残響の足りない部屋

もっと多く!かつ細やかに!世界にジョークを見出すのだ

ラブラブルプレイ日記(1)

●業務報告

twitter非公開にしました。連絡用に徹するためです。確かに公開でも一向差支えなかったのですが、「手軽なメッセ」としてはこういった使い方が自分に適しているようで。まあ身内とのやりとりに限ってましたから、こうしても特に問題なかろうとは思うのですが。不都合等ありましたらご一報いただけると幸いです。

ラブラブルプレイ日記

以前mixiオリジナルコンテンツとして、エロゲのプレイ日記を書いていたのです。で、最近mixiの更新をするよりも、このブログの更新をした方がいいと思い(一度に二つの媒体であれこれするのはどうにも性に合わなかった)、mixiで書く予定だったsmee『ラブラブル』のプレイ日記を書きたいと思います。どうせですので、mixiでラブラブルについて書いた記事も転載しておきます。ちなみに過去に書いたエロゲはPULLTOPの『恋神―ラブカミ―』でした。計十回、一ヶ月使って延々ヨタ話=プレイ実況レポを続けました。今回もそんな感じで。あ、いや、一ヶ月はかからないと思いますが。ラブカミのときは超鈍足進行だったもので。

で、僻地在住の常として、品物が届いたのは昨日でした。おのれー焦らしおって。祖父で11月に予約したのです。その期待のほどは下のmixi転載記事の一番最初をご覧ください。
これがパッケです。

右にあるのは、祖父特典のドラマCD花穂編。その他にも特典としてテレカと下敷きがありました。
それから、

右のCDは裸パッチ。これを当てると立ち絵が裸になるというアレなもの。ここのメーカーの恒例となっています。左はゲームディスク。それにしても、側面絵といい、ディスク絵といい、花穂押しですね。わたしとしてはご褒美ですが。ライターの早瀬氏も花穂大好きなようですし。けどまあ、メインヒロインの千夏の立場は? って思ってしまいますよね当然。
さっそくインストして、裸パッチ&修正パッチを当てて、さあ開始。とりあえず花穂ルートの最初のH後まで行きました。
……一気にやりました。それだけ没頭していました。なんていうか、シナリオ的にはダイナミクスも何もあったものではないのですよ。ほんとに公式で言われていた通りでした。とにかく女の子といちゃいちゃするゲーム。わたしとしてはこのようなゲームをこそ求めていました。

花穂ルート進行中

何と言っても花穂の破壊力が尋常ではないです。自分の可愛さを自覚して、主人公の晴樹(名前変更可。しかも変更したらテキストもそれに違和感のないように合わせて変わるという手の込んだ作り!)を翻弄します。それも全然嫌味ではないので、当然周囲からの人気も凄く、また、晴樹も花穂と軽口を叩き合いながらも、しっかりシスコン・ブラコンしてました。
あらためて実感したのですが、お兄ちゃんたるもの、妹を可愛く思うのは当然だな、と。全てのお兄ちゃんはシスコンであるべし。今プレイしているところで、「俺は世界一のシスコンになる!」と晴樹が豪語してますが、それでこそと思います。よく言った。
「そりゃこんなにかわいけりゃシスコンにもなるわ」というのをビシビシ感じさせてくれる内容なのですが、同時に「ああこういうお兄ちゃんならブラコンにもなるな」、と感じさせるのも事実です。らぶでれのときもそうでしたが、ここの主人公はおかしい。輪をかけたバカというか、常時テンションが妙で、奇怪な言動を繰り返すのです。ですが、結構しっかりしてるんですね。突発的なトラブルが起こった際、一番冷静な行動をとることが出来ますし、何より頭の回転が早い。日常のすべてに対してユーモラスな軽口を叩いては突っ込まれる。よくそこまでてきとーなことをぺらぺらしゃべれるな、その発想どこから来たんだ、という具合。それでいてツッコミのキレもあり。いや決して完璧超人ではないですよ? 基本がバカですから。けれど妙に人を――とりわけわたしを――惹きつけるところがあり、見ていて愉快な人間であります。そして、いざ惚れたとなったら、全力で愛し抜くのがここの主人公。花穂ルートは「どうして俺の妹はこんなにも可愛いのだろう」ということを延々と悶えている始末ですから。筋の通ったシスコンぶりにわたしは感服。
花穂を最初にプレイするのは、前々から決めていました。……いや別に妹属性あるわけではないのですが。どちらかといえばお姉ちゃん属性なのですが。みさき先輩とか、「秋桜の空に」のすずねえとか。最近では星メモの夢とか。決して嫌いではないですが、妹だからって何でもいいという過激派ではありません。キャラによりけり、ということです。そしてこの作品では、花穂というキャラの小悪魔的魅力が体験版の時点でわたしをまず打ち抜いたという。……まあそんなことを言ってはいますが、ラブラブルが到着するまでの全裸待機中、「妹ぱらだいす!」を買おうかどうかさんざっぱら迷っていたわたしなのですが(笑)。いやほんと属性ないのですよ?(全然説得力がない)。嫌いじゃないってだけで。「アネカノ」にも手を出そうか迷っていました。いや、こういう萌え抜きゲーをダラダラやって癒されたい、という荒んだ理由なのです。ですが、ラブラブルをいざプレイしてみて、とても満足している自分がいます。mixi日記でも書きましたが、今年は新作買いを控えると公言しています。なんとかそれが達成できている自分を褒めてあげたい。……まあいずれはこの二作品プレイしそうな気がしますが(ちょう泥沼)。

