残響の足りない部屋

もっと多く!かつ細やかに!世界にジョークを見出すのだ

長門1

で、前回の模型屋談議に引き続き、長門
あんまりこだわらないラフな工作で、ざっくりと進めていきます。

ニチモの30cmシリーズは「浮かべて遊ぼう」なので、
モーター&電池を入れて、水(おふろとか)でぷかぷか海戦したりするのですが
(そして名誉の撃沈までが一連の流れ)
現在、オレは、そうやって遊ぶよりも、じっくり塗装とかのほうが好み。
少しずつディスプレイモデル思考になってってますね。
餓鬼のころは考えられなかった。まずは浮かべようとしたもんですが。

そういえば、先日所用でミニ四駆を倉庫から引っ張り出したのですが、
アレがオレの最後の「走らせ改造模型」だったかしら。
幾多の荒っぽい走行や改造(肉抜き)を経て、ボロボロの満身創痍でした。
ディスプレイ的には美しくないけれど、「模型=おもちゃ」としては最大の栄養ですよね。勲章でもあげたいくらい(だったらデカール張ればいいじゃない、byマリーアントワネット)

はなしずれた。
で、現在こんな感じ。さくさく

浮かばせないので、モーターはなし。そこらへんの工作(電機&走行系)はほとんどサボりました。もとからあるパーツつけただけ。
塗装は、一括してあとでやります。
ここまでやっときながら、何とオレ、まだエアブラシもってません。
長らくガンプラで済ませてきましたからね……にしても、砲やデッキのディテールを見ると、「あ、こりゃエアブラシないとマゾゲーだわ」とすぐにわかりますね。
筆は4000年の人間工学に基づいているんでしょうが、いかんせん相手は小さすぎる・変な筋肉つかいすぎる。腕がっ、指がっ、つるっ!
……あと、部屋にコンプレッサー入れられませんし……
まあ、パパンの工作室(大工工房)にはありますけど。パパンエアブラシ持ってたかしら……
で、んなこというと「さすが田舎は恵まれてる……」と言われる。
確かに恵まれてると思う。工作室・ガレージの類が普通にあるから。
……しかし。
今日、雪降ってるの。ここ。
猟犬小屋を改造した工作室には暖房設備なんてないの(そりゃあ犬小屋にエアコンはないわな)。
塗装なんてしたら死ぬ!
……というわけで、塗装を、春を待つ……なんてな。できるわけねえよ。ここまでしといて。
筆でやりますよ……
正直、いまの気温だと、外でスプレー缶バーっと吹きつけるくらいが関の山。さすがに風邪ひきたくない。
以上、田舎の模型事情でした。


また話がずれた。
で、いま艦橋制作の途中なんだけど、
この部分が一番艦船で作っててたのしいね。
なんといっても、「工作が実物のそれと同じ」
なんだから。
心棒を支えに、一個ずつパーツを「載せて」いく。
もしどこかが歪んでいたら、それは必然的に作り手の腕の責任。ただ自分がミスっただけ。
この潔さがとてもいい。
工作的にはごく単純で、ただ載せてくだけ。
なのに、心が洗われる。
この静かな感じがいいですね。いちいちtwitterで写メ投稿なんて、したかねえよ。模型工作においてソーシャルメディアなんてクソじゃ! なーにが「皆とつながる!」だ!

ああ、日頃のうっぷんが出てしまった。しかし今の世の中変だよ、なんでこんなに「繋がらなくちゃ、繋がらなくちゃ」なんだ

艦船、というかスケールモデルのいいところは、「工作手順(造り)そのものが、実物どおり」である、ということ。
と、個人的には思ってる。
リアルに完成することも大事だし、考証だって大事。
また、キットがとにかく細心の注意を払って、完成度を高めようとしているのもわかる。

ただなー、個人的には、やっぱ模型の醍醐味は「作る」ことにあるんであって。
どうも完成品よりも、やはり自分で作ったもののほうが愛着わくのもそこで。(さすがにフルスクラッチまでは手が出せん)
スケールの「作る」の場合、実物のメカニックを追体験する、工学デザインの「楽しみ学び」の要素が、オレの場合強いかもしれん。
対象的なのが、ロボ系……とくにガンダムをはじめとするバンダイ系のプラモ。
あれらは、完成品の駆動性を最重視するから、なかのフレームがどうなってようと「動く」ことを重視する(もっとも、初期のMGは内部フレームを「魅せる/見せる」方向でいったからセンセーショナルだったが、それもいつしかMGが大々的になるようになって、潰えたし)。
結果、もとの内部メカニクスの再現なんてどこ吹く風、あのバンダイの変態技術と称される「ぬるぬる動く」が実現する。
この場合、工学デザインを「楽しみ学ぶ」こたぁできねえわな。
でも、楽しい。作って出来たもので動かして改造して、ってのは、無類に楽しい。

どっちもいいのよ。
自分がたのしめればそれで。
ただ、アニメ/ゲーム原作系の、アクション優先型のモデルと、
実物のスケールの、ディスプレイ優先型のモデルとでは、
同じ「工作」とはいっても、見るところ、感じるところが違うんだろうな、って。

そもそも、アニメ/ゲーム原作のは、内部構造が、そこまでつまびらかになっておらず、
なってたとして、工学として正しいものか、は言わずとも……な。空想科学読本でさんざっぱらネタになってるんだから。
だから、そもそもアニメ/ゲーム原作系ロボプラモで、内部構造の工作の楽しみ、なんちゅうことを言うのが、ヤボである。
……とはいいつつも、最近のガンダムのPGなんか、この内部構造(フレーム)の美というものに、拘ってはいるが、少数派であることは論を待たない。

だから、工学系の学生は、ほんとプラモ作りなさい!
知ってるんだぞ、最近の工学部の学生、スチール棚すら作ったことない奴がいるってこと!
教授も過信しちゃだめ! 模型が子供の主要な遊びだった時代は、もう15年以上前に過ぎ去った!
オレは1985年生まれだが、オレが子供の頃、いま考えれば、もうすでに模型はゲームにお株を奪われてたし!