残響の足りない部屋

音楽旅行と模型人生と愚にもつかないジョーク

道草パレット「北海道コミティア遠征レポ」感想

旅行記漫画同人サークル「道草パレット」さんの新刊を通販で買いました。今回の記事はその感想文です。

新刊「北海道コミティア遠征レポ」

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これまで購入した作品(1)

これまで購入した作品(2)

道草パレットさんは、サークル主宰のみどり氏がこれまで旅したヨーロッパの国々や、各地のコミティア(創作同人誌即売会)参加記録を、楽しく旅日記レポ漫画の本にしていらっしゃるサークルさんです。

 

私(筆者)は以前、第1回ナレッジガレージ(「在野研究」テーマのオンライン同人誌展示即売会)で道草パレットさんを知り、そこから同人誌を集めるようになりました。

漫画の丁寧な画風からは端正さと楽しさが伝わります。なんと言っても旅の主人公みどり氏が旅を楽しんでいる心持ちが伝わってくる内容なのです。

とくに、異国(欧州)の旅先ではトラブルもありますが、そのトラブルの中でもみどり氏が異国の人情に触れてほっこりすることなどもあり。基本的にそういう旅や人々のポジティヴさ&爽やかさに着目して漫画を描かれているので、読み心地がとても良いです。

あと、みどり氏本人が手掛ける「本」としての同人誌デザインが、とても洒脱で洗練、すっきりしています。

 

●同人イベントへのいざない

さて、今回の新刊の内容は、北海道コミティアと札幌旅行です。2022年6月の夏の北海道コミティアと、2022年12月の冬の北海道コミティアの2回参加の様子を纏められています。

まず、北海道コミティア会場までの簡単な道のりやイベントのあらましなど丁寧に紹介されています。これは毎回の「●●コミティア遠征レポ」の通りですね。こういう情報は、私がいつか地方コミティアに遠征した時に役立つッ、確実にッ、と今から勉強させて頂いています。(去年、まんがを描いたので九州コミティアに出るつもりだったけどコロナ禍で断念)

勉強させてもらう、といえば道草パレット作品の特筆すべきコーナーとして「サークルスペース設営」の様子が丁寧に紹介されていること。というのも道草パレットさんは「サークルスペースの作り方」という設営本も出しているからです。

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続刊「サークルスペースの持ち物」も大変勉強になりました。
私も同人音楽サークル・8TR戦線行進曲でM3(音系・メディアミックス同人即売会)に何度も出て、少しずつ設営や持ち物にも慣れてきていますが、まだまだ洗練とまでは言えない状況。
みどり氏は実例を沢山挙げてサークススペースの活用方法を教えてくださるので、「ああ、うちもこうして調整すればもっと良くなる…」と勉強しきりです。とりあえず次からはコイントレーを用意します。

そう、道草パレットさんの国内コミティア遠征レポを読んでいると、同人即売会に参加したくなってしょうがないのです。
実際に会場に足を運び、作品を頒布する。参加者とお話をする。「創作」を軸としたあの喜びの熱気…!

コロナ禍になって、私のサークル8TRはオンライン頒布のみになりました。もちろんこれも楽しかったです。作品を作ることで自分が腐らずにも済みましたし。
でもそろそろ、再びあのイベントの場を体感したい、とも思うのです。こういうことを思わせてくれるのも、道草パレットさんが精力的に同人イベントに実際に出て作品を発表されている方だからですね。作品とイベント参加から、熱が伝わるのです。

 

●旅へのいざない

「●●したくなる」といえば、道草パレットさんの作品を読んでいると、当然ながら「旅に出たくなる」のです。もちろん、作品が良質な旅行記だからですね。

 

北海道には私も旅をしたことがあります。畏友を訪ねてのオフ会旅行でした。

北海道旅行記(1日め、北海道到着編) - 残響の足りない部屋

北海道旅行記(1日め夜) - 残響の足りない部屋

北海道旅行記(2日目、昼) - 残響の足りない部屋

北海道旅行記(2日目夕方~夜、3日目帰宅、最終章) - 残響の足りない部屋

なので今回の本の札幌観光、「行ったこと&食べたことある!」の連発でとても楽しかったです。六花亭のバターサンドはまじでうまい。大通公園は「都会の只中がこんな風に広い公園があるのっ」と思いましたし、ジンギスカンはうまい。新千歳空港は広い&飛行機までの暇を潰せる。悔やむことがあれば、もっとセイコーマート(北海道のコンビニ)を探検しておくべきでした。

しかしこういうディテールに富んだ旅行記を読むと、空腹時のジンギスカンレベルに「旅に出たい」欲望がむくむくと湧き出てきます。「いつもと違った場所」に行きたい。移動をしたい。旅情を感じたい。ああ、旅情…サービスエリアの寂しさ…(夢想トリップ)

 

というわけで、今回も作品を楽しく読ませて頂きました。同人イベントと旅情への憧れは募りますが、こうして楽しいレポ漫画を読むと、イベント&旅への憧れが健全に育っていく、といいますか。
やはりあれは良いものであったし、イベント&旅を楽しんでおられる旅人を見ると、こちらも楽しい気持ちになってくるなぁ、と勝手ながら思います。

道草パレット・みどり氏には、これからもいろんなところに旅して頂いて、旅のお話を本という形でお裾分けしていただけたら…と思うのでした。ありがとうございました。