残響の足りない部屋

もっと多く!かつ細やかに!世界にジョークを見出すのだ

雑惑

「○○枚CD持ってるぞ俺スゲエ」
「○○冊本持ってるぞ俺スゲエ」


……とかって話していられるうちは、まだ「戻ってこれる」安全側かな、と先日から考えてます。
これはコレクション癖のない人間(すなわち僕)の思考かもしれませんが、数えていられるうちはまだ「常識」の枠内に片足入れてるんですよね。
数えなくなったら……具体的に言えば、棚を見て「もう買うのよそうかな」とか「これ以上買っても、どうせ老後は介護施設に入るんだし」みたいなふうに考えて、「数」が自慢にならなくなる


あるいは自慢になるうちはまだ安全側なのでしょう。
人によっては「誇り」になりうるでしょうし。
ただ僕の場合、1500円で中古LP19枚を買い叩いて「ああ、またやってしまった……」と嘆き、
一週間後に、なるけみちこ新作(といっても去年の作品)「ノーラと刻の工房」のサントラや植松伸夫ファンタズマゴリア」を買って「ああ、またやってしまった……」と嘆き……
全然学習してない。


あるいは、タチの悪いことに、自慢している人たちを「楽しそうでいいですね、そのままの君でいて」なんて達観した目線で見つつある今の自分が、それだけにいかにモノに対する無意識の欲の深さが炙り出されて透けて見えてくるというか。
そういう自分に、いささかの「オエッ」な嘔吐感を感じているのがなんともはや。


とか言いつつ上海アリス幻樂団新作音楽CD「鳥船遺跡」を入手して「まさに最高!」なんて唸っているもんだから、
「いよいよ秘封倶楽部も宇宙に行ったか、大空魔術の流れをくむものとして胸熱だな、それにしてもブックレットのなんというZUNTATA臭!」とかのたまってるもんだから、ますますもって始末に負えない。


「何冊本を持ってますか?」
「解りません。ある程度は持っているかと」


「何枚LP・CDを持ってますか?」
「金額に換算したくないので考えたくありません」


「何作エロゲを持ってますか?」
「積んでるのをどうにかしたいです」


「何作模型を作ってきましたか?」
「使い物にならなくなったものは随分捨てました。今はキットが少々あるのみです」


こんな感じの返答になってしまう今の自分は、はて、安全側か危険側か。
悟っているわけでもないのですし、自慢しているわけでもないのです。
ただ、どうしたものかなあ、と、「ふと思ふ」な気分が妙に多くなってきた、ということで。


カテゴリーを整理しました(というか増やしました)。
記事一覧から見ていただくよりも、こういうタグ形式の方が「どこに何があるか」が解りやすかろう、と。
ラブカミ感想は次回で終わらせます。