残響の足りない部屋

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ディスクレビュー、音楽

Krik/Krak「黒い森」

Krik/Krak Official Web Site | 同人音楽サークルKrik/Krak 「黒い森」公式ページ ●前書き 最高傑作。神盤。 ……とだけ書いて「全て言い切った」としてもいいのですが、それではさすがにアレなので。第一どう「傑作」なのか書かないと、音楽ブログしている意…

子供に聞かせるべきアルバムなんてない(あるいは「聞いてない俺はダメ」な感情を封殺する)

「全ての子供が13歳になるまでに聴いておくべきアルバム 33選」を米サイトBuzzfeedが発表 - amass すべての子供に聴かせるべきでないアルバム10選 - あざなえるなわのごとし 読みました。 上記の元英文サイト(Buzzfeed)のコメントもざっと目を通してみまし…

Krik/Krak「Nursery Rhymes」

公式ページ Krik/Krak Official Web Site | 同人音楽サークルKrik/Krak ※過去にKrik/Krakについて書いた記事はこちらの記事まとめページを参照してください Krik/Krak--もともと第一期サンホラ(Sound Horizon)を崇拝していたサークルメンバー二人。 その…

じん(自然の敵P)「メカクシティデイズ」

公式ページ メカクシ団作戦本部|じん(自然の敵P)「カゲロウプロジェクト」公式サイト アニメやってますね。いま、ティーンズに超人気ですね、カゲロウプロジェクト(以下カゲプロ)実際、わたしも「流行ものかよ」と、最初は食わず嫌いをしてたフシがあり…

土曜日と人鳥とコーヒーの懐かしい個性

公式HP 土曜日と人鳥とコーヒー 神戸・関西を中心に、ライブ活動を中心に気を吐くシューゲイザーバンド、土曜日と人鳥(ペンギン)とコーヒー。通称はどよぺん。 よくわたしは、シューゲを語る際に「静謐と轟音」って語るのですが、このバンドの場合もそう。…

Blueberry&Yogurt「moment」

公式ページ PCゲームの主題歌を提供するユニットとして、歌手・Rita氏と、コンポーザー・ウチヤマ氏のふたりでミニマム的に活動しているユニット。わたし、大ファンです。Blueberry&Yogurt、通称ぶるよぐ。 ぶるよぐ過去記事: Blueberry&Yogurt「meaning」…

Krik/Krak「リプレイ月紅レコード」

公式サイト Krik/Krak Official Web Site | 同人音楽サークルKrik/Krak 特設ページ http://krik-krak.net/rlb.html 幻想系物語音楽サークル・Krik/Krakのフルアルバムです。 活動歴では、比較的最近に近い盤です。相変わらず、ダークかつ悲壮な物語/コンセプ…

Krik/Krak「Epitaph II」

公式サイト Krik/Krak Official Web Site | 同人音楽サークルKrik/Krak 結構前の話になるのですが、古式オルゴールの録音物(CD)に凝ったことがあります。そんなことを友人に喋ったら「とうとうお前そんなものにまで……」と怪訝な顔をされて見られましたね。…

Alice Kitela、あるいはポストロック/シューゲイザーの美学

●Alice Kitela Alice Kitela ↑公式サイト 関西インディーズポストロックシーンで気を吐く、Alice Kitela。 今回の記事は、彼らの楽曲/パフォーマンスに胸を借りて、いわゆる「轟音」とかって称される、一連のポストロックや、シューゲイザーの作法について語…

4/20 大阪心斎橋FANJライヴレポート

えー、今、旅先でノートに万年筆でこの原稿書いてます。ネカフェで、出来た原稿をタイプ&エディットしてアップしたのがこちらです。 心斎橋FANJライヴ「mutatiton」爆音に、轟音に、静寂に酔いました。 ※予告と、各バンドの紹介はこちら 4/20心斎橋FANJライ…

4/20心斎橋FANJライヴ予告、深海600m、僕を殺す世界へ(そして他のバンド予習)

ノイズとは何か? 雑音である。「雑」多なるエモーションの綴れ織りを描く「音」である。 ポストロックとは何か? シューゲイザーとは何か? 既存の「いわゆるポップス方程式」に、「それだけじゃないぞ!」と、エフェクター反響煙幕ギター(等)ノイズの狼…

引用論「1。引用論におけるニヒリズム」

※連載です。 全部で44000字あります。(この回は9400字) 芸術・表現における「引用」について書いたものです。 1-1。ダニー・ボーイ 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2005/09/15 メディア: …

Ether「Coppelia」

Ether コッペリア公式ページ(試聴音源あり) ●ハーモニー/世界観 ある魔女の少女と、その屋敷にふと迷い込んだ青年の、「心の通い合い(の挫折)」を描いた、組曲(物語音楽)としての一枚。 現在、盤は廃盤で、DLsiteからDL版で買えますが、これはとにかく…

上海アリス幻樂団「蓬莱人形 ~ Dolls in Pseudo Paradise」

上海アリス幻樂団 ●リズム ZUN氏のリズムは、「リアル」なものではないです。 むしろ非常に打ち込み。じゃあ、それがスクエアなものか、というと、さにあらず。非常に動きまくるドラムのラインなのです。小刻みといってもよく、それは「すったんたかたん、す…

放課後ティータイム・妄想ライヴレビュー(2)

※前回の続きです。 放課後ティータイム・妄想ライヴレビュー - 残響の足りない部屋 ※前回と同じ体(テイ)です ※今回の音源 「ぴゅあぴゅあはーと」 「UTAUYO!MIRACLE」 TVアニメ「けいおん!!」ぴゅあぴゅあはーと アーティスト: 放課後ティータイム〔平沢…

放課後ティータイム・妄想ライヴレビュー

※このバンドレポートはフィクションです。 ※「架空のバンド・HTTのライヴ」に参加して、それのライヴレポートを書く残響、という体(テイ)で、ディスクレビューを書きます。二次創作SSのようなものです。 ※二回に渡って続きます。今回レビューする盤は 放課…

瑠璃色の森、twitter感想その2

(これはtwitter実況のログです) 大阪ポストロック/マスロック/フュージョンバンド(こうカテゴライズして大丈夫かしら)FaRangeのギタリスト、びわこ氏による、アンビエント・ソロプロジェクト「瑠璃色の森」 氏の作品で、前にレビューできなかったものを…

放課後ティータイム「放課後ティータイム」

TVアニメ「けいおん!」劇中歌ミニアルバム 「放課後ティータイム」 アーティスト: (アニメーション) 出版社/メーカー: ポニーキャニオン 発売日: 2009/07/22 メディア: CD 購入: 15人 クリック: 379回 この商品を含むブログ (202件) を見る (本レビューは、…

the Clash「動乱(獣を野に放て)」

動乱(獣を野に放て) アーティスト: ザ・クラッシュ 出版社/メーカー: Sony Music Direct 発売日: 2005/11/23 メディア: CD クリック: 9回 この商品を含むブログ (10件) を見る The Clash - Safe European Home - YouTube パンク・レジェンド、the Clashの2nd…

何のためにブログを書くか、2014年上半期、エロゲ編

昨日の記事の続き。 何のためにブログを書くか、2014年上半期、音楽編 - 残響の足りない部屋 あ、そうそう、きのう、「メソッドを中心にして書く」って書きましたけど、振り返ってみたら、ブログのオリジナリティ論になってしまいました。 それはそれで、自…

何のためにブログを書くか、2014年上半期、音楽編

●原則その1:自分が買ったもので、何か考えたことを書き残さないと、それらの文物に申し訳がたたない ●原則その2:これから先の自分の人生(あるとしたら)を、きょうの自分よりマシなものにするために、得られた知見を書く。もしくは得ようと努力する。 ●原…

上海アリス幻樂団試論、卯酉東海道をめぐって

●東方の音楽こそ、我がすべて 上海アリス幻樂団 はじめて東方の音楽を聴いたのは、高校生の時分。 曲は「上海紅茶館」と「明治十七年の上海アリス」。 【東方原曲】紅魔郷「上海紅茶館 ~ Chinese Tea」【高音質】.mp4 - YouTube 東方原曲 紅魔郷 3面ボス・…

現代美術/音楽における視覚と音響の統合――KANATA氏の作品をめぐって

●KANATAさんとの馴れ初め KANATAさんの作品のyoutubeチャンネル KANATA SUZUKI - YouTube 去年の暮れから今年のはじめに入ってからかしら、東京藝術大学の先端芸術表現科に在籍しておられるKANATAさんと、よくtwitterでお話をさせていただいてます。最初は確…

ケルト音楽(北欧トラッド)の聞きかた

●空前のケルトブームが過ぎ 80~90sごろだったかしら。空前のケルトブーム……それまで「いなかっぺ音楽」だったケルトが、突如「本物の伝統音楽」として、ある意味クラシックよりも地位を得た時代。時期。 いや、本物の伝統音楽、というのは確かにその通りで…

自分でプレイするようになって急に面白味が増えたタイプの音楽

●バンドやろーぜ! やろーぜ! といって、すぐにできるひとは、都会に住んでて、音楽コミュニティに近しいところに住んでるひと。 もひとつは、田舎に住んでて、中高生のときからダラダラとダチ的につきあっているリア充ども。 いや、これはだいたい世界的に…

Let's listenすきまレコーズ!&affable noise音源聞きメモ

affable noise affable noise 音源ページ 先日、広島のソロ・アンビエント・プロジェクト「affable noise」氏のサウンドクラウド音源に、堪能しておりました。 まだ全部は聞いていませんが、しかしその「雨のヴェール」を思わせるサウンドスケープと、空間の…

Krik/Krak「たそがれ道化師」

公式ページ Krik/Krak Official Web Site | 同人音楽サークルKrik/Krak webコンテンツページ たそがれ道化師 前に書いたKrik/Krakに関する試論についてはこちら Krik/Krak試論(1) - 残響の足りない部屋 Krik/Krak試論(2、後編) - 残響の足りない部屋 幻…

love solfege小考・「墟律のサンプル」感想

love solfege どうもこのブログの音楽記事(というか残響の文章全般)にお寄せいただいている(ありがとうサンクスございます!)御批判は、だいたい大きくふたつに分かれていて、 1)音楽用語ばっかりの理屈レビューで、何書いてるかわかんない 2)ミュージ…

Arch Enemy「Wages of sin」

全く関係ない話からすると、いま(本日の午前5時)、締め付け系・重圧系頭痛がひどくて、エクストリームな音楽がきけないのです。ちょうどこの北欧メロデス(メロディック・デスメタル)の至宝である、この盤のような。 さらに、いまネット回線が不調で(本…

ドヴォルザーク「弦楽六重奏曲&弦楽五重奏曲 」演奏:チェコ・フィルハーモニー六重奏団

はじめて【心底感動して】聞いた、クラシックの盤なのです。 大学在学中の当時、自分は「何かが足りない」と思っていました。 当時、何か自分の心は亀裂が入り、崩れていきそうで、暗い何かが心にへばりついていました。 ある意味で、癒されたかった。「本物…