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残響の足りない部屋

同人DTMとか模型庭園とかエロゲとかの日記

フミツキマサヒト「双子のイトコはおもちゃがお好き!?」レビュー

http://www.chalema.com/book/images/item/auqa/auqa-20130424223009_1_p.jpg

 

公式ページ

文月堂。の隠れ家

 

「レビュー書きますよ! 待っててください!」

と言っておきながら、実際にレビューを上げる(形にする)までに相当時間がかかる系レビュアーなので、「あいつ狼少年の嘘つき詐欺師だろ」と白眼視されてる系男子の残響です。わりにガチで。ていうかごめんなさい……

今回のおはなしは、タイトルのとおりです。

 

●序 フミツキ氏って誰?

 

さて、書評ブログ「実験秋雨前線【青本】」の、最初のガチ書評(レビュー)記事は、同人(アマチュア)ジュブナイルポルノ(JP)です。(ちなみに「実験秋雨前線」という残響のレビューブログには、ほかに【赤盤】という音楽専門ブログと、【緑パーツ】という模型専門ブログがあります)

JPってなんぞ? 界隈にはわかりやすい言葉がありますね。「エロラノベ」。

 

で、そんなレビューの初手から、身内レビューとはオレも思い切ったマネをするな……と我ながら思っております。

 

作者・フミツキマサヒト氏は、なんとありがたくも、オレの前のブログ(このようにコンテンツ別にブログを分割する前)で、はじめて、

「まったくの見ず知らずの赤の他人でありながら、オレの記事にコメントをくださった、ありがたい方」

なのです。

というわけで、すごい恩がある。

氏が同人書籍出して、そして通販をはじめた、ということを知って、わたしはさすがに購入しました。

ここで買えます。ちなみに、自家通販でしたが、すっごい丁寧な対応でした。二回通販しましたが、トラブルいっさいない。

 

じゃあどうせ身内レビューなんだから信憑性ねえよ、とやっかみたくなる、画面の前のアナタのお気持ちはわかります。

どう書いても、そう思われるのは関の山ですし。

 

でも……それでも、それでも、レビュー書くのは、

「単純におもしろかった」

からです。

 

かなりぶっちゃけた話をすると、オレ、ジュブナイルポルノや官能小説、まったく読んだことがないです。

 

ただ、十年前、まだ若かりし高校生だったころ、エロゲが買えず、

しょうがなしに、エロゲ原作のノベライズと設定資料集/原画集だけ買って(本来は限りなく黒に近いグレー)、エロゲをプレイしたような気になってました。

そんなんで、「エロゲノベライズ」はかなり読んでても、肝心の「オリジナルJP」は読んだこと、ない。

 

そういう見地からなので、オレはフミツキ氏のJPを、JP/官能小説の歴史から紐解いて論じることができない。

エロゲという文脈ならまだ可能だが……

 

オレにしては珍しいレビューパターンだといえる。

だいたいジャンルとか業界論とかある程度熟知してから論じるのがオレのパターンなだけに。

……まあ、逆に、だからこそおもしろくなりそうなのだがw

 

あと、忘れちゃいけない。

フミツキ氏は、JPレビューの専門だというのが。

こちらのブログなのですが、だいたいJPレビュー(とくに美少女文庫)を検索された方は、このブログにブチあたるのではないかと。

オレのエロゲの師匠筋レビュアーことNagale氏は、オレとは違って、やはりJPをたしなんでおられて、そこで水無瀬さんごの処女作(お嬢さまで保険体育のやつ)を、わたしにしては珍しく興味もち、レビューをあさっていたら、フミツキ氏のブログが、やはりヒットしたという。しかもこれ、フミツキ氏がオレのラブラブルの記事にコメしてくれる以前のこと。

で、「え、あのブログのひとなん!?」と、あとで調べてわりに驚いた。そんぐらいJPの権威なのは間違いない。

 

なんか前置きめっちゃ長いな……ごめんなさい。

2000字制限セルフ縛りを、もう3/4すぎてるよ。

 

あとひとつだけ、前提知識としていれといてください。ごめん!

