残響の足りない部屋

もっと多く!かつ細やかに!世界にジョークを見出すのだ

初恋タイムカプセルプレイ日記(4)

和葉ルート終了


……メイン(真)ヒロインのはずでしょ? このヒロインは、『電撃HIME』の読者公募企画で、「ヒロイン設定」を募集して設定されたキャラなのです。なのですが……なにこれ。キャラも、シナリオも、お粗末の一言。
状況証拠として『電撃HIME』八月号からアンケートを抜粋してみます。


(1)髪の色:黒(大和撫子設定にマッチするかららしいです)
(2)ヘアスタイル:ストレートロング(結構この希望が多かったみたいです)
(3)プロポーション:華奢(「ギュッと抱きしめたくなることが、ヒロインに求められている要素だと思っていましたので、この項目は愚問だったかもしれません」(プロデューサー氏))
(4)おっぱい:美乳サイズ(貧乳派が圧倒的に少なかったという事実発覚)
(5)趣味・好み:料理・選択(ゲーム内で全然描写なかったんですけど……)
(6)子どもの頃に主人公とした約束:非公開(これする意味あったんですか? それに、あんまりベタ過ぎたんで「へーそう」としかプレイ後思えなかったんですけど)


こんな具合なんですけど、一向に魅力が伝わって来ず、シナリオも面白みがなく、はっちゃけっぷりがあるかと期待したらそれもなく、テンプレ通りに「お話」とも言えない話が続いて、数クリックしたら即Hでアンアンギシギシの繰り返し……ねえ、どうすればいいんですか?


いや、もう、こうなったらわたしが悪いんですよ。駄作臭ぷんぷんなものを買ってる自体で、こういうことになったのは覚悟の上ですが、それにしたってこれは……ソフマップで一割引でしたが、今回はしとろんの美質を確かめるための高い授業料、と割り切っていますが、……まー、2000円以下のワゴン価格が妥当っすよ。これはひどい。それでも一応買ったからには全クリしますが、ライター未表記ってのにはさすがにげんなりしましたね。


このように、ユーザーさんからアンケートまで取って、このような出来。最初出てきたとき高慢で、恋愛に至る過程もおざなり。ネタを繰りだそうにも……萌芽がないわけではなかったのです。海原氏っぽいようなネタが入っているような感じのところがなかったわけでもないのです(まわりくどい!)。けどそれは活かしきれていません。実は『電撃HIME』で設定ビジュアルが披露されたときも「さすがにこれはひどいわ」と思いました。まさか、これが作品の最終的な出来にまで繋がってくるものだとはね。


ただ冷静に見てみれば、この「出しぬけに幼馴染来襲!」っての、どこかで見たことあるなー、と思ったら、「みここ」の小夜だったんですよね。あっちは巫女(神)ですが、この出しぬけ登場感は似通っています。そういえばみここもこの「初恋〜」も、同じ「幼馴染もの」でした。なるほど、海原氏が「みここ路線」と言っていたのはこれか、と思いました。プレイしていて。
……だからこそ歯がゆい。みここを愛している立場からしてみたら、この出来はあまりにもつたない。みここ再来だったら、ホント楽しかっただろうな、って思うんですよ。キャラの無茶な魅力が足りない。ネタのはっちゃけっぷりが足りない。余りに足りない。
残念です。悪い悪い意味で、本当に残念です。どうしてこうなってしまったんでしょう。


(雛祭氏論については次回で。……次回でいい加減終わらせようと思います)


本日のBGM:NHK-FM「今日は一日”タンゴ”三昧」(小松亮太氏がパーソナリティを務めていて、当方タンゴには無知でしたが非常に濃かったですね……ピアソラと小松氏のCDを即座に買ってしまいそうな自分が怖い)