おひさし。待たせたな!
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そんなわけで最近聞いている音楽音響fav(お気に入り)シリーズです。
THE NOVEMBERS「救世なき巣」&ヤニス・クセナキス
日本のノイズ、シューゲイザー、エクスペリメンタルなオルタナロックバンド。2014年アルバム「Rhapsody in beauty」よりドローンノイズ曲。
しかし曲タイトルを一目みて「クセナキスかよ!ヤニス・クセナキスかよ!」と。こちらは数学のアプローチを用いて構築的な現代音楽を作曲した大家です。
考えてみれば、クセナキスの電子音楽アプローチも、音響も、金属的ポリリズムも、こうして並べて聞いてみれば、ノーベンバーズに通じますね。
普通だったら代表作「プレイアデス」をここで貼り付けるんでしょうが、ノーベンバーズのこの曲と対比させるのだったらこっちかなぁと。ノイズ、音響、孤高さの艶めかしさ、ポリリズム。
ノベンバが現代音楽にも通じている、っていうのは驚きはしませんが、しかしこうして「救世なき巣」を聞いてみると、空中に浮かぶ巨大建築、みたいなものを幻視してしまって。それは建築家でもあったクセナキスと、意識を同じくしているように思えます。現代音楽をただ奉るだけじゃなく、今を生きる音響ノイズ音楽として継承するという。良いな……ノベンバ。
バッハ「リュートのためのソナタとパルティータ」
最近こればっか聞いてるな……。バッハのリュート曲です。なんとも落ち着きます。いや、Lo-Fiという文脈で聞いてはいませんがw
でも「世界の静謐音楽」の文脈で聞いています。こないだ出た世界静謐曲コンピBar Buenos Ailesシリーズの9作目「bar buenos aires - Otono」買いましたよ。このシリーズとも長い付き合いになりましたが、相変わらず良い感じで聞いています。
CAPSULE「空飛ぶ都市計画(2021リマスター)」
最近、過去作のリマスターをドカンとyoutubeにupしてくれているCAPSULE。実は聞いてこなかったのですよね、CAPSULE=中田ヤスタカ。Perfumeにもきゃりーぱみゅぱみゅにもピンとこなかったもので。でも彼の「本隊」たるこのユニットを聴くと、良いんですよ。今さらですが。
ダフト・パンク直系のエレクトロを演りつつも、渋谷系の洒落たニュアンスをあちこちに取り入れていて、「エレクトロニック・ラウンジ・ミュージック」みたいな独自のちょいレトロなテクノを演っている、というコンセプトがとても良い。時代を意識しつつも、「それはそれ、これはこれ」という感じでちょいレトロ路線。趣味的テクノ、とも言えるこの音が良いです。
パソコン音楽クラブ「Panorama」
よ、良さみ……。
テクノで、路上観察的に在りし日の郷愁を奏でるユニットです。これまではニュータウンみたいな「忘れ去られつつある都会」を描いてきたこの倶楽部ですが、今回はちょっと外に出て……アルバムのジャケットのように、都心部をちょっと離れて水族館へ、って感じで。そんな内省的で、寂しくて、でも閉塞的でない空気感が良さ。
The Moment of Nightfall「Light is Beyond The Nostalgia」
カセットで本アルバムを買いました。
名古屋から宅録/インディーポップ/カセットテープを出す、Galaxy trainレーベル。そこから音源を出しているRed Go-CartやPervencheらのメンバーが組んだ別バンド。
内容としては、ドローンでアンビエントフォークな音響。コーラスワークを重視しているアンサンブルで、野原の静謐な自然の空気感の中、男女コーラスを豊かに重ね、響かせ合っています。どこかの野原での平和な安らぎを幻視します。傷ついた者たちがようやくたどり着いた、って隠れたニュアンスもないわけでもない。でも陰(いん)はない。野原の、泣き笑いじみた、音楽の静かな喜びがあるだけ。
ザ・リーサルウェポンズ「デンジャーゾーン」
ま、前の曲との世界観の落差がッw
しかし彼らがこの曲を演るのは、あまりに似合っている。耳について離れない。日本語訳詞(超意訳)も最高です。やはりポンズは最高であります。そろそろ出るアルバム買うぜ!
1800年~1850年のロシア作曲家によるギター曲集
凄く枯れて、寂しくて良い感じです。これも「世界の静謐音楽」文脈ですね。しかし気を抜いていたら、バラライカ直系のロシア速弾きトレモロフレーズが出てくるw それも含めて、豊かな音楽聴き体験です。
上海アリス幻樂団「Tabula rasa ~ 空白少女」
幺樂団。いわゆる東方「旧作」と呼ばれる作品群、FM音源時代の曲を良く聞いています。chiptune文脈というのもあります。20年たってもまだ東方を聞いている。いや、まだまだ発見は多い。とても多い。リアルにビビッドにとても多い。ただ懐かしいだけで聞いているんじゃない。東方の、ZUN氏の曲は。この曲だって、かわいい系のちょいバラードなプログレとして聞けるもんなぁ……。