 

【残響さんは、この数年、射精をしてない】

 

ちょっと持病でねー。プラス投薬の副作用かな?

勃起はまだかろうじておったつくらい回復はした今だけど、数年前から、オナニュイ(自慰)してなくて。

ていうかできなくて。なにをどうしてもスペールマ(せいえき)出なくて。当時は勃起も完璧できなくて。

「ひょっとしてもうオレ男性機能ない?」と思って、無理矢理最後にオナニュイしたとき、出たのは、オレンジ色の得体のしれないゼリーというかゲル。

気持ち悪っ!と思った直後、頭に五寸釘ずぶしゃぁ!!って感じの猛烈な頭痛が走って、トイレでのたうちまわった。それいらいオナニュイをオレの人生から隔離したよ……

 

すまんねこんなはなし。ただ、そういうわけな人が、レビューするというのは、押さえておいてほしいかな、って。

 

 

●破 あらすじ、あとJP素人の目から見たJPキャラ論

 

 

いとこの双子姉妹の家に厄介になることになった主人公が、姉妹と3Pします。以上。

 

 

……シンプルやなー。もっと詳しい説明は、通販ページや著者ブログをみればいいと思うよ。

 

いやだって……これ以上の説明は……ない。プロットにおいて。

ああ、これ、おそらくJPの流儀なのか、フミツキ氏やNagale氏のJPレビュー読んでても、

「一発ネタ」

「テンプレ」

「様式美」

がとにかく尊ばれる業界のようで。

 

オレも実際JPを読み尽くしているわけではないから、複雑怪奇なプロット組みのJPがあるのかは、知らない。ドストエフスキーのようなJPがあるのだったら読んでみたい。誰か知ってませんか。

(もっとも、それがすげえオナニュイのための機能不全に至っている小説だということは明白すぎる)

 

これもタイトルがそのまんまであるがごとく、きわめてわかりやすいというか、タイトルがそのまんますべてを表しとる、というか。

最近の「なろう」小説……チートでハーレムで異世界なあの類の小説も、タイトルの付け方極めてわかりやすい……ていうか安易だし。

 

 

ただ、わかることはひとつある。

「「抜き」に特化しているだけに、それ以外の機能をいさぎよく切り捨てる」

という、ジャンル小説の、いつものアレ。

 

……で、JPにおけるテンプレ、ってことが、ちょいオレ気にかかる。

この業界って、バカにするわけじゃないけど、そこまでテンプレひどいのかな? って。

JPオリジナルのキャラ萌え属性とかって、ないの?って。

 

……でも、考えてみたら、ねえなあ。としか、どうも思えない。

いや単純にさ、JP発祥のキャラの特性が、オタ業界全般で、覇権を握ったときって、あったかいな?

マルチ=メイドロボ=はわわ、とか、

アスカ=ツンデレ、とか、綾波=クーデレ、とか。

(古い例ですまん……)

 

かろうじてある、と思えるのは、女騎士ものとか、サキュバスものとか……か?

でも、オレの無知もあるけど、キャラの固有名、出てこねえ。

 

さらに、フミツキ氏のレビューブログを読んでても、「いま流行ってるコンテンツ/キャラの、パクり」で、JPは芸を成り立たせてるとこが大きいらしい。

 

あのどみるの怪作(ていうか……あれは……)「でにけり」こと、「色に出でにけり 我が恋は」を明らかにパクったタイトルで出してるJPがある時点で、押して知るべしである。どう怪作なのかは、エロゲ版クソゲーオブジイヤー参照のこと。

 

 

●急 とにかくキャラを立たせることがうまい

 

まあ……上の議論は、オレサマの安易な考えによる印象批評だ。

つっこみカミング的に書いてる。

「そんなのばっかりじゃない!」ってご批判、オレ、超ほしい。それを知って、探っていけば、オレにとってJPの可能性が見えてくると思うから。

 

 

んで。フミツキ氏のこの小説。

オレがまず思ったのは、上記「JPってオリジナリティ弱いんじゃね?」的な仮説を、いい意味で裏切ってくれた。

 

 

簡単にいえば

 

・双子姉:天然、巨乳、M、ボケ担当

 

・双子妹:クーデレ、スレンダー、S、ツッコミや解説しながらのボケ担当

 

見事に対比である。

かつ、共通項、

 

・お兄ちゃん(主人公)大好き

・おとなのおもちゃ大好き

・百合関係もOKよ(レズプレイ……バッチコイ!)

