残響の足りない部屋

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『恋神―ラブカミ―』プレイ日記その7

2010年11月15日16:09

サクヤルート終了。
面白かった。
面白さの所以が「大どんでん返し=話の筋」とかそういうのではなく、前回も書いたように、「読ませ方=描写」で読ませるシナリオでした。
と同時に、わりに考えさせられるところもないわけではなく。


何から書こうかな……まず、サクヤというキャラのデレ具合ですが、何この可愛い生き物。
吹っ切れた以降のいちゃいちゃっぷり、おのろけ具合は結構なものがありましたよ。
ただまあ……「素直にさせる」くだりのあの言葉攻め/ライトSMはちとやり過ぎと思いましたが、ここは趣味の問題かな。人によっては「おおこれこそ!」みたいになるかもしれませんし。


で、それを成り立たせていて、また話を上手く展開するところのテキストですが、なかなかにコミカル。
甘々なところはダダ甘で、締めるところは締める、といった感じで、わりにシナリオといちゃいちゃの融和が図られていたのではないかと。


あと設定の使い方が上手いですね。この場合の設定とは日本神話に関わる類の設定ですが、
とくに話の核心部分で「呪いも神の存在を成り立たせている要素」というくだりには溜飲が下がりました。
超越存在が擬人化美少女で萌え萌えよー、がこの作品のキモ、というかほぼすべてのような気がしますが、こういった解釈を見せてくれると、宗教学・比較人類学を齧っている人間としては嬉しいのですよ。まあ個人的に。


んで、ラストの3P姉妹丼宣言ですが、イナリルートとは違い、こちらは話的に必然性がありましたから否定はしませんが、
しかしエピローグでイワナさんデレすぎじゃね?とは思いましたね。
サクヤがデレるのは過程が描写されてましたから至極納得なのですが、イワナさんについてはその描写が差っ引かれてましたからね。唐突という感は否めません。いくら颯太の決意云々があったとはいえ……簡単な言い方をしてしまえば、どこでイワナさんフラグ立ったの?な感じ。
そりゃ好意を抱いているのはわかりますが、サクヤのそれと同質・同等レベルにまで至っているかどうか?


それを考えれば、世間ではイワナさんのHシーンがないのは何故だ、とか、3PシーンがアフターSSでないのは何故か、と言っていますが、わたしはその気持ちは分からんでもないけれども、あくまでメインはサクヤなのだから、無いからといって怒号をあげるほどではなかった、と思いました。
あったらあったで越したことはありませんが。そりゃあのエピローグのいちゃつき具合をアフターでさらに、というのは興味がそそられますが。
しかしサクヤ単独(メインシナリオにおいても、アフターシナリオにおいても)という構成であっても、別に構わないですね。
むしろ重要なのは、イワナさんが颯太をどう思ってるかの描写にこそあるのではないでしょうか?本編中イワナさんはあくまでサブキャラでした。攻略対象ではありませんでした。それがクリア時においては「攻略済」の描写になっている、という事実。いちゃラブにおいて過程を重視するわたしとしては、ここのところが看過できないところなのです。


両手に花エンドでいいじゃないか。まあ確かにわたしもあのエンドはハッピーだと思いました。
しかしわたしはいちゃラブとは基本一対一だと思っているのです。3P(以上)でいちゃラブ、となると、お膳立てというものが必要になってきます。即ち、ヒロイン間の信頼関係と、三角関係の安定度。各々が各々を等しく愛している、という状況を設定しないと、存分ないちゃいちゃは出来ないのです、複数だと。
で、このルートに関して言えば、設定自体・関係性自体はいちゃつくにあたって十分なものとなっています。
が、わたしがしつこく追及したいのは、それに至った(イワナさん側の)過程の描写が不十分ゆえに、「あれ?」と思ってしまったのです。
まああとは、このカプを気にいった各々の妄想に委ねられている、というところなのでしょうか。


「考えさせられる」というのは、神話設定とこの3Pの原理的問題についてでした。
まあこれらは、どちらもわたしのみょんなこだわりによって生まれている問題の感もある……気にしすぎといえばそうなので、あくまでわたしの一意見。(にしてはずいぶんと熱入れて語ったな)
いや、はじめに言ったように、面白かったんですけどね。ただ、イワナさんについての描写の有無で少々ひっかかった、というだけで。基本的な「面白かった」という感想は変わりません。
あ、あと、Hシーンは前2ルートに比べてエロかったです。やっぱりここでも「読ませ方」が功を奏しています。


さ、次はラスト、駄目な子カミサマ・ツクヨミです。
メイン(真)ルートと踏み、最後に残しておきましたが、はたしてどうなることやら。
……それにしても、一日に割けるエロゲプレイ時間が少ないので、こんな鈍足進行。昔はこんなんじゃなかったのに〜、と思ったり。まあ昔は昔、今は今。時に応じたエロゲライフを営んでいかねばなりませんね。