残響の足りない部屋

もっと多く!かつ細やかに!世界にジョークを見出すのだ

●モロー漫画、粋人、倒産

http://drmoro.at.webry.info/

DR.モロー氏といったら、年季の入ったオタなら知ってるか
と思いますが。
ああ、あの同人の生き字引、みたいな。
いや、それだけで氏の業績をフルカバーできるとは申しませんが、
それでも、そのような呼称が、すっと自然にできてしまう、というのは、
なかなかないものです。同人のいろんなとこ見ますとねえ……(望遠

つまり、ある程度以上のベテランオタにとっては、
モロー氏は「コミケの良心」であり、「永遠の粋人」
な感じで、いつも飄々と漫画を描かれている……そんなイメージ。
そんなイメージ、少なくともわたくしがオタ全盛期だった十年前には、すでに大家としての風格がありましたから、
どれだけの長さ、どれだけの年月……
そして、氏の、どれだけのお人柄あってのことか、みたいに思い、わりに常々敬服していた残響さんでした。

「え、こんな意外なとこで仕事してるの?」
みたいに、わたくしがたまたまとった本で、突然バッティングすることが多く、
かといって、いつものモロー節がなくなることなく、
かといって、掲載紙に浮くことがなく。

これは上記のリンクの、モロー氏公式ブログの、フレキシブルな更新の日記漫画をお読みになられればおわかりになるかと思いますが、
まー、ベテランだけあって、漫画がうまいうまい。
絵柄のミニマル・ミニマムさもですが、セリフ、落ちのつけかた、画面構成、嫌味のないタッチ……そう、ネームが、光っている!しか

し押し付けがましくない。それが氏の「粋人」たる所以です。

……その、氏が、こんなことになっているとは……。
今日はじめてしりました。
で、この漫画、全部読みました。

なんのことかって?
モロー氏のご実家の会社、倒産されたのですよ。

このweb漫画は、その顛末だのを面白おかしく、日記漫画にしています。わりに変則的な4コマ。
ココロをえぐるようなタッチでないのですが(そこが力だ……)、悲惨さも感じさせないのですが、
そのあれこれが、漫画として、物語として、ネタとして、面白い。
しかしその面白さの根は、状況はマジでガチ、ということによっているのが、ちょっと考えればわかりますから……怖い漫画ですよ。

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で、だ。

わたくしがこの漫画、やたらと共感してしまったのは、
ウチ(の家業・仕事)が、倒産とまではいかなくても、「なんだかなー」なマイナス感じになっているからでして。
このままじゃ倒産する、とまでは申しませんが、「この漫画に学んで気を引き締めないと」と思うくらいには、キツイ。

……あるいは、モロー氏が、先達として、この漫画で描かれているように「生きてくれた」からこそ、
自分の身の振りようを考えることができた、というか。
なんでえ、お前、人の不幸をありがたがってるんじゃねえよ、的なご指摘はごもっともで。
それについては、なんら否定しません。言い返しません。実際、失礼な学び方してるわけですし。

ただまあ、それは置かせてくださいよ。
いまはわたくし、「これからどうするか」を、もっともっと考えなくてはならないので。
いえね、今年度四月から、ずーーーーーーっと、毎日毎日、そんなことばっかりを考えてて、胃が痛くなってるのです。

状況がだんだんガチになっていって、
生活をシェイプアップするのをつとめるようになって、
なりふり構わず、さまざまなアクションを起こすようになって。
ついには、自分の文学的理想とは別個の「売れる小説」を書くようになって。

……そんなあれこれが、読んでて、重なってしまったのです。

じゃ、おまえさん、どうすんの?
それがわかってたら、苦労はしませんわな……
考えることが、脱出への手段、とは知りつつも、
下手に考えすぎて、身動きとれなくなってるのがいまのわたくし。
いっそ「バカになれ!」って歌がありましたが、それのほうがまだベターなんじゃねえの、とか。

うぐぐ。