エロゲやってよかったなぁ

こういう良質のエロゲをプレイしていると、エロゲを趣味にしていてよかったなぁ、とつくづく思います。わたしにとってエロゲの楽しみとは、
○良質のシナリオを楽しむ
○いちゃいちゃを眺める
○ギャグやエロで笑う
○日常シーンをダラダラやって癒される
○B級感を味わう
エロで笑う、ってのがちと意味不明ですが、正直わたしカミングアウトしますと、性欲なるものが病気になって以来ガクッと減りまして、今や皆無という状態。それなのに何でエロゲやっているか、というと、逆にこういう状態だからこそ、エロテキスト・絵がどういう構造・表現方法をしているか冷静に見ることが出来て、なかなか楽しい、という妙な楽しみ方をしているのです。冷静にエロスを分析するというのも心楽しいものです。ていうか結構笑えてきますし、勉強にもなります。勉強といっても実際の生活に活かすとかそういうものではなく、文章の表現というか、絵の表現というか。まあとにかく、愉快なエロは見ていて楽しいです。それも、B級お笑い系のものであればあるほど楽しいです。それかもしくは、ラブラブ分全開のもの。ラブラブルはこっちに含まれますね。いちゃいちゃを描くにおいて、Hは重要なファクターです。
で、先に挙げた五つの楽しみですが、どれが一番重要か、というのはあまりしたくありません。どれも大事ですし、どれも楽しいものです。このあたり、わたしがシナリオゲー傾向のエロゲーマーになりきれない点ですね。昔はそうだったのですが、今は、エロゲはそればかりではない、と思っているもので。もちろん、シナリオゲー愛好家の人をとやかく言うつもりはありません。ただ、わたしはあまりにB級ゲーをしすぎて、そのアレな味にどっぷりと浸かりきっている、ってだけで。シナリオに耽溺してエロゲを味わい、バカップルやギャグなどの日常シーンをダラダラ見てエロゲを味わう。エロゲといっても、一様な楽しみしか与えてくれないわけではありません。すべてのメディア・ジャンルに言えることですが。とにかくこの「エロゲをプレイしている感」というのが、エロゲーマーにとって何より大事な感覚なのだと思います。今更ですが。
……あ、陵辱系は趣味に合わないので勘弁ですが。これは単純に趣味の問題に過ぎません。甘党の人が暴君ハバネロを食べないのと一緒の理由です。決して否定はしていません。
そんなわけで、最近は抜きゲー寄りの萌えゲーをダラダラするのがすごく楽しいです。が、先日星メモをやって、やはりシナリオゲーもいいものだな、と思いました。今年は年明けから星メモ→キッキン→ラブラブル、とプレイしていますが、いやはや当たり年ですね!

