残響の足りない部屋

もっと多く!かつ細やかに!世界にジョークを見出すのだ

地政学の視点から見る咲宮市地方都市論、序説ーーPretty×Cation2レビューメモ(1)

※この似非地方都市論は、hibiki works「Pretty×Cation 2」の舞台、咲宮市を、作品ファンの一人(ぼく)が勝手に妄想論考を加えたものです。この地方都市は、実在しませんってば)。で、この考察は、いずれ自分がプリティケ2のレビューするための資料であります。

 

 

Pretty×Cation2の舞台は「咲宮市」という地方都市だ。
この舞台は、およそ早い段階から「地方(非東京、非大都市圏)」であることを積極的に明記する。
このあたりのコンプレックス的な言及は、まさに地方都市の抱えるコンプレックスと同一である。……が、登場人物は、みなこの町を愛している。当然であろう。これはイチャラブゲーであって、町のKAIZEN物語ではないのであるからして。

で、このゲームは、いわゆる紙芝居形のゲームとは違い、インタラクティヴな「アイテム」だの「ステータス上昇」だのを積極的に用いてゲームを進めていく。
とはいうものの、自分は「いわゆるゲーム」ってもんが得意でなく、easyモードでもってプレイしちまった人間。だからこのゲームのステータス上昇とかアイテムとかの「攻略たのしさ」については言及できない。

ただ、「舞台=箱庭」としての咲宮市は、いささか言及したい。というのも、自分が地方都市に他所うなりとも関わっている人間だからだ。
地方都市には、地方都市のコンプレックスと、「なんだかんだで暮らしていける」強みがある。ただそれも、結果的に経年劣化で、「永遠の安寧」にかげりが見えてきているのは、全国共通だと思う。
プリティケ2の咲宮市は、平和にこれからも過ごしていく、という展望を見せているが、その展望を子細に検討していって、現実のそれと比較し、「地方都市」とはなにか、そして「地方都市での人間関係」とはなにか、をラブストーリーを参照軸にしながら語っていきたいと思う。

 

●弱みを強みにーーウォーターフロントにして、山間地域の咲宮市(1)

 

この町の地図はざっとこのような感じで。

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さて、地理的側面から話せば、この町は南に湖、北西に山がある、という地形で、いわゆる「湖畔」である。
それをデメリットから話せば、先だっての広島土砂災害のようになる。
水が近く、そして山林が近い、ということは、ひとつ山林管理を間違えば、大災害にもなってしまうということだ。
当然、水まわりの災害もである。湖畔は海ほど危険度は高くないが、それでも大雨での水位上昇は問題。

もっとも、山林管理ということでいえば、近年に至るまで「山が問題」とは言い難かったであろう……「自然産業」面では。つまり、昔からこの土地のひとびとは、山から獣や木材などの恵みを得て、湖から魚などの恵みを得て、という自然=産業の循環が、この地に住んでいるごく少数の人間には成り立っていた(ごく少数、と書くのは、この町が新興地方都市だからだ。いっぱいいたら、そりゃ古都だよ)

ただし、近年の自然破壊は、山林地域を荒らしていく。これは、この土地に地方都市を構えるにおいて、致し方ないところではあった。だが、山の景観は当然崩れ、生態系も変化していく。

湖にしたってそうだ。近年のフィッシングブームによる、ブラックバスの放流。これが生態系をくずすことは、よく知られていることだろう。従来の鮎やイワナといった淡水魚が、どれだけ減ったことか(それは二次災害として、淡水魚食文化の衰退にまでつながる)

山を治め、水を治める。これがこの地域に住む者の第一条件だった。

さらに、今でたように、この町は「地方都市」として開発された町である。新しい町だ。
首都圏から離れ、地方のひとつの市として穏やかに暮らすまち。……というか、この山に囲まれ、湖が近くして、という地理的条件(とくに山はおおきい。山だけに)により、この咲宮はいわゆる大都市中心型の商業の「中心地」としての発達は見込めない。最初から。あたりまえながら。

そのような地方都市が辿る道は、案外少ない。
1)ベッドタウンとしての道
2)産物を生かしたオリジナリティ

まず、(1)の道は閉ざされている。ベッドタウンとしての流動性が高い地域ではないからだ。それほどには、都会は咲宮は近くない。
簡単にいえば、「埼玉→東京」や「奈良→大阪」のように、電車で30分あたりそこらでサクっと都市圏にたどり着くような簡便さではない。
では(2)の産物を生かす道か? だが考えてもらいたい。咲宮は「新しく作られたまち」だ。産物があったら、もっと昔からの古都になっているだろう。そうでないからこそ……ただ面積があったからこそ、小規模都市開発がなされたケースなのだ。ようは、人を住まわせるだけの地方都市。

とはいうものの。そういう地方都市であっても、発展……商業の発展、を目指さなくては先はない。ゲットーとまでいわなくても、地方都市の内部で経済が循環せねばならぬ。雇用の促進を第一にして、その他すべてにおいて。

じゃどうするか。「アリモノ」を使うしかない。そこで、咲宮市が取り組んだのは、まずウォーターフロントの整備とブラックバスの「B級グルメ化」であった。この二点は期を等しくする。マクロとミクロの両面においての、咲宮の商業の整備と発展である。

(つづく)

北海道旅行記(2日目夕方~夜、3日目帰宅、最終章)

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●テレビ塔、夕方あたり

長い……長い旅も、これにて終わり。という感慨を感じてきた。
そんなわけでテレビ塔。北海道シンボル……? 高い鉄塔に登るのだー!

