前回の日誌ーッ ↓ (1)
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相も変わらず、オリジナル世界観の創作漫画第2弾「仙境ヤマナシ旅行記」を描いています。吸血鬼・セリゼが、ハイカラ和装少女(仙人)とヤマナシで出会い、とぼとぼ傷を舐め合う昔話です。
漫画を描くにあたって、作画で気づいたこと(TIPS)を言語化して書き残しておくことは、画力向上のために有意義だな……と、改めて思います。上の日誌前回分でも思いました。そんなわけで今回も漫画についての覚え書きです。
ところで、資料大事ですね。作画資料。写真にせよ、画法書にせよ、現物にせよ。実際のところ、今まで自分が絵を描けなかったのは、事前に資料を用意していなかったから、っていうのがめっちゃ大きいと、最近気づきました。
自分の頭の中を、そのまま画面(紙)に寸分違わず出力出来れば、そりゃ絵は簡単に描けるでしょう。しかし、そういう「脳内かんたん絵画出力」が出来る人は、むしろ少数派なのではないか?と思うのです。少なくとも自分は出来ない。目の前に資料がないと、構図ひとつ取れない。ディテール?言わずもがなですよね。
しかしこれは救いのある話です。目の前に資料があれば、どうにか画面(紙)に絵をでっちあげることが出来る……かもしれない。少なくとも、その確率はかなり上がる。それは、格好はよろしくないですが(スラスラーッと脳内出力で絵が描けるような人を神絵師と呼ぶのです)、それでも、資料さえ用意すれば、まがりなりにも絵は出来る……でっち上げることが出来る。これは大変救いがあります。
さて、今回の漫画「仙境ヤマナシ旅行記」。話のお相手の少女、「ハイカラ和装」と申しました。もうちょっとこの少女の設定を出してみますね。
・リボン+ポニーテール
・呪符付きの登山用リュック
・柄ものの着物、袴
・編み上げブーツ
それを、ビジュアルにしてみるとこうなりまする。
設定画はこんな感じです。おわかりでしょうか。この作画カロリーを。誰がこんなキャラデザした?(おれだ)
とりわけやばいのは着物の柄。こいつの上半身が出てくる度(頻度高し)、毎回花柄をちまちま描かねばならないのです。これはやばい。Gペンやミリペンが唸るのですが、「ちょ……ちょいタンマ」を最近発するようになりました。腕が。腱鞘炎にまではいっていないですがね。
しかしそうであっても、この花柄着物、作画資料があるから、上記のように話が楽になっているのです。そりゃ自分の作画力はダメダメなので、麗しい着物の美が表現出来ていやしませんが、それでもわたし(作画者)自身が実際に描くにあたって、実物を常に見て描くことが出来ているから、精神的ハードルは低くてすんでいるのです。
これが、その作画資料の「人形用きもの」なんですが。
もともとは去年の年末に、いつもお世話になっている呉服屋さん経由で購入させて頂いたものなんです。自分の模型人形(改造FAGとか)に着せたり、インテリアとして使ってみようかなぁ、という目論見で。
ところが、今回の漫画を描くにあたって、着物キャラが出てきた。そうしたらこの人形用着物が、凄い作画資料になってくれたんですよ。当然ですね。
今回、というか以前よりお世話になっているのが、この岡山の呉服屋さん「笹井呉服店」さんです。
わたくし(作者)と、この笹井呉服店さんは縁がありまして、以前も浴衣や帯を購入させて頂いたりしたのですね。なにしろ和装のことを何も知らないズブの素人たるわたくしでございましたが、アフターフォローも含め、とても丁寧に対応してくださり、勉強させてもらっています。
「趣味のきものと帯」の店、と仰っているだけあって、ハレの日だけでなく、毎日の生活においても「趣味のきもの」がある和装生活の豊かさを発信されています。自分がきものを、「毎日の生活の中で着よう」と考えるようになったのも、このお店の在り方・佇まいによるものが大きいです。
また、ホームページの着物紹介コーナー「たのしく着物」コーナー内「袴」カテゴリは、今回の漫画を描く上でめちゃくちゃ参考になっています……。絵や漫画で和装を描く人はぜひ見ましょう。
明日、2/19(土)から2/21(月)まで、「2022 春のきもの市」を開催されていますので、岡山近郊の方はぜひ行ってみましょう。くらえこの日記ブログのダイレクトステルスマーケティング!(上品じゃないなぁ)
縁というのは大事なものです。今回、楽しく着物を描いたり、人形に着物を着せようとしているのも。また、自分が和装をしてみようと考えているのも。こうしてお店と繋がりがあって、毎日の生活を楽しくすることが出来ています。
モノ(着物)を通じて、生活を豊かに出来るというのは、良いことだなと思います。あとは、自分が作画資料を通して、作中できものを美しく描ければ、万事よろしいのですが……(言うはたやすい)