この度、新しく【とうめい都市】というバンドを結成しました。 メンバーは synthesizer.eriot synthesizer.yura(Alice kitela) synthesizer.azuki(深海600m) Dr.わったん(FaRange) の4名です。
— 村岡 龍之介 (@azuki_600m) 2014, 1月 7
シンセサイザー3人+ドラムという編成です。ジャンル的にはよく分からないですが、昨日のスタジオでできた【N.Y/N.Y】という曲の一部分をアップしました、良かったらヘッドフォンして聴いてみてください。 https://t.co/M104kPnOR2
— 村岡 龍之介 (@azuki_600m) 2014, 1月 7
11月くらいから水面下で進めていて現在3曲あって、春頃にはライブできそうなペースで進んでます。深海600mとは全く違う事をやってますが、とうめい都市もよろしくお願いします。頑張っていきます。トリプルシンセサイザー!!!
— 村岡 龍之介 (@azuki_600m) 2014, 1月 7
深海600mのキーボーディスト、村岡氏が、新しいバンドを組んだということで、音源を聞いてみました。
(筆者、まえに深海600mについてはこういう文章を書いたことがあります)
なんとトリプルシンセサイザー!+ドラム
シンセは村岡氏、eriot氏、yura氏
ドラムはFaRangeのワタナベ氏です。
え、低音部がないの? と、編成みて一瞬思いましたが、音源きいて、ちゃんとベースラインはあります。
当然ですよね……シンセにどれだけプリセットベース入ってるってはなしです。
あとそれから、鍵盤の左のほうとか……
また、yura氏のバンド、Alice kitelaを調べてみたら、氏はシンセ兼コーラス兼ギター、ということで、ギターを弾いておられるのですね。
で、この編成、どこまでがギター(ギターシンセ音)で、シンセ(鍵盤)だかわからない面がありまして……まあ、もっとも、そのような繰り言をいっていても仕方ないですね。
どのような見地からみても、これはシンセサイザーミュージック……EDMというよりは、実験音楽というか、ある種のミュージック・コンクレートというか。
それはギターをフィーチャーしていない、という意味ですし、ギターロックではどう転んでもない、ということでもあります。
じゃあ……単なる実験か?
そうとも言いきれない、というか、この音源(まだひとつだけですが)には、明確な世界観があるのです。
それは、殺伐とした都会の音響。
わたし(筆者)は、この音源を、先日聞きました。
一聴して、ひどく感じいったので、以下、そのときのファーストインプレッションのツイートをまとめます。
村岡氏らの新しいバンド「とうめい都市」の音源を聞きました。https://t.co/G23eyH8ipM これすごいですね。一発録りのラフな音像のようで、音づくりが非常に練っていますし。あえて音色を「割って歪ませて」なのが、サツバツ都会感!世界観Zazen boysに通じますよ。
— 残響 (@modernclothes24) 2014, 1月 25
【とうめい都市音源感想】ワタナベ氏(ex.FaRange)@wwattamm のドラムが素晴らしい。バッシャンドカドカな豪快さ、しかもキレがある!FaRangeではタイトさがクールなプレイだったけど、この煽り感は、また新たな感じで素敵。
— 残響 (@modernclothes24) 2014, 1月 25
N.Y./N.Y.というタイトルが村岡氏のツイートによれば冗談みたいなつけかたなのですがw(ワタナベ氏がアメリカ人っぽかったから)、しかし真面目に考えてみて、NYパンク~NYノー・ウェイブ的感覚すらも非常に通じる都会感、歪み感があるのですこの音源。パティ・スミス、テレヴィジョン
— 残響 (@modernclothes24) 2014, 1月 25
さらにはワタナベ氏のドラムをトーキング・ヘッズの「都会アフリカ・ファンク」の文脈で語ってもいいですし(ああ、FaRangeをその文脈で語ってもよかったのだ!)、さらにはこのささくれ感はノーウェイブ(ジェイムス・チャンス、ギャングオブフォー)を通過しつつ、ソニックユースにすら……