絵を見るということ

話は脱線しますが、最近目が痛いのですよ。押しつぶされるような痛み。それに伴う頭痛・吐き気。パソコンも読書も辛い。昨日眼科に行きましたが、要するに目の使いすぎによる筋肉疲労、ということでした。持病の影響もありますが。視力も下がっていました。半年前は最高2.0あったのが、1.2まで落ちていました。十分だろって? いやまあそうなんですが。こんだけ本読んでパソコンやってそんだけなら十分なのですが。しかし、耐久力といい、見え方といい、昔に比べて低下したな、というのは実感していたのです。
酷使しすぎたんですよね。今まで、下手に目がいいもんだから、いたわることをついおろそかにしていたという。それを考えると、確かにわたしは目に対して申し訳ないことをしていたな、と思います。
少なくとも、これから先良くなることはないんです。どうせ40頃になると老眼がはじまりますし。……となると、危機を覚えた今の段階で、いたわることをはじめなくてはなりません。こうやって差し迫らないとわからないなんてホントバカだと思いますが。
というわけで、ワープロ・エロゲ・ネット・読書を控える――少なくともぶっ続けでやらない、休憩をとりながらやる――ことにし、出来るだけ遠くを見て、目薬を差し、風呂に入るなど蒸気を当て、ツボを刺激し、ストレッチをする、というように、自分の身体をいたわるようにしていかなくてはなりません。……まー、致命的な状態の手前でこうして改善に向かえているだけでもよしとしなければ。
……でもまあ、何だかんだで本は読みますし、パソコンもします。そういう人生ですから。そして、漫画を読みますし、画集を見ますし、エロゲをします。要するに、絵を見ます。これはわたしの人生においてとても大事なことです。芸術とは、創作とは、あるいは妙な回路を通って、文芸とは、ということを考えさせるもの、わたしにとって絵とはそういうものでした。子供のころから。本を読みだす前から、もとは絵を、美術をじっと見るタイプの人間だったもので。音楽に目覚めるのはずっと後のことです。絵とはわたしにとってそれほど大きい存在です。だからこそ目を酷使した原因にもなるのでしょうが。
しかし最近絵画や漫画やイラストやエロゲのCGを見るにつけて、絵は時間をかけてじっくり見るべきものだな、という当たり前の真実を改めて考えるようになりました。そうすることでしか見えてこないものがある。
例えば最近ベラスケスの絵を見ているのですが、この「画家の中の画家」の絵を「ほんとうに」見るには、色彩と構図とが完璧に合致した画面を見、一瞬のモーメントの中にある数々のベクトルに目を配らなければなりません。一枚当たりに時間をかけるのはもちろんですが、場合によっては構図や視点、筆の流れなどを紙に図式として描いてはじめて理解できる、という情報量があります。
また、絵本を読むのですが(ラブラブルの中にも、偶然絵本に対する興味深い考察がありました)、絵本における「世界没入感」は他のメディアにない……というか他のメディアとは少々様相を異にするものがあります。一枚絵をどーんと展開し、それを「語りかける」文章と合わせることにより、読者をその世界の中に立たせます。引きずり込んでいきます。そのような「物語性を持つ絵」の魔力があります。それを理解するには、やはりじっくりと絵を見る他ありません。子供ほど絵本に熱中するのは、それだけ子供がじっくり本を読んでいる証であります。……その集中力は大人のそれとは段違いのものがある、としみじみ思います。これは漫画にしたってそうですが。だからこそ我々は幼いころ読んだ絵本や漫画のビジュアル(=物語)を大切な記憶として抱くことができるのです。
それを思うに、エロゲのCG、美少女イラストにおいて、「じっくり見る」ということがどれほどなされているか疑問ではあります。美少女絵の芸術性を云々するならば、まずは我々自身が絵を見て「うわっ萌え!」と条件反射するに留まるだけでなく、ひとつの「絵」として、自分がなぜそれほどまでにその絵に惹かれるか、素晴らしいCGならば、なぜ、どのように素晴らしいのか、という、執拗にして論理的にして直感的な考察こそが必要なのではないか、と思います。
美少女絵に関して語られる議論といえば、「萌えるか」「デッサンの狂い」「塗り」「物語をどう活写しているか」に留まっている感があります。我々オタは、もっと一枚の絵を見るべきなのではないでしょうか? 一枚の絵に数時間かけることを、今どれだけのオタがしているでしょう。まあわたしも人のことは言えず、確かに「消費」しているのは事実であります。が、やはり「見ていきたい」と確かに思っています。
ひとつのポーズ、視点、タッチ、光、塗り、構図、画面構成、物語性、キャラデザ、そして萌え、そして普遍的「美」。我々は一枚の絵をあまりにぞんざいに扱っているのではないでしょうか? 美少女絵師は、イラストレーターは、原画家は、漫画家は、一枚の絵に死ぬほどの力を込めています。なればこそ、その熱意の表象たる絵を、まわりくどく、楽ではない道ですが、ひとつの礼儀として、そしてより絵を楽しむために、じっくり見ることが必要なんじゃないかなぁ、と、わたしは思うわけです。美少女絵の表現特性を理論化すること。どのように構図を決めているか、どのような塗りを使い分けているか。そのところの理論的考察・批評がなされないようでは、いつまでたっても美少女絵は芸術にはならず、サブカルの一領域に留まってしまうのではないかと思います。
このままじゃというわけで、ラブラブルの絵もじっくり見ます。ましてやエロゲは差分がありますから、それが与える効果というものも見ながら。……だから目を酷使するんだっての。

そんなわけで
まずは花穂ルートをしっかりクリアして、それから次にさつきルートにいきたいと思います。第一印象、正直パッとしなかったキャラなのですが、いざプレイしてみたらこれが魅力的じゃありませんか。まったく、プレイしてみないとわからないものであります。これもまたエロゲの醍醐味ですね。前情報や共通でパッとしなくても、個別でどう化けるかわからない。もっともこれはキャラに限った話ではなく、作品全体に関しても言えることですが。
……にしても、毎回のことですが、もっと文量少なくしてサクッと更新した方がいろいろといいとは思うんですがー。
(続く)

●本日のBGM:ベートーヴェン「ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 作品47 『クロイツェル』」(ジノ・フランチェスカのヴァイオリンとロベール・カザルシュのピアノ。ヴァイオリンとピアノの殴り合い的一大傑作曲。この怒涛の弾き倒し感。またもや投げ売りされていた中古レコードを救済事業感覚で買ってきました。ちなみに、グレン・グールドベートーヴェンのピアノ・ソナタ集とのニコイチのセットでした。それで400円。だから中古レコード漁りは止められない)