残響の足りない部屋:HP百合機械別館

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『恋神―ラブカミ―』プレイ日記その10

2010年11月30日10:41

○ラブカミこぼれ話・余談


・音楽は良質でしたね。高い水準で安定してました。
また、回想・静かなシーンで使われる曲に、あえてチリチリするノイズを入れていましたが、
これBGM的に上手いサウンド・エフェクトの使い方ですね。郷愁が誘われて、結構ぐっときます。
3曲のヴォーカル曲ですが、どれも水準は軽くクリアしていたと思います。
BGM・主題歌の傾向を全体として簡単に言ってしまえば、和風ニューエイジ&ポップス。とくに東儀秀樹のファンは結構ツボるのではないかと。


・絵なんですけど、一長一短。
いい絵はいいんですが、イマイチなのはむむむ……といった感じで。
おおむね一枚絵よりも立ち絵の方が可愛かったってのはどういうことなの(苦笑)。
や、一枚絵の構図や、表情の付け方で何かバランスを欠いている部分が……。
基本的には良い絵ですし、レベルも低くないんですけどねー。
ああ、背景は高水準でした。手間かけてるな、って感じ。
塗りも文句なし。


・システム・演出は凝ってましたね。
キャラは良く動きますし。
画面にかけるエフェクトがわりに鮮烈なので、それでコメディやシリアスの部分に対する補正がかかってる面あります。
……これであとはシナリオが多少なりとも突きぬけてくれれば、よけいに演出も光ったのでしょうが……。
操作感は良好でしたし、必要なものは一通りそろっていました。<システム
ああそれと、次回予告が次回予告として機能することをネタ的に半ば放棄してたのは好きでした(笑)。
まあ予告するべきところではしてましたが。
あと、エンディングのスタッフロールの入れ方&演出は、映画みたいで良かったですね。センスが光ってます。


・しかし今回宣伝に力を入れましたね。
本作に注目を集めるために、SDキャラによる寸劇や、3Dキャラいじりアプリ「ツクヨミプラス」……OPムービーで培ったSD・3D技術を活かすためとはいえ、無駄に金と労力かけてるなー、と思いました。
あと体験版で感想募集とか、あと例によって発売前に人気投票とか。
あー、この発売前人気投票、ほんといらないと思うんですがー。
だってさ、
第一回:総投票数 43893 総コメント数 14079
第二回:総投票数 2321 総コメント数 1321
だもん。
第二回に至っては、シリアルコード必須&一日一回という制限がかかっているからともいえますが、
しかしそれにしたって1/20・1/10はねーべ?
一回二回とも、一位キャラには「何かある」ってなことでしたが、
それだったらやっぱり発売後に行うのが筋でしょう?
まあでもとにかく宣伝に力が入っていて、それだけ新生PULLTOPにとってこれは期待作であったんでしょう……
というかそういうポジションにあったというか、逆言えば何があっても外せないというか。
……結局キャラゲー&テンプレ展開、っていうのもそこか?
だとしたら「無難」という悪い方面に出てしまいましたね。


・きちんと正規品を買ってプレイした人(まあこれは当然なんですけど)に対するおまけ攻勢、
というのは特筆すべきものがありましたね今作。
いちゃラブパッチ・ボイス・壁紙。まだボイスは全部出揃ってはいませんでしたが、
しかしいつきのおやすみボイスはいちゃ的に素晴らしかったと付け加えておきましょう。
どれもなかなかの出来だったのではないか、と。
これからPULLTOPはこの路線でいくのでしょうか?
悪くはないと思いますが、前にも書いたとおり、これがFD展開の布石だとしたら、
これからのPULLTOPがどうなっていくか……営業スタンス自体が変わっていくのか、という懸念があります。
PULLTOPってさ、「姿勢のいいメーカー」だというイメージがあったんですよ(だからワロスの件は以下略)。
丁寧な作品作りと、それゆえのファンに対する姿勢。
そこが普通の萌えゲーメーカーと、微妙な差異ではありますが確固とした差異であったとわたしは認識してました。
そんなPULLTOPが、これからどう変わっていくのか。
今見る限りでは「開かれた」方向へと行っていますが……。
広く「プレイ後の思いをぶちまけろ」的SS・イラスト・コラ募集企画にしたって、そういう方向性のものだと思います。
今のうちは健全だと思うのですが……。
それと、ハガキお返し特典としての線画集ですが、まああくまでおまけ、というか厚意ですから欲は言えないのですが、
それでもここはラブカミの線画集を素直に送った方が一番スムーズだったのではないかと愚考。
……この作品ではじめてPULLTOPに触れる、って人も多そうだし。
ドラマCDですが……アマテラス暴走(笑)
ていうか、こういうはっちゃけノリがず〜っと本編で続いてくれたら、何かもっと楽しかったのではないかと……。
ハーレムものをパロるというそのシナリオも上手いと思いましたし。
いやほんと、本編に足りなかったのはこの日常シーンのはっちゃけっぷりじゃなかったのでしょうか……?