— 残響 (@modernclothes24) 2014, 1月 25
さんこうおんげん:ジェイムスチャンスhttps://t.co/DBQ4rofSdx ギャングオブフォーhttps://t.co/diFfhCHFA6 いや、こういう音色というのじゃなく、都会的殺伐感覚という意味で。甘さよりもささくれ度という点で
— 残響 (@modernclothes24) 2014, 1月 25
【とうめい都市】おそらくこの揺れエレピは村岡氏@azuki_600m なのだろうか。未確認飛行物体でこの手の音をよく聞きましたし、村岡氏のシグネチャーっぽい感じがします(まちがってたらごめんなさい)。絶妙に歪ませつつ揺れものエフェクターかけてるのかしら。
— 残響 (@modernclothes24) 2014, 1月 25
で、簡易RECというのだけど、この都会サツバツ感の表現は「ライブ録音」が最上なのはいうまでもない的な意味で、あまり作りこんだREC環境じゃないほうがいい、と思った、というのはわがままな感想でしょうか。ドライでデッドな音響が、逆によく感じたので。
— 残響 (@modernclothes24) 2014, 1月 25
で、この方向性がさらにマシーナリーな方向にいったら、NINやミニストリーこえて、ノイバウテンなんですよねhttps://t.co/gE9NrkqzqE とはいいつつも、「ジャンク・ミュージック」の方向性を向きつつあることを承知しつつも、殺伐都会感を第一に受け取ったもので……
— 残響 (@modernclothes24) 2014, 1月 25
うーん、とうめい都市、この方向性で、第二、第三と、音源作っていってほしいです!(感想文おしまいです)
— 残響 (@modernclothes24) 2014, 1月 25
未確認飛行物体、というのは、村岡氏の前に組んでいたバンドです。
(ちなみに、未確認飛行物体について、筆者、前に文章を書いたことがあります。解散後ですが……)
わたしがくどいくらい「サツバツ都会」と書いたのは、この音源には、「そのような感じ、空気、響き」が、すごくするからです。
それを比較検討したくて、さまざまなミュージシャンを援用しました。
で、先日、FaRangeのレビュー第二弾を書きましたが、あのレビュー、というかFaRangeの特色が「都会の洒脱」だと思ったのですが、とうめい都市のそれは、「都会の殺伐」だと、勝手にわたし、思っております。
じゃあ都会の殺伐とは何か?
あるいは、都会のサツバツを描く音楽とはなにか?
それを、いま、HPのほうで(こちらです)、ひとつの論にしようと思って、万年筆を走らせています(最近、残響は万年筆と紙で原稿を書いているのです)
NYパンクから、ノー・ウェイブから、ザゼン・ボーイズまで、みたいな感じで。
もちろんとうめい都市の個性について書くことが第一ですが。書きますよー。
今回のこの記事は、まずはファースト・インプレッションとして、アップさせていただきました。
まだとうめい都市の音源……とくにレイヤーの重ね方について、考えが至ってなく、また、殺伐の系譜についても考えがまとまってないので、今回はここで。
それにしても……この、ザラついて、硬質で、美しいけど、モノクロの世界で、機械的で、しかしやはり音楽として良い、このとうめい都市というプロジェクト/バンド、個人的にはまだまだ続けていってほしいですね……
FaRangeの都会感覚とは違う、冷酷さと硬質さの都会。
そう、それも都会。
誰も助けてくれない都会。
自分のなかでは、都会、という軸をして、対になってる感すらするのです。
追記:村岡氏がこの一連の感想ツイート読んでくださっていて、わたしが「村岡氏のパートはエフェクター使っているのかしら」的なことをいったところに、
「いや、使ってないのですよ」と、事実誤認を訂正してくださいました。
あのエレピは、プリセットのエレピだそうです。失礼しました。そして村岡さん、ありがとうございます。