・姉妹仲良好、裏切り修羅場いっさいなし

・しっかり両方とも淫乱

 

この「対比部」と「共通部」の入れ替わり立ち替わりなキャラ展開がおもしろい。

 

ごく簡単に(でも抽象的に)いえば、「なんかイベントで最初に墜ちる」のは、天然姉のほう。

アホの子だから。(ひどい……)

しかしこの小説がすばらしいのは……とくにイチャラブエロ観点ですばらしいのは、

「無駄シリアス」

「無駄修羅場」

「無駄暴力ツンデレ

を、いっさい入れないところ。

通常、クール系妹は、こうなったら、姉を墜とした責任を、「お兄ちゃん(主人公)」に対して責めるが、このクーデレ妹は、責めないどころか、むしろノってくる。

 

ようするにアレだ、「祝福のカンパネラ」のトルティア姉妹の頭のいい妹のほう。あの感じ。

いつも丁寧語で、しかしクールにボケ、でも主人公に対する思いはさりげなく熱く(この「さりげなく」がポイントね)、っていう「理知的クーデレ」。案外饒舌ってとこもまた。

 

対比部のメリハリがあるから、話の流れはサクサク進むし、

共通部で「お兄ちゃんだいすき!」「姉妹もお互いがだいすき!」「おもちゃもだいすき!」「えろいのだいすき!」があるから、いい意味で葛藤ってのがない。

すべてはイチャラブのスムーズな流れを作り出していく。

 

 

「この姉妹とだったら、なにやってもたぶんOKなんだろうなー」

という、ユルい微温的なまったりエロアトモスフィアが流れていく。

で、その期待は、我々が読みながら想像するより、ずっと早くかなえられることになる。

 

すげえ変なたとえなのだが、この「なんでもアリ」な空気の中に、ローションすら流し込まれているんじゃねえか、みたいに、ぬるぬると摩擦なしに流れていく。

 

 

……が、この手法は、場合によっては、

【ぬるすぎじゃね? すこしはメリハリつけろよ】

的な批判も招くだろう。

だいたい、きらら系四コマは、まずその点から批判される。

 

それはこの小説が、「イージーにたのしくエロ!」を追求し、その試みが成功するにしたがって、どうしても不可避な批判だ。

実際フミツキ氏の四冊の小説は、その面での批判を受けざるをえない面がある。

 

しかし、フミツキ氏の手腕を、最後に別観点から評価して、このレビューを終えよう。

 

【主人公はツッコミ】

 

まず、性的な意味でないツッコミについて。

 

前半の主人公は、なし崩し的に姉妹のエロ空間に引きずり込まれる形となってるが、とにかく「ちょいおかしい姉妹」に、主人公からボケることはない。ツッコミに徹している。

これがいい感じに、全体のアトモスフィアを引き締めている。

主人公のツッコミも、すげえ独自性があるほどのツッコミじゃないんだけど、サクサクキレがよいので、全体の微温まったりムードのわりに、そんなに退屈しないのである。

 

 

んで、性的な意味であるツッコミについて。

後半から主人公は「攻め」に転じるが、前半部でエロエロさを出しまくった姉妹を、今度は主人公がエロエロに攻める。

前半の爆走から、後半の超爆走、へ、ギアを入れたわけだ。

 

さらに、話の最後に、結構いい感じの、決意固めた的(これは性的な意味じゃないよ)発言&約束行為をするのも、これもテンプレながらポイントが高い。とにかく不快感がない小説。

 

●フミツキ氏双子JPレビュー、おしまい