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……の前に、非常に肉を焼くスメルが漂ってくる。ああ、この時間(だいたい3~4時)というユルい時間から、ジンギスカンで酒盛りですか……。いい人生だ……
しかしいい人生ということではこちらも負けてはいない。なんてったって5、6年越しのオフ会なのである。
Nagaleさんの先導のもと、塔を重厚なエレベーターで登る……登る……。そしてさらに上に行けるとのことで、Ah!エレベイターガァルとともに乗る! すげえ…久々だぜ……。

しかしまあ。
このあたりの時間になってくると、だんだん「ああ、もう旅もおしまいになってきたかな……」というスメルがぼくのなかに漂ってきて、手にしたブツも、おみやげ的なものが増えてきている。
折しも夕暮れ。北の国の夕暮れは、藍色だった。どこまでも抜けていく硬質な空に、北の風が吹き抜けていく。
遠くまできたなぁ、という感慨と、でもその遠くさを無化さすインターネット。そしてその結びの縁がもたらした、今回の大遠征オフ会。いろいろあった……
と浸りングしていましたが、当然ながらいろいろ手配してくれたのは、エロゲ師匠たるNagaleさん。横に行るこのお方さ!

しみじみしているから、もっと思い出話をしよう
前回の諸子百家で結構書いたけど、このお方とのつきあいは長く。かれこれ十年前、自分がエロゲの道に踏み入れたころ、方々のエロゲレビューサイトを巡って……ふと、ずいぶん居心地のいいサイトを見つけた。それが、今もデザインが変わらぬ、Nagaleさんのサイトであった。

あのころの自分は、ネットに足を踏み出して、「ここに最前線がある! 表現の、文学の、もろもろの……!」と信じていた。ようは、オタク文化とか、アングラ文化とか。そういった今まで知り得なかったものが、続々とこのインターネットには集積していた。
と、同時に、それは「DIY」の文化でもあった。自分がひとつのサイトを築き、その一国一城の主となって、自分が「これぞ!」と思えるコンテンツを、みんなの前にこっそりと置いておくスタイル。(そう、あの時期のインターネットは、実にこっそりであった)
ネットが、まだ個人の観測範囲で、おおよそを見通せた時代だ。
で、自分は……ネットユース(ネット使用)をする際に応じて、なんか「導き手」みたいなのがほしかった。まだ俺もオタクとして、存在を確立していなかったし、個人としても……(まだ学生だった)。

Nagaleさんのサイトは、そういう意味で、「まだ俺が知らぬたのしい文化」を伝えてくれる、と同時に、「まだひよっこの俺を導いてくれる優しさを持ったサイト」だった、ということなんである。
 恩がある。
ライアー推進派として、さまざまな嘘屋ゲーを紹介して、ときにバグに憤ったりと。
アリスソフトや、葉のゲームの魅力を語りつつ、そのファン歴のなかでも、いろいろな経過があったということ。
ある意味、自分のオタクライフの先輩……でありながら、その態度は「ブッヒイイイイイイ!」のそれではなく、いたって全うな大人のそれ。レビューも冷静にして、ユーモアのある面白味。
あこがれましたわな。そのあこがれゆえに、当時掲示板でイタイコメントをやってしまったことも。

……そんなわたしが、一時期オタク文化から離れた。ということは、Nagaleさんのサイトからも。
Nagaleさんは何も悪くなく、ただ自分が、オタクの……なんちゅうか、「知識量ゲーム」についていくのがイヤになった、ということ。
あの時期、Fateデモンベインといった、「過去のオタ知識に立脚するゲーム」……衒学趣味なゲームがやたらと出てきた。それに対してオタクたちは「え、こんなのも知らないの?」という嘲笑を、知らない人に対して浴びせかけていた。そのオタク的イヤラシサが、自分にとって、非常にアレだった……再三言うけど、Nagaleさんはそれに組さなかった。

で、自分のオタクブランクが始まる
5年くらい。ぼくのこのツイートは、そういう意味である。

 

 

