残響の足りない部屋

もっと多く!かつ細やかに!世界にジョークを見出すのだ

最近わたしの音の暮らしはこう 0824夏

音楽に関する文章の書き方を変えたいな……、と思っています。

これまで私はこの日記ブログでは、試聴音源(youtubeやbandcampなど)を貼って、その音源の「ここが良いよ!」という分析をする形で感想(賛辞)を行ってきました。それはそれで、音楽を分析的にしっかり聞く力が高まったので良いのですが。しかし、そういう分析ばっかりしていて、ちょっと飽きたところもあり。

今はそれよりも、私個人の日常のことを書き(つまり日記)、その中で日常で聞いている音楽を列記し、思うところあれば音楽について所感を書く、というスタイルの方をやってみたい。その方が日々のブログ更新が続きそうな気もする。日記を書いていきたいですね。本シリーズタイトル「最近わたしの音の暮らしはこう」も、そもそもそんな感じですし。

 

最近、稲葉曇(いなばくもり)氏というボカロPを知ったのです。だんだんとスルメ的に気に入ってきて、先日2ndアルバム「ウェザーステーション」の盤(CD)を買いました。


www.youtube.com


www.youtube.com

とくに気に入っているのがこの2曲(代表曲)です。

同じボカロPの先達たる故・wowaka氏の影響を感じさせるサウンドですが(稲葉氏本人も公言しています)、なんだか稲葉曇氏の曲は、どの曲も「諦念」を感じさせるところがあります。その諦念は「ああ、まぎれもない稲葉曇の曲だ」とすぐわかるこの人独特のシグネチャーです。疾走曲でもリズミカルな曲でも、いつもどこか片隅でじりじりと体温が下がっていくかのような感じがあるのです。そこがたまらん。絶望や狂気ではないのですが、この冷感のある諦念がとてもたまらん。

ああ、この日記を書いていて気づきましたが、その諦念による体温下がり感、ポストパンクっぽさがありますね。それもジョイ・ディヴィジョンみたいな。楽し気な音(リコーダー的な笛やリズミカルなアレンジ)があっても、裏側に確実に虚無や諦念がある。そこがたまらん。

www.youtube.com

 

話は変わってボカロP・もちうつね氏なのですが、新曲「風呂入るプロファイル」良いですね。新曲がどんどん勢いが増しています。しかしこの世界観というか病み・虚無・闇を内包したほんわかサウンドの勢いが増すって、良いのか悪いのかw


www.youtube.com

キャッチ―の嵐、ほわほわの嵐。こちらもシグネチャサウンドです。

対談インタビューで「soundcloud的なミックス、音作り」と指摘されていたのを読んで「なーるほどそういう捉え方があるのか!」と納得しました。そう思えばsoundcloud界隈とニコニコ・ボカロ界隈の「感じ」ってなんか違う気がする。Soundcloudにupされてるトラックが基本「音が磨かれている」傾向にある、っていうのは納得してしまったし。

szri×もちうつね、ボカロP歴わずか約1年のルーキーたちが語るVOCALOIDの魅力 「人間のネガティブな一面や尖った個性を大きな武器に」|Real Sound|リアルサウンド テック

 

キーフレーズ「漏れはお風呂が好きだから」「風呂入るプロファイル」「すーさいどへるぷみー」なんというキャッチーさでしょう。でもこれを日常で口ずさんだらアウトですね。

 

www.youtube.com

www.youtube.com

Vaporwave系MIXのこういうアニメループgif画像ってどこからキャプってきてるんでしょうね。こういう引用というかサンプリングを見るに、いつも感心しちゃうんです。少し前までは誰も見向きもしなかったジャンクな80~90年代アニメの1カットを、こうして探し出してきちゃう方のオタク生活っていうのに……。いや、これは皮肉ではなくて、「それこそがアニメマニアかくあるべし」な正道たる極北の姿だよな、と尊敬すらしています。映画監督クエンティン・タランティーノがジャンクなB級フィルムを夜な夜な漁っていた姿をも思わせるように…。私も音楽マニアとして、こうありたいとすら思います。

ところで、最近のVaporwave系はまだ良いにしても、Chill系、Lo-fi HipHopのmixの引用画像、AI美少女絵がかなり増えましたね。まぁそりゃそうか、な流れですが。

前にも語ったように、あんまり高解像度な絵だとちょっとLo-Fiのダル感、ノスタルジア感、グリッチノイズ、ウェザリングといったアトモスフィアが減退する感はあります。AI絵はちょっと……という以前に。

じゃあノスタルジックバリバリなAI絵だったらokなの?って聞かれたら、多分OKって言っちゃいそうな気がしますw でも…そういう絵って出力出来るのかな。プロンプトの設定次第だとは思いますが。やはり問題はLo-Fiの哲学、ノスタルジアの哲学なのか。

↓前に書いた参考記事(youtubeリンク外れてる…)

最近のLo-Fi HipHopのMIX動画の現代エロゲ風サムネ画像におもふ - 残響の足りない部屋

 

うーん、今回日記的なことがあんまり書けなかった(苦笑
まぁ次回以降で。

 

お気に入り音楽記事「最近わたしの音の暮らしはこう」バックナンバー

前の

最近わたしの音の暮らしはこう 令和5年の梅雨時期 - 残響の足りない部屋

前の前の

最近わたしの音の暮らしはこう 2023年春先(1) - 残響の足りない部屋

去年の今頃の

最近わたしの音の暮らしはこう 2022年夏 - 残響の足りない部屋