・結局わたしはいつきが好きなのです。
もー世間的評価とかどーでもいい。「弟呼ばわり」「お姉ちゃんぶる」いいじゃないか。
ただ、いつきに対する風当たりの強さがそこにあるというのは個人的に納得いかんですが、
「神様嫌い」になる一連の流れがいかん、というのだったら理解できなくもないです。
子供のころスセリに頼んで黄泉の国に行ったり、母を生き返らせようとしたり云々の無茶振りは、確かに、エゴと言えばエゴ。
まあ子供に対してそこんとこを責めるわけではないのですが、それに対する「現在でのフォロー」……
もっと言えば、スセリに対してのフォローが足りんのではないか、
との指摘は、まあもっともかな、と思います。
結果的に蛇夜神の事件解決でスセリに礼を尽くしたことになったのでしょうが、
それにしたってもうちょっと……みたいに思われたとしても、確かに一理ある、かと。
まあわたしはいつきに関しては点が甘いですからね〜。以上の点を踏まえてもいつきが好きだということには変わりません。
ある意味で、ああいった礼(「神様に対する正式な礼」+「でもそれはそうとして云々」)はいつきとスセリの姉妹的関係性を表している、
と肯定的に見てしまいます。参考にはならないかと思いますが。


・てなわけで、『恋神―ラブカミ―』プレイ日記、これにて終了です。
約一ヶ月の間、お付き合いくださりありがとうございました。
自分としては、こうしてプレイして考えたことを逐一書きとめながらプレイした、ってのは珍しいことでして、
その意味では貴重な経験でした。
まあ毎回やってたら疲れてしまいますので、次やるのはALcotハニカム『キッキングホース★ラプソディ』ですが、
これはプレイ日記書きません。
まあまたいつか、機会があったら書こうかな、プレイ日記……。
さて、最初から最後までほんとーにグダグダ極まりないプレイ日記でしたが、
読んでくださった方すべてに感謝を。
とくにイイネ!をつけてくださったNagaleさんと義実さん(Nagaleさんに至っては毎回!)、コメントくれた土方君にはほんと感謝感謝です。
私的なプレイ日記ですが、読んでくださる方がいるというのは嬉しいものです。
何かこのプレイ日記書いてからアクセス数が上がりましたし。予期せぬ人のアクセスもありましたし。


しかし、わたし的には、ルポみたいでしたね、このプレイ日記。
ふと、わたしは村上春樹氏の隠れた名著『Sydney!』を思い返します。
これはシドニーオリンピックのルポで、基本オリンピックに全然関心のない村上氏によるオーストラリア観光記、
という意味合いもあるのですが、そこにはスポーツの本質を鋭く刺す指摘があり、
「退屈なイベントの数々」の間に、まれに起こる「極めて感動的な出来事」に驚いたり、と、
個人的でありながら、それでいて説得力のあるルポでした。
この本の中で、現代人にとって「感銘」とはベートーヴェンの時代のような「苦悩を通り越して歓喜へ」ものから、
現代においては、「退屈さを通り越して感銘(のようなもの)へ」となってしまった、と村上氏は書いています。
良い悪いを別にして、現実的現象として。
我々(とあえて言います)は、砂金を拾うかのようにして、退屈さを享受しながら、
何とか感激を得ようというポストモダン社会に生きています。
それは社会の平和であり円熟であり、同時に閉塞であります。
が……それでも「いいものはいい」と素直に思えるだけの感性だけは失いたくないな、と強く思います。
それが摩耗しがちな現代という時代であるがゆえに。
ラブカミは、まあテンプレで退屈と思うのは事実でしたが、キャラ描写などは光っていたのですよね……。
う〜ん、評価に困るなぁ……。
ともかくも、ルポルタージュとしてのこのプレイ日記、少々肩も凝りましたが、意義あることでありました。
「活字にして書きながらはじめて考えるもの」ってところはあるよな、と思う次第であります。


・ではまた潜ります(mixi日記更新しなくなります)
潜水艦ぶくぶく……。