でも、ようやくそれが抜けてきて、戻ってもいいかな、と思えるようになった。そこで……Nagaleさんのサイトを思い出した。
今もやってるのかな……やってたよ! レビューはされてないようだけど、日記は欠かさず更新されていた。
メールで、コンタクトをとった。打ちあけ話もあったし……そして、なんと、ぼくのことを、こんなにブランクがあって、というに、覚えてくれていたという!
そこから、「第二次」のNagaleさんとのおつきあいが始まって……今のオフ会に至る。

 

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……ずいぶん、長く思い出話をしてしまった。

ともかく、そういうひとと、歩みをともに……いや、ときに離れていたこともあったけど。しかし、今はすごく親しくつきあっているわけで。
人生不思議なもんやななぁ……
……と、テレビ塔のてっぺんから町を上から見下ろして、ふと思ってしまったのです。
以上のように「文章」で思ったわけでなく、その当時当時の映像がフラッシュバックした、って感じかな。でもぐっとくるものであります。ここで、当時の音楽……そうさな、「夏影」なんか流れたら泣いていたかもw

www.youtube.com

 

●夕食ジンギスカン

サッポロビールへGO。
この旅のメイン約束のひとつ……そう、「ビール園でジンギスカン食いましょう!」を果たすのでありました!
いったん荷物をホテルに置いて、タクスィでもって、ビール園に乗り付ける。
で、人を待つのです。
Dr.RAVEさんを。
このお方は、自分が先に述べた「ブランク前」から、Nagaleさんのサイトの常連……というかNagaleさんのリアルご友人、というかたです。自分も折りにふれてお世話になる趣味やPCの玄人。
お仕事が押しているのか、ちょい遅れるそうで。そんなわけで、ビール園を散策してみんとす。

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いやぁ、しみじみ……蒸気機関車って、本当にいいものですねぇ(あの口調
まさかここで実機にふれられるもんとは思っていませんでしたよ。

しかし……北海道の夜は、宵闇が違う……。どこかうすら白く、幻想的であります……この建物は、煉瓦つくりで、それをもあって、よけいに幻想的。良い……!

で、しばしの後に、Dr.RAVEさんと合流。あ、はじめまして、あ、どもども。
間髪入れず、ジンギスカンである……! 
というかなんとも、このビール園内、「肉を食うためなのだ、正義なのだ!」というような、煙もくもくにして、内装は質実剛健。光はあんまなく、レンガ造りの重さがそのまま「肉の正義」に移り変わっているような感じです。

まあ正直、食べる前は「クドいのかなー」と思っていたジンギスカンですが、キャベツとモヤシと肉を特製タレでいただく本式ジンギスカン、臭みもまったくなく、バックバック、バックバック、食う、食う、食う! 今日は肉を食べるぞー、肉を食べるぞー!の勢いで食う!

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つもる話も話しまして。懐かしいゲームや音楽の話やら。……まあ先に述べたように、ブランクをふまえたとはいえ、長いつきあいですからね……。

やがて、食いまくってもう食えん、というあたりで解散。
おお、服に羊の焼き肉のにおいがすごいぜ……俺のジャケット……。
Dr.RAVEさんとはここで分かれて、そしてNagaleさんとはホテルで分かれる。シャワーを浴びて(さすがに肉のにおいがすげい)。ベッドで本を読みながらごろごろ。
ごろごろ……ごろごろ……帰りたくなーーーーーい!!

 

●三日目、帰路


朝も早よから起きまして。今日は散歩してる暇なく、朝イチのバスで空港まで。
仕事前だっちゅうのに、迎えにきてくだすったNagaleさんの熱い友情に感謝しつつ、

残「すげえ楽しかったです……!」
N「ではまたいずれ!」

再見! 再会をまた誓いつつ、バスターミナルで別れるのでありました。
さて……空港までバスでまたいくわけですが……ここにきて、晴れてきやがった!!!
この三日間、どうにも曇り空だった有様でしたが、ここにきて、ようやく北海道に日光が! 
おいー!このタイミンってのはどうよ!
で、だんだん暖かく……いや、「暑く」なってくるアリサマ。ジャケット脱いだよ。

しかし……新千歳空港、さすがにハブ空港だけあって、広い、モノがある、店がある、おみやげ店のバリエーションすげえ、なんでもある……! あたかもエンターテイメントなレジャーパークなんじゃねえかと。
さっとカツカレーを食って、力つけて、そこからおみやげを物色物色。家族や、地元の友人に向けて、物色。そしてそこから発送。荷物かかえて旅はしたくない……。(しかし、空港に簡易郵便局がこういうふうにあるかね)

さて、そんなわけで、北海道で使った金額をメモでまとめながら(セコい……)、ヒコーキを待ち、そして搭乗

さらばだ……北海道……

 

●そんで、内地


大阪についたら、まあ蒸し暑いぞコノヤロー!
もうバスのなかでは、疲れに疲れていたので、ほとんど寝てました。それで、帰宅。おつかれさまでした。


●あとがき

 

