残響の足りない部屋

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放課後ティータイム「放課後ティータイム」

 

TVアニメ「けいおん!」劇中歌ミニアルバム 「放課後ティータイム」

TVアニメ「けいおん!」劇中歌ミニアルバム 「放課後ティータイム」

 

 

(本レビューは、唯、澪、律、ムギ、梓が「演奏している」というふうに仮定して論じます)

 

●メロディー、歌(声)

 

なんちゅうか、唯の声は、やる気がなくなる声ですな。HR/HM側の人間にはヘイト対象かもと思った。

しかし、たとえば「カレーのちライス」のサビのところのコーラスワークの倍音たっぷりな響きはどうでしょう。


カレーのちライス - YouTube

これは媚びとかいう問題ではなく、個性です。

ヘタウマっぽくでも、人柄を感じさせるvoってありますよね。あれです。

だからどうしようもなく少年ナイフを想起させる。

どうも唯の声というのは、「すっとぼけ」であると同時に、微妙にかすれている……あたかもスピッツ草野マサムネのごとく(マサムネは純粋にうまいけど)。

そのあたりを澪の声と比較してみると、こっちになると、よりHR/HM寄りというか、「それを演っても違和感はない」というふうに聞こえるでしょう。

 

そう、HTTは、おそらく一番比較するなら、スピッツのパンク的側面と、ポップス的側面。


Spitz - Hourou Kamome wa Doko Made mo (Live 2010) - YouTube

スピッツの「どうしようもない憂い」はここにはないですが、「宝」といえる唯のvoと、「バンド一発やったるぜ!」という感じが、非常に初期のスピッツを想起してやまない……というか、あの時代のバンドブームのよきバンドたち……ブルーハーツとかジュディマリとか……みんな、このあたりを持ってましたよね。

ああ、話がずれた。

 

ムギの書いた曲の特性を語るとしたら、「ロック・クラシックス(古典的ロック)にかなり忠実」なソングライティングだと思います。

もちろん背後にあるのがthe whoあたりのモッズ的感覚や、「いわゆるロック」的イディオムだったりします。案外パンクはないかも。もちろんパンク的曲作りをしたのが「ふわふわ時間」だとしても、それ以外の曲が「スリーコード一発」よりも、もっとアレンジを磨いているのをみると、HTTはそこまでパンクに寄り切っているわけではない……というのがわたしの感覚です。

それでありながら(ロックを勉強した感があっても)ちゃんとフックをいちいち入れていくところが、ニクいですね。

 

……にしてもな、ギターチーム。

暴れすぎだろ(笑)

あずにゃんは「オカズ」という感じでフレーズを入れていくのだろうが、たとえばブリッジ部分で、猛烈に「ギュギュイイイイー!」って感じで歪んだのを弾き倒すのはどうよ。フランジャーとか踏んでんじゃないよ。唯に「まじめにやってください!」って説教できる立場かいな。

それから唯! 女子高生がなんでソロでワウ踏んで慟哭のソロをやるねん、クラプトンか!? マイケル・アモットか!?

いや、ほめてます。

 

●ハーモニー、音色

 

アンサンブルがまとまっているのが、とても聞きやすい。

しかしだな。令嬢。弾き倒しすぎやねん

ムギのオルガンが、非常に60sアトモスフィアを醸し出すのだが、このオルガンが全体のハーモニーにルーズな感じと、煙幕が張ったような音の壁を作るのに一役買っているのだが、ジョン・ロードキース・エマーソンかってくらいブチ切れ弾き倒すので、おまえさんはほんとに令嬢かっつの(ほめてます)

コーラスワークについてはもう書いたね。

バンド編成がシンプルで、メンバーがバカやってオカズを入れる以外は(そこが問題である)、曲もシンプルで、それを丁寧にやる、ってな具合なので……なんちゅうか、変なたとえだけど「うん、しっかり朝ご飯食った! さあ行こう!」みたいな後腐れない元気感がありますね。

 

●律澪リズム

 

確かに、りっちゃん隊員のドラムは走っています。

「走ってる」とはどういうことか、というと、曲の中で、休まるとこがあんまない、ということです。

また、変拍子もなければ、「なんかのんびりいこうよ」の感覚もないです。

まっすぐ、とにかく最後まで走る、みたいな。

 

じゃあそれがこのバンドにとって、何か悪影響を与えてるかというと……これが、ぜんぜん与えてないんですな。

ちょっと考えてみてください。この曲で、ちょっと「バランスよく、余裕をもって」演奏されたら、たぶん、相当、つまらなくなる……とは言い過ぎでも、「シパタ! シパタ! どたどた!」なドラムがあってこそ、このバンドの「GOGOGO!」な感じがあるのだと思います。

シンプルにまとまってるバンド編成だけに、案外BPMの問題は重要で、この「あまり横のグルーヴもなく、ただ走る」なリズムが、このバンドに「性格/個性」を与えているのです。さすが部長!

 

で、澪のベース。

動きまくり。

この動きがあるからこそ、律のドラムが「単調なリズム」にはならないのです。あと音がぶっといので、律がばっしゃんばっしゃん叩いても、負けない。

そういう意味でも、いいコンビなのですね。

 

●ライヴ盤

 

可能な限り、初回盤でもって、「ライヴ盤」を聞いてもらいたいです(初回盤には、「スタジオ盤」と「ライヴ盤」の二枚がついてます)。

スタジオ盤は、どこか「まとまってる」感があるのですが、ライヴ盤は、わたしが以上でいったとこが、非常によくわかる……わかりすぎるほど、極端な「勢い」がありますから。

クリアな音質とは違いますが、いやアンタ、そもそも考えようや、HTTは音質のバンドかっ!?

 

●おまけ

前に自分、この盤聞いたとき、こんなふうに思ってました。変わるものですね。