残響の足りない部屋

もっと多く!かつ細やかに!世界にジョークを見出すのだ

エロゲーマー諸子百家(8)メルトンさん、たいきさん

【メルトンさん】

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merunoniaさんのサマリー ErogameScape-エロゲー批評空間-

エロゲ実況度:する時はする(というかtwitter出没が不定期)

 

 

【たいきさん】

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ブログ:立ち寄らば大樹の陰

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taiki_VAさんのサマリー ErogameScape-エロゲー批評空間-

解析度:最近この人の凄さを知った。参りました。

 

※エロゲーマー諸子百家シリーズについてはこちらをどうぞ

 

【傾向】

物語を読み込む、ということ

 

 

メルトンさんとよくお話しするようになったのは昨年からなのですが、その度に残響とは楽しくお話しさせていただいて、ありがたい限りです。主にエロゲ(このシリーズだから当然だわな)と音楽話で、メルトンさんの印象は、初期からぜんぜん変わっていないのです。

「なんか独特の愛嬌があるなこのひと……」って感じです。言葉の使い方のふわっとしたところとか。分かりやすく、かつ胡乱な表現をすれば、ナチュラルにかわいらしい、と言ってもいい。それは、なかなか得がたいものだと思うのです。残響にはこういう自然な愛嬌ってないから。

そういう相手と、我が魂(マイ・ソウル)たる上海アリス幻樂団をお話しするのは実に楽しかったですね。こっちがすげーマニアックな東方音楽話をふっても、余裕でついてこられますし。

 

メルトンさんは去年に入ってからえろすけさんで長文感想を書かれるようになりました。で、着々と感想の数を増やしております……って書くとわたしが先輩っぽい感じになりますが、すでにその総数は俺以上ジャネーノ!(笑)

ときに、メルトンさんが「選ぶ」ゲーム、というのが、こうやって好意的な付き合いある残響でも、わからねえ。しばらくメルトンさんが御気にゲームとしてあげておられた「ラブだくしょんっ! 銀河の恋愛ガイドブック」なんて、どっから掘ってきたんだと。最近のレビューだと「続・殺戮のジャンゴ」と「ウルスラグナ」というチョイスなんて、誰が予想できるかっつの。

と書くと、イロモノゲー発掘家、と称されそうですが(その傾向はないわけでもないと信じている。仮説ですが)、いや違う。そのレビューの筆致は、ですます調で物語を要素要素でとりわけながら、しっかりと読み込むもの。

理論で抽象的におおまとめにして、簡潔にポン、というのではなく、物語をじっくり読み込んで、印象深い要素要素をポン、ポン、ポン、というもの。

以上を踏まえて、メルトンさんは優等生的か? ……だったら次のようなテキストは残さないと思うのです。こういう感じに逸脱的意外性が出てくるからメルトンさんの長文は面白く、気が抜けない。

いやぁなかなかに壮絶でした。なんせ足は逆に曲がるわ、内蔵出てくるわ、テキスト表現はきつい。

しかしある方と話していました(この場をお借りして感謝します。M様ありがとうございます)
 このシーンはとても対比表現が上手だという結論を出しました。
 例えば「変容に対しては無臭。だから自分の嘔吐の臭いばかりが鼻に付いて自身の醜さが際立つ。
~美しい進化に対してかくも俺は醜い。~機械的であり、どこか芸術。~どうして目を覆うことができようか。」
という、シーン。

 このシーンでは変容がただ淡々と進みます。ただの無機質な現象であるために、主人公の感情にも介さず進みます。
その進みにも進化の神々しさ、それと自己嫌悪による自分の醜さが対比して表現がされていて、嫌悪を覚えるのに
なぜか魅入ってしまう、という魅力があるシーンでした。

――「J.Q.V 人類救済部 ~With love from isotope~」の感想

 

 

たいきさんとは、最近ちょこっとお話するようになったので、ぜんぜん残響との関わりは浅いのですが、実はレビューやブログは前々から読んでいたのです。

物語の読み込みが、メルトンさんと同じく、「理論ひとまとめ」ではなく、進行に従って丹念に読んでいかれ、各要素・パートごとに詳細に見ていく。ただ、たいきさんの場合、分析する際において、より「物語を立ち上げ」、そして検討していく、という傾向が強い。

どういうことかというと、ネタバレ覚悟で情景・キャラの動きを的確に描写される。だからある種、小説を読んでる感すらあるのです。その一例をあげるとしたら、このレビューかしら。

taiki_VAさんの「紙の上の魔法使い」の感想

 

この「各場合を分析的に取り上げる」は、エロゲデータ分析をブログでされる場合にも如何なく発揮されます。

どういうことかというと、以下の二つの記事を読んでいただければわかるかと思います。

立ち寄らば大樹の陰 分かる!CUFFS「Garden瑠璃√騒動」+私の不満(2015年5月23日時点)

はい、題名の通りですね。エロゲーマーなら周知の「庭騒動」を詳細に分析されたものです。事態を的確に把握するには、これが一番なんじゃないかと。長文ですが、それだけの価値はある分析です。クロノロジカルとはこういうことを言うのだよ。

 

そして先日アップされた超力作記事がこちら

立ち寄らば大樹の陰 メガストア収録エロゲ全一覧とエロゲー批評空間評価

立ち寄らば大樹の陰 メガストア収録作品分析?とか

これはすげえぜ。エロゲーマーならこっちも知らぬものはいない「メガストア付録エロゲ」の詳細なデータ分析。

実際、自分もメガストア付録の質的変容は気になっていたのですが、こうやって実例を示してくれると、やっぱ違うよなぁ、と。ていうか、誰もしなかったよここまで!!w

たいきさん=エロゲ史蒐集家、と申すつもりはありませんが、しかしこうやってたいきさんが残した力作分析記事は、レビューと同じくして、後世に残るものだと思います。

常々思うのですが、この「後世に残す」という所作は、結構大切だなぁ、と。趣味の楽しさにかまけて――哲学用語を使えば「消尽」して――いるばっかりで、いいのか。いや、別にいいんですけど。趣味だし。……うん、自分は数年前に友人に「年いったオタクは何か残すべきだろ!」と主張して、その友人に「いや、別に趣味なんだからいいんじゃないの?」と反論され、いなされたことがあったのです。

もちろんすべてのオタクが歴史蒐集家たれ、ということでもなく……その友人はそこをたしなめてくれたのでしょう。それでも……今再び思うのですが、自分たち今のオタクは、後世に対して、どれだけ残すことが出来るのかなぁ、と。ただ遊んで、ヘイト合戦にかまけていただけで、とくに価値あるものを残すことはしなかったのかい、と後世のオタクたちから言われても、仕方がないとこはないか? わからない。

一ついえることは、「やっぱり書き続けること」だと思うのですよ、陳腐な結論ですが……けど、何らかのオタクの善性を示すには、やっぱ「書いて、残す」ことが大事なんじゃないか、と思うのです。

 

(事実誤認、記事取り下げ要求ありましたら、残響まで!)