なんというか、足かけ半年かけてこの旅行記書いてますね……怠慢がひどい! ごめんなさい!
日頃の、ついアレコレな雑務に追われてしまって、これが先延ばしになってました。
六月の旅日記が、クリスマス直前で完成するって……。

でも、そんなに時期があいてるというのにも関わらず、こんだけバリバリに書けました。それだけ、思い出深かった非日常の旅、ということで……。

 

謝礼をば。
やはりNagaleさん。このぼくの旅に、最強のツアコンとして、現地でフォローしっぱなしをお願いさしてしまって……そしてそのどれもが楽しかったです。
(私信をいうと、Nagaleさんがツアコンを仕事で頼まれる、ということ前にこぼされてますけど、こういう手続きがスムーズ過ぎる、たのしすぎる、というのが逆に評価されちゃってるんじゃまいか)
友情オフ会として。そして以前のぼくの不義理を払拭すべく。とにかく、たのしませていただきました。万雷の感謝を……!

また、Dr.RAVEさん。お時間を裂いていただき、談笑していただき、ありがとうございました。お渡ししたおみやげCD、どうだったかしら……?

北海道……雄大な大地……そして、結構のんびりした時間感覚のまちでした。
正直住みたい。だがNagaleさん曰く、「冬をおナメになりなさるな」とのこと。うーむぐぐぐぐ……。

ともあれ、日常を捨て、とてもすばらしい時間をすごさせていただきました。この旅行記で、その楽しさが伝わればいいのですが。

以上です。お読みいただきまして、ありがとうございます。

 

よーし、次は岡山だっっっっ!

エロゲーマー諸子百家(20、最終回)Nagaleさん

http://www1.odn.ne.jp/~nagale/i_autumn.jpg

 

 

ホームページ:Nagale's Homepage「岳流」

twitter:いまはなし

属性:十数年来の委員長(東鳩)、そしてメイドさん

 

●残響のエロゲ/オタ師匠との歴史


10年以上になるのかな、もうあの日々から。


ぼくは、PCというものを与えられて、このインターネッツの海に飛び込みました。
いろんなサイトをみました。今とは情報量が格段に違いますが、その分「ネット全体を見渡せる」という感じもありました。
それはエロゲレビューサイトも同じで。このころは、ブログがまだなく、エロゲ語りは、個人のレビューサイトか、2ちゃんねるか、というアリサマ。えろすけもまだ勃興期でしたし。
で、ぼくは、とあるエロゲの感想を漁っていたのですね。そこで、たどり着きました。
Nagale's Homepage「岳流」
……このページが、ぼくのオタク人生を、すごく変えてしまったのです。

 

●このページで得たもの 

 

たとえば、鍵ゲーのより詳細な分析、葉信者のディープな屈託、アリス信者の楽しさと誇り。ライアー推進派となることのバカ騒ぎ。B-ROOMにまつわる荘厳と屈託。……ぼくからして、エロゲの「現場」、熱き「ナマの現場」。

そんで、当時現行のオタコンテンツをもそこでは吸収させてもらいました。
そのなかでも、自分を変えたものは、小島あきらまほらば」と、上海アリス幻樂団の「東方プロジェクト」。
自分を……ほんとうにいい意味で、「作っていった様々のもの」。どれも欠けていたら、自分はなかった。
そんなあれこれを紹介するサイトを作っていたのが、今回の主役、Nagaleさん、です。

彼とは、ぼくの「オタクブランク」が数年続いたことにより、付き合いが一時的(それなりに長くですが)途切れたことがあります。それでも、オタクブランクを過ぎ、再びコンタクトをとったとき、覚えていてくだすったという! そこから、第二幕がはじまり、今に至るのです。

 

●座談会にまでつながる

 

Nagaleさんのレビュースタイルは、毎回評価項目のテンプレートに遵守して、その枠に分割して、わかりやすく作品の「どこがよかったか」「悪かったか」が一目瞭然になる、きわめて知的でわかりやすい。それでいて時折発せられる毒というか屈託が、全体の味をピリリと引き立てている、まさに読み物としてすばらしいレビューでした。

現在、Nagaleさんはレビューをされていません。本業がお忙しいか、また、エロゲに飽きてしまわれたか。……とかいいつつ、イブニクルやっておられますけど。

Nagaleさんは、よきパーティのホスト役でもあります。幹事役とでもいいますか。
日頃、Nagaleさんと交流のあるネットアカウントたちが、12月のとある時期になって、一同に会して深夜までとあるネットアングラスペースで語り合いまくる、通称「座談会」がもう10年くらいやっているのです。
ぼくは途中からの参加でしたが、ぶっちゃけこの会が楽しすぎるw 本音トークもあり、業界論もあり、お互いの近況報告もあり。

