残響の足りない部屋

もっと多く!かつ細やかに!世界にジョークを見出すのだ

自由を獲得するための「それ以前」の問題

ショーウィンドー越しに「手の届かない自由」を眺める


文章リハビリ


現在、病気――まあこころの病なのですが、より正確には神経症というか――の容態が、睡眠相前進症候群の極度バージョンになって、もうこれはいい加減まずい、と思い、必死に改善している今日この頃です。
具体的な症例としては、


・夜六時からグロッキー、夕飯をなんとか喰って、その後ヘロヘロ、九時には寝る
・その間何も出来ない。本を読めば活字に「酔う」し(頭超グラグラ)、音楽を聞けばこれまた「酔う」。グレン・グールドの弾いたバッハの鍵盤曲(おそらくこの世で最も静かな音楽)がヘヴィ・メタルに聞こえた時点で御察しくださいレベル。
・パソコンも出来ない。目が焼ける。焼き付け症状が眼球に起こる。
・無論のこと運動なんて狂気の所業、というかギャグ。
・しかもこんだけヘロヘロになって、もう眠くてしょうがないっつーのに、いざ眠ろうとしたら床について2〜3時間は「意識が落ちる」まで悶々とかかる、という、もはやなんかの冗談かってくらい。
・その上睡眠薬服用、かれこれ数年
・一時期は麻薬レベルの睡眠薬これ)を常用していて、それで意識を強引に「落として」いた。最近超短期型……まあようするに、軽い奴に変更したのだけど、それでもロヒプノールで「落とさ」ないとどうしようもないという夜もある……それなりに
・眠れるまで待て、と言われるかもしれないけど、どういうわけだか、僕、寝る前やたらとパニック状態になるっていうか、日中ふたをしていた暗黒想念が夜中床に着くと「ばーん」と出てきて、「もういやだもういやだ睡眠薬で落とそう」と、鬱状態・混乱状態から逃れるために睡眠薬を使う、ってことですな。
・で、朝三時くらいに起きる。下手したら二時くらい。それっきり眠れない。
・当然家族は寝ている。で、台所でガタガタ飯を食っていたら苦情がきたので(うるせえ、という)、前の晩用意した食事を自室のレンジ(わざわざ持ちこみましたよ)で温めて喰う。基本的にみじめである。
・つまり生活パターンが普通の人と六時間くらいずれてる。


ざっと挙げただけでこんだけある。
さすがにこれが常態になって2、3年になって、しかも最近もっとメガ盛り的にひどくなってきているので、いーかげん解消しようと思って、主治医氏と相談して、自分でも調べましたわ。
ところが、まー、この症候群って、世間的に問題視されてない類の病気なんですな。
平たく言えば「老人がかかる病気」ってことで、ほら、皆さんのまわりのお年をめした方々もおんなじような生活サイクル、ってことあるんじゃないかと思うんですが、世間的(あるいは医療界的)には、「朝早く起きて夜早く寝る、なんか問題あんの?」って具合で、ロクな扱いうけてないというか、対処法もロクに編み出されてない、という。
調べた限りでは、


・朝の光を避ける。特に早朝。サングラスなんかかけなさい
・限界ぎりぎりまで床に着くな
・夜(夕方から夜にかけて)光を浴びてリズムをずらせ。夜動け


ポリシックスの歌詞かよ! まあ今、偶然にも「We ate the machine」聞いてるわけなんですが(わかる人にしかわからないネタ)。
しかしこんだけしかない、という、不条理。いかにこの症候群が、これと対になって語られるところの「睡眠相後退症候群」(ようするに夜遅くまで起きて朝遅く起きるってやつ)が、結構研究されているのに対し、「前進」の方は、オマケ的な扱いというか。


で、今回のトラックバック先のブログなんですが、前から愛読しているのですが、こんな生活してる奴にとって、「自由」なんか得られるわけないっつー話。
具体的に言えば深夜アニメもニコ生もustも聞けない。だってこれらって、大体が深夜にやりますからね。
そりゃわたしだって、ゆず生ラジオとか、二軒目ラジオだって聞きたいですよ。
でも眠いんです。
ああ、ホント、シロクマ氏が言うように――あるいは昔から言われてるように。しかし「昔の人」こと「彼ら」はこれほどまでに自身の健康に留意してはなかっただろう――健康はファクターの前提の前提(これはトラックバック先の議論より以前から氏が精神科医の立場から言ってること……だと思う)。


今回、「愚痴とか説教とか『昔はよかった話』をしだすとオッサンになってってるぜアンタもオレも」的な話をしようと思ってたのですが、それもひとつの「自由」の喪失だぜ、って話をしようと思っていたのですが、よくよく考えてみたらそれ以前の問題だったっつー。
というわけで、現在の生活を改善すべく、地獄のトレーニング(上に挙げた改善法)を「マジ地獄」と思いながら、生活矯正している昨今です。
この記事も、「日中なるべく寝ずに動く」ための一環として、そしてこのトレーニングによって(プラス投薬によって)小説がうまいこと書けなくなっている……それより以前に文章がロクに書けなくなってる、お話にならない現状を打開すべく、少しでもリハビリしようとして書いてるものです。
とりあえず、出来ることからやってく他ないということでひとつ。恐らくそのようにしてしか「彼方の自由」は得られないのでしょう。不本意だがな!
(ほら、愚痴言ってるぞ、オッサン)