残響の足りない部屋

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私的ガジェット論(2)「ネット中毒と機材」

なぜにネットを離したほうが効率がいいのか。


わたしもかつては、ええ、そりゃネット中毒でしたもの。
別名最先端に触れてなければ死んじゃう、わたし死んじゃうのおおおおっ!」病
あるいは最先端にいることで、みんなと触れ合っていたいの、ねえ、みんなわたしをかまって、かまってぇええっ!」病


ひでえな……
活字にしてみて、改めてこの手の心情のひどさを思い知るわけですが、しかしな。
いくらなんでも、オレにはそれはないわ
というひと。
わたしの経験上、半分はそれうそ。
ジブンを強く見せようとする心、ジブンをかっこ悪い存在と認めない心。
ジブンのナマの姿を見せようとしないこころ。そのくせ二次元美少女にはナマを強要するオトコ(だまれよ)
そんな童貞にも似た生臭ぇ心が、この手の心情を認めようとしません。オレ何書いてるんだろう……。


ようは認めろお前ら、てなことですが、まあこの手の心情に該当しないひともいることは事実で。
いねえよそんな聖人君子wwww」とか思ってる薄汚い精神の持ち主のアナタにわたしは今こうして文章をかいています。
ぼくたちみんなあなきょうだい!
というわけで薄汚い精神の隣人たちのパレードにようこそ(サンホラふう)。
しかしわたしは断罪する。おめーらも、オレも、「清き彼ら」にくらべて、断じて薄汚いから。
はよネット中毒を認めたほうがいいですよ?
大丈夫、プライドを捨てるだけ!
認めたひとは、結構いい人生おくれますよ、あとになってわかる的に。「ジブン」が客観的にわかるから、就職にも有利だし、婚活にも有利だし、人生設計見通しやすいですし。進研ゼミ並みですが、まじですこれ。
――――――ジブンの超冷徹な客観的認識なしに就職も婚活も老後もうまくいくわけねーだろばーか
だれも教えてくれないわよこんなの!」
はい、こんなこといったら、非常にヒステリックにヘイトメールくらいますからね。それに、就職本の著者も、婚活本の著者も、おめえさんの親じゃないですからね。もちろんわたしもおめえさんの親じゃないよ。


……以上のような、薄汚い精神は、ときに、集中力をさまたげます。
だからわたしはネットを断つのです。
薄汚い精神から生まれるオモシロテキストが世の中いっぱいあるのも事実ですが、わたしはどうも集中できない。
「生まれたときからネットありき」なこの世の中において、案外この手法は、ひとによっては効果的かもしんない、と思ひ、あえて提言してみんとす。


ネットがないと、ひとは自分の声しか頼りになんなくなります。
そう、それがわたしが望んでいるもの。
他人の声を廃し、自分を見つめ、自分の中からなにものかを汲み取ること。
それは今回のようにボットン便所汲み取りがごとく、なんかいやなものの汲み取り、かもしれませんし、
ときにそれは、ジブンの幼年時代の記憶の掘り起こしのように、大事なものの発掘かもしれません。
そこまで大層なものでなくても、「掘り起こし」が必要な自分にとっては、書く際にはネットが邪魔なのです。
強引で強制的で、まるで檻のなかに入っているようで、孤独で、不便で、
でも「自分のこころ」と相対するには、それら一切の不便が、逆に「便利」になるのです。闇の単独行には、荷物はいらん。


……で、生まれるものが、こんなテキストかい。なあ、オレよ。


(次回にさらに続く。前回の予告と違い、ぜんぜんガジェット論じゃないぞこれ)