不思議なくらい、リアルの雰囲気とにている。それも、すごく居心地がいい。
それはやはり、ホスト役のNagaleさんの人徳なのだろうな、としばしば思うのです。

結局、Nagale's Homepage「岳流」がぼくにとって良かった、というのは、そこに「暖かさ」があったからなんですね。
セレクトショップの暖かさ、というか。情報量で攻めたてる、のではなく。
いつも、Nagaleさんや、Nagaleさんを巡るひとたちには、ぼくはよくしていただきました。

……さあ、そろそろ、ぼくも「誰かにお世話になってばっかりじゃいけないな」と強く思うようになりました。
今まで、ぼくはどこか「後輩キャラっぽい」ポジションに結果的になっていることが多かったです。それは、アカウント諸子の年齢が自分よりも高いんじゃないか、っていうことからもきますが。

でも、それは不要ですよね。自分から何かを発信していかなきゃ。たのしさを、役にたつことを。コンテンツを。……そう、苦みある苦しさとか、絶望とかをはき散らすより、もっともっと、みなさんとせっかくつき合えたんだから、何かキラキラしたものをひとつでも、ソーシャル言説空間に置いてみたい。
ソーシャル言説空間は、電子の闇のなかでも、しかしどこか冷たく感じるときがあります。まるで冬の闇のように。そんなときでも、ひととき瞬く星のように、何かを残して、みんなでほっこりしていただければ……とかって、思うわけです。

そして実際、みなさま……このエロゲーマー諸子百家でとりあげさしていただいたみなさまは、そのような「何かキラキラしたもの」を残して行かれた方々ですから。
ぼくはそれに頭(こうべ)をたれつつ、しかしぼくはぼくなりの何かをしていきたい。老い先短いですからね。

というわけで、今日も「エロゲー、しようぜっ!」

 

 

残響がNagaleさんのとこ行った記録

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(次回の更新では、この北海道旅行記のラストを書きます)

エロゲーマー諸子百家(19)マルセルさん

https://pbs.twimg.com/profile_images/378800000246516670/67cba6c6d6241caa8e874445d8e9dd1d_400x400.jpeg

えろすけのページ

マルセルさんのサマリー ErogameScape-エロゲー批評空間-


twitterアカウント(偽トノイケダイスケ名義)@gannbattemasenn
twitter出没度 出るときは出る、出ないときは出ない。
文化趣味 ロシア文化とクラシック音楽

 

●論理長文の紡ぎ手

エロスケ内の有名人。萌えゲー中心に攻略していっては、その萌えゲーの良い点も、悪い点も、縦横無尽に解析解析! そして論理に基づいて、毎回ン万文字の超長文でもってしたためる。
幾度となく「論文かっ」と言われるそのスタイルでありますが、しかし読めば、その論文が、同時に一級のエンターテイメントとしての面白さを兼ね備えていることに誰もが気づくでしょう。論文調の言葉のわりに、使っているやたらの俗語、言葉の勢い……そして、何より、萌えに、かわいいに魂を注いだ者の、意気込み。一歩も後に引かんぞ、というばかりの意気込み。その「萌力」「萌眼力」がレビューからあふれでています。
というか、論理論説と、エンタメを融合させる、っていうマルセルさんの読み物は、残響、おなじ文章家として、多大に影響を受けた、と同時に、しばしば「すげえなぁ」「嫉妬するなぁ」と思うたものです。

 

●文章家として強くあるということ

ぼくに足りないもの……マルセルさんのレベルに達するまで、いやそのわずかでも通じようとするため、どうすればいいのかってことを考えました。
まあ、別にそこんとこを教えてくんなましー、ってことでマルセルさんと日々おつきあいしてるわけではないんですけどね。ぼく、twitterでは、Nagaleさん(次回記事)主催の「座談会」メンバー以外では、おそらくこのマルセルさんが、ぼく一番おつきあいさせていただいているというか。
なんでこんなにお話してるか、っていうと……いや単純に楽しく、また学ぶところが多いから、っていうのもあるんですが、ひとつ、「これだけはこの人を見習って、自分にセットしておきたい考えがある」というのがあるのです。

以前、ちょっとしたtwitter言説混迷の時がありまして。そのとき、ぼくとマルセルさんは、クローズドな場所でちょっと語り合ったことがあって。
そこで、マルセルさんが仰った言葉。

「自分はエロゲ評論、エロゲ語りをするにおいて、一つだけ誓ったことがありまして。それは、
「人間関係の軋轢リスクで自分が言いたいエロゲ(論)を抑制することはやめよう」
ということです」

と、仰ってくださいました。
このお言葉を聞いたのは、かれこれ半年前ですが、ぼくはこのお言葉を、半年ずっと考えてきました。

自分は……弱い人間です。すぐに意見を撤回してしまいます。それは「より強い意見」への賛意、でもありますが。ですがどこかで「争う」ことを放棄し、自分だけのぬるま湯ワールドに避難してしまう、という傾向があります。

……それでは、エロゲソーシャル言説空間で、「本当の意味で」いる意味がないのではないか。
マルセルさんの仰った「軋轢リスク」……それは、確かにこの浮き世にはあります。ありすぎるほどあります。
でも「それ」を、理由になんてしてはいけない。自分と作品との関わりは、孤独にして絶対のもの。そして……自分が作品を謳いあげるのだったら、人との軋轢などを理由にして、ビビって後ずさりする、ていうのは、それこそ……それこそオタクの恥です。

このお言葉を聞いて、なんでマルセルさんはあんなに「強く」いられるのかな、ということの、理由の一端を見たような気がします。

もちろん、強さそのものが正義ではありません。マルセルさんにしたって、その強さが、時に論争を巻き起こしたりしてますし。

でも、場が混迷していて、強くあらねばならぬとき。そこで、自分というものを屹立させなければならない。そこでは、やはり「強く」ならねば。
あるいは、まったく個人のとき……ボロボロになっていきそうなとき。エロゲとかそんなんももうどうでも、というとき。そんなときでも、この「強さのかたち」は、ぼくを導いてくれるものでした。

 

よくマルセルさんは、理屈にこだわる、というか。「そういうふうに考えると理屈にあう」「それは理屈に合わない」と、よく仰います。
彼の中では、この理屈という武器、得物が、自らの「強さ」とマッチしているのでしょう。理屈を精査することが、強さーー最終的には自分を支える強さーーにつながっていく、と。

さて、ぼくはどうだろう。
強くは、なっただろうか。いや、今日も精神が揺れて、それをなんとか安定剤で押さえて、落ち着いたときにこれを書いてるのですから、道は遠いといわざるを得ない。
得ないが……それでも、人生は続いていく。マルセルさんのように、どこか……twitter上、えろすけ上で、「論理の電子妖精」という、どこか「実在を疑わせるw」振る舞いをされていても、しかし、折りに触れて、マルセルさんもまた実人生でもがきながら生きておられる、と思うことがあるのです。その結果があの対談企画であったり。

 

ずっと、筆で萌えとエロを論理でしたためてこられた方でした。誰におもねることもなく。これからも、そうでしょう。
かつては一読者として、今は同好の志(レビュアー)として、ぼくは、この論理の人が、そのままに、エロゲをずっと楽しまれていかれたらな、と思うのです。そんで、またおもろい文章見せてくらはいw

男性プレイヤーは百合の主人公を「やりやすい」か?

考えさせられました。

●質問回答こーなー

以前の記事……「男性は百合キャラに感情移入・投影・没入できない。男だから」というぼくの記事に、コメントいただきました。
曰く、ちょっとした違和感的異論、ということなのですが、その方曰く、

 

「自分は昔『思い出のマーニー』を読んだけど、自分はアンナ(主人公の少女)になりきって読めた」

 

という実例をこめて、です。自分とにているキャラには、性別関係なくのめりこめる、と。

 

「マーニー」という「アンタわかってるネエ!」とこのコメ主さんとシェイクハンドをかましたい今日このごろですが、さて、では、この「百合男子の実感」について、今回は詳しく見ていきましょう。
 

 

●百合没入と、主人公のキャラ性

 

男がすなる百合は基本無理で、観測になる。
女がすなる百合は可能で、実感になる。

 

……まあ、確かにこの図式に問題がある、といえるのかもです。
ぼくはより正確には、
「ぼくらのような屈託ある男や女がすなる百合は、没入無理だから、観測になる」
というふうに、「ぼくらのような」と限定して語ったほうがよかったかもしれない。

 

ただ、コメ主さんも仰っているのですが、「男は観測にならざるを得ない」ということを言うひとは、やっぱりそれなりにいるのです。ぼくもよく聞きました。

 

では、このテーゼにどれだけの妥当性があるか?

 

ここで、図式を整理するために、このようにしてみましょう。

 

プレイヤー →主人公 →ヒロイン

 

一般的な「物語受容」「物語ゲームプレイ」の図式ですね。なにを今更。
でも、ここにおいて……図式こそ変わらないものの、「各要素における情報量・傾向」は、
男性プレイヤー、女性プレイヤー、男性(エロゲ)主人公、女性(百合ゲー)主人公、というそれぞれの要素で、微妙に異なっている。今日はこの点の指摘です。

 

はじめに、エロゲの場合、

 

プレイヤー→男主人公(無色)→ヒロイン

 

であることは、だいたいの通念となっております。この場合の主人公無色性は、男が、ヒロインに恋し、没入し、えっちするための「感情移入」です。

 

対し、百合ゲーの場合、「没入」と「観測」で実はふたつに分かれるのです。

 

(1)乙女ゲー没入図式:プレイヤー →主人公(色あり) →ヒロイン
 
(2)百合ゲー観測図式:プレイヤー(強) →主人公(ヒロイン1)←→ヒロイン(ヒロイン2)←プレイヤー(弱)

 

(1)は対してエロゲ図式と変わりませんが、しかし後述するように、主人公の情報量は多い。「個性の強いエロゲ主人公」は、こっちのパターンにいずれなっていく。
本論では(2)を主にとりあげますが、その前に、コメ主さんの質問からはずれないようにしましょう。
すなわち、「男は百合主人公に没入できないのか」です。

 


●色のついてない主人公、ついてる主人公

 

エロゲの主人公には「色」がついていません。「積極的に個性をつけていかない」ということです。
「ついてる主人公もいる!」もちろんです。ですが、そっちの話をしていくと話が膨大になりますので。一般論で失礼。それに、「色ついてる主人公」は、ぼくの見立てでは必然的に、ある程度は「百合観測」に近いメソッドになっていく、とも思えてくるのです。

 

さて。
エロゲ主人公には色がついてません。これは先にも述べたように、没入の仕掛けです。スムーズな没入の。

 

言い換えれば、それは空想を助けるため、情報量が少ない。「余白」が多い人物像です。余白多すぎるともいえる。

 

対し、百合ゲー主人公には、けっこうそれなりに色がついているのです。
彼女らの情報量は、エロゲ主人公の一般像に比べて、圧倒的に多い。第一、エロゲ主人公の名前を忘れることあっても、百合ゲー主人公の名前を忘れることはあるでしょうか?
そして、余白が少ない。かなり、決め打ちした情報性を持っている。彼女らは。

 

さて、一気に論を飛躍さしますが、つまり、余白/情報量とは、「カップリングの関係性の材料である」ということです。
ほとんど言い換えが必要か?というようなもんですが。とにかく、カップリングは、主人公(女子)と、相手ヒロインが、それぞれの情報を持ち寄って、それぞれの余白を埋めていく、というものです。

 


●なりきりの「難しさ」「やりやすさ」

 

話をさらに、もとのコメ主さんの指摘に戻します。

 

「自分は女性主人公にもなりきれる」
という主旨ですが、やはりこれは、ひとつにはコメ主さんの想像力の豊かさに起因しているでしょう。
ただ、百合ゲーの図式……百合主人公の図式というのは、「たんに没入すればいい」というものではないのです。没入しつつも、どこかで俯瞰する必要がある。それがカップリングの原則なのです。

 

百合とは、関係性のダイナミクス(力学)です
ひとつの関係性の揺り動かしであり、リバーシブルの可能性であり、攻がどれだけ攻めて、受がどれだけ魅力的な言葉を放つか、です。
いわばそれは、ベクトル(方向性)がある程度限定された関係性物語といえるでしょう。

 

対し、エロゲの場合は、ここまで考えてない……というか、考えてない、というより、もっと「自由」です。
主人公=プレイヤー、は、作中において自分自身でいられる(原理的には。それが達成できてないゲームも多いですが)のですし、自分と主人公キャラを同一化さして、ヒロインにアタックしていき、恋をしていく。
その際……まあヒロインのキャラ性にだいぶ左右されるといっても、関係性を結構自由に動かせます。少なくとも百合のように、攻×受なんて枠に従わなくていい。

 

いわば真の意味でプレイアブル。そして……百合ゲーは、そこまでプレイアブルになれないのです。

 

百合主人公は、ひとりの人格、として求められます。
対し、エロゲ主人公を、ひとりの人格として求めまくる!というひとは……オタクのなかでも半分切るのではないでしょうか?

 

さて、「男性が女性百合主人公になりきれる」か。
想像の翼ひとつあれば、なれますさ。

 

ただ、百合側の主人公造形は、「なりやすさ」をどこか邪魔する。
というか「別にならなくてもいいですよ」と。一体化しなくていいですよ。と。
「観測してればいいんですよ」
とする、図式・情報構図の力学が働いている。

 

そもそも、ストーリー開始の時点で……というか、HPに情報が開示された時点で、百合キャラは「描きこまれた」存在です。情報は多く、余白は少ない。

 

もちろん、そのような主人公に没入できるひともいるでしょう。ただそれも、「キャラが合えば」の話であり、ここまで書き込まれたキャラに対して、万人がすんなり没入できるかどうか、というのはまた別問題です。

 

よってぼくの側からの結論は、
百合主人公は、実は簡単には感情移入・没入できにくい構造を持っている
ということで、「出来なくはないが、ちょっと努力がいる」「想像力のないひとは、自然と観測にいってしまう。観測のほうで想像力をつかってまう」ということです。
今回の記事は、ひとえに没入の「やりやすさ/やりにくさ」について語りました。

 

異論・反論、ご意見お待ちしております。コメ欄、もしくはtwitterからどうぞー。

エロゲーマー諸子百家(18)えびさん、Mirinさん、もっかんさん

えびさん

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●すごい並びだな、我ながらこのひとたちをひとくくりで語ろうなんて

エロゲーマーのなかでも、十年選手のベテランの方々ですtwitterエロゲクラスタのなかでも、みなさん三者三様の存在感を放っています。

えびさんのレビューは、ぼくからしたら、とても「味のある」レビューだと思います。それは、もちろん品質が低く独特さ偏り、という意味合いではありません。客観型・要素分割型のレビューとして、わかりやすく「解剖」して、丁寧にそれらを論じて……そこからふっと、ある感慨に着地するようなレビューなのですね。
それはプレイヤーとしての屈託でもあり、エロゲーマーとしての歴史性でもあり。
要素がわかりやすく書かれているので「なるほどなるほど」と読みながらも、時折「ふっと空を見上げるように、”あああんなこともあったよね””これってこういうことだったよね”という感慨をもたらしてくれる」レビューだったりします。

すげえふわっとした書き方でごめん……この感覚は、「麻呂の患者はガテン系3 完結編」や「好き好き大好き超管理してあげる」のレビューをお読みください。

 

Mirinさんは、レビューの丁寧さ、過去の時系列に沿ったデータや、当時のプレイヤーの感慨に基づいたレビューももちろんなんですが、Mirinさんの現在の主戦場が「評論同人誌」なんですね。
サークル「定時退者」で、「2004年ノベルゲーム批評本」「2005年〃」と、企画同人誌を、有志を募って執筆・編集なされています。

 


かく言うぼく残響も、この「2005年」のほうに参加さしていただきまして。その際のMirinさんの編集力といったらもうそりゃあ、ものすっげえ頼りになるものでした。返信は丁寧だわ、かゆいとこに手が届くわ。そりゃあ、同人誌もいい出来になりますよ、ごめんなさいぼくの愚文が質下げたんジャマイカ。

 

もっかんさんtwitterで床オナ障……いやもうこれは、これお読みになられてるエロゲーマーで知らないひとはいないし、このネタ何度読んでもおもしろいしw もうエロゲーマーの中の民間伝承じゃねえか、という半分ネタでもっかんさんを紹介する超絶失礼ぶりですが。

しかしレビューのことを言えば、ひとこと短文投稿の勢いと、長文感想やtwitterでの「ここ良いからやってみそ」なナチュラルに誘い(いざない)を誘発する伝道者ぶり。そう、親切な方です。親切じゃなきゃ……床オナ射精障害なんてことを衆目でネタにできないじゃないディスカー!!!!!(やっぱりこれでオチ

 

●ベテランたちのエロゲーマーとしての生き様

「生き様」って言葉、人によってはあんま好きじゃないように受け取るひともいるみたいですね。でも、この文では、最大級のリスペクトとしてこの言葉を用います。

 

たとえば、えびさんがエロスケの独自外部SQL(プログラム)をお書きになって、エロスケの機能を拡張なされたり。

 

たとえば、Mirinさんが同人誌というメディアを運営して、数多くの書き手(レビュアー)に、過去の記憶に基づく情熱の入った文章を「書きたくなる」企画運営・編集をなされたり。

 

たとえば、もっかんさんが道化的に床オナを語りながらも(まだネタにするか残響)、その実定期的にゲーム音楽に対するディープで誠実な知見を披露なさったり、ブログでそれをまとめたりして、実のあるコンテンツ提供&twitter言説空間の余裕ある道化で楽しませてくれたり。

 

ひるがえって、ぼく残響はtwitter言説空間、エロスケ言説空間、エロゲーマー言説空間で何をしただろう?

いや、「何かをしなくちゃならない」って思いこむのもまた危険なことで、おこがましいことでもあり。
でも、このお三方の、twitterでの余裕ある振る舞いや、実際に「ひとに役だったり、楽しませたりしてきた生き様」を見ていて、ふと残響自身の「なんもなさ」に愕然としたりすることもあります。

もうぼくも30になりました。だから、ってことでもないんですが……それでもやっぱり「何か恩は返したい」と思うのが、正直なところです。
ぼくは今まで、受け手としてさんざっぱらこのエロゲ言説空間で楽しませていただきました。
そりゃあ、みんなが楽しく会話して、ネタをくりだしあって、議論して、レビュー書いて、レビュー読んで、の繰り返しで、いいんですが。まっことそれでいいんですが。

ただ、ぼくの我が儘な思いが、「ぼく個人だけ」に向けて、
「……ちょっと他のことしてもいいんじゃない?」とささやくのです。
それは、実際にそうしている……「そうしよう」という義務感なしに、そうしている、ベテランエロゲーマーの方たちの生き様が、何も語ることなく、ただ背中でもって、ぼくに教えてくれたような気がするのです。

妄想かもしれませんけど。
……でも。