残響の足りない部屋

もっと多く!かつ細やかに!世界にジョークを見出すのだ

少女が変化しない百合なんて炭酸の抜けたコーラドリンク

リバ……リバーシブル。百合の醍醐味。

●ていうか、物語表現ってやつぁ、「変化」を必要とするのです。

あまねく物語とは……基本的に「成長」をモチーフとします。
ドラゴンボールだって「成長して、敵に勝つ」ですし。
日常系が多い百合ですが、しかし関係性の進化/深化、というものを大事とするならば、なんらかの「成長・変化」というモチーフが、物語に必要とされます。

もちろん、「もう成長はしきって、成長なんていいよ。日常のまったりがいいよ」という日常系もあって、それの価値を否定してるわけではありません。
ただ、一つの話を展開するにおいて、「なにも成長・変化がなかったら」……これはちょっと、作劇上、しんどい。ぼくは10年くらい小説を趣味で書いてきたのですが、「なんか変化」をつけなけねば、小説というものは打ち捨てられたガム以下の代物になります。

「成長・変化」は、物語には必須です。ただ、「どういう成長か」でまた話は異なってくるわけで。
ストーリーものだったら

「艱難辛苦を乗り越える」

ですが、日常系だったら

「日常→なんかネタがふってきた→それに対してリアクション→ちょっとだけ変わった日常」

って具合に。……これって「起承転結」だな、書いてみて気づいたけど。


●百合の場合の変化とは

ストーリーものにおける「変化」については今回は書きません。知りたいひとは「ドラマツルギー」とか「ストーリーダイナミクス」でググろう。

今回は、百合における変化について語ります。
で、百合の多くは「日常もの」です。正確にいえば他ジャンルより「日常もの」の割合がおおい。

なんでか? それは百合というものが「少女と少女の関係性」であるからです。関係性の変化、小さな変化。それこそが百合であり、百合っぷるの「世界ぜんぶ」であるわけです。
物語の流れとして「でっかいわくわくダイナミクス」があっていけないこともないですが、しかし別に「100パー必須」でもないです。

言い換えれば、世界が敵に回るより、恋人の女の子が敵に回るほうが一億倍怖い。それが百合です。

……では、それが甘美な「変化」だったら? そう、俺はここでリバの話をするのです。


●ていうか(ここからは百合豚の叫びな)

王子様キャラが、ツンデレ姫キャラに「逆に攻められる」って最高じゃね?
ぽわぽわキャラが、いきなりえちシーンで攻めに変貌するって最高じゃね?
俺がいいたいのはそういうことで。

「恋人が変化する」は、毒にもなれば、甘美にもなります。

ときに、キャラにはコンセプトというものがあります。キャラの基本的性格。すなわち「キャラ」ですが。
それを、最初から最後まで「貫徹」」するのは、百合においてそんなに正義でもないんですよ。
どっかで必ずリバが……リバ要素が求められる。

そこのところをちょっと前に詳しくかいたのが、えろすけでの「その花」長文レビューなんですが(暇なひとは読んでね)。

……まあ難しいもので、、「リバが毎回」となったら、これはこれでマンネリになって「またかよ……」になる……と思いきや、「キタ!キマシタお約束!」と思ってしまうのもまた百合者の業だよなぁ……。