原氏が設定したんだろうな、ってのがわかるんです。プロットも、キャラ造形も。けれど、紫の経営に身売りされた本作は、どう見ても海原氏の味がない。それは、やっぱり寂しいです。風の噂で、C:drive新作の妹もので海原氏がまたライターやるって聞いた時は嬉しかったです。よかったまた海原キャラ&テキストに出会えるんだ、って。
けど……しとろんソフトは、もうない、ってことなんでしょうね。兎角、ここの企画とライター、それに対する雛祭桃子氏の親和性ってのは高かったです。次回はそのあたりを(雛祭桃子論)書きたいと思います。……まあ、その前に、残り3キャラをクリアしないといけないんですが……あ、やべ、また「してして」やりたくなってきた。特に先輩ルート(超ドツボ)。


●本日のBGM